空き家をトランクルームに活用するメリット・デメリットについて解説

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空き家 トランクルーム

放置してしまっている空き家などを上手く活用したいけど、いい方法が思い浮かばないといった方も多いのではないでしょうか。

空き家の活用方法として挙げられるのかトランクルームです。

この記事では空き家をトランクルームに活用する方法などについて詳しく解説します。

トランクルーム経営の特徴について

まずはトランクルームの特徴について理解しておく必要があります。

ここからはトランクルーム経営の特徴について詳しく解説しましょう。

(1)空き家をトランクルームで開業できる?

トランクルームとは、複数の収納スペースをつくり、契約期間にお客様の荷物を預かるサービスを指します。

空き家をトランクルームとして開業することができます。

空き家を活用してのトランクルーム経営となると、屋外にある大きなコンテナタイプではなく、コインロッカーのような設備を空き家内に設置するイメージになるでしょう。

空き家自体をリフォームして、大きなスペースを貸したり、小さなスペースで区切り、複数人に提供したりすることも可能です。

コインロッカーのような設備を導入すれば空き家自体の大幅なリフォームは必要ありませんので、空き家があると比較的開業しやすいといえるでしょう

(2)利回りは高い

空き家のトランクルーム経営は利回りの高さが特徴です。

そもそも空き家があるので、屋内型のトランクルームだと前述したように初期投資があまりかかりません

もし空き家をリフォームして間仕切りしたとしても、そこまで高額な費用はかからないでしょう。

さらに、部屋を効率的に分けられると無駄なスペースが無くなりますのでレンタルに利用できるスペースが多くなります。

住居の賃貸経営よりもコストが大幅に抑えられますので、利回りの高い経営が可能といえるでしょう

(3)管理面も手がかからない

空き家の活用方法として、賃貸住居として貸し出す方法が考えられます。

しかし、賃貸住居として貸し出す場合、修繕や点検などが必要になる点や、設備が壊れてしまうと新たな設備を設置しなければいけません。

設備の交換となると、費用も高額になってしまうケースもありますので、管理面が少し大変と感じてしまう場合があります

トランクルームの経営は、そこまで高額な修繕費用はかかりません。

また、防犯カメラなどを設置していますし、警備会社と警備契約を締結していると、不審者の対応なども任せられますので、ほとんど管理の手間がかからないでしょう。

管理面が楽な点もトランクルームの特徴です。

(4)立地面がそこまで重視されない

空き家を居住用賃貸として貸し出す場合、立地面に大きく影響されます。

立地が良くない場所だと、なかなか入居が決まらずに、家賃の値下げや、豪華な設備を設置するなど、所有者の負担が少し多くなる傾向といえるでしょう。

トランクルームは、そこまで立地に影響されない点が特徴のひとつです

基本的にトランクルームに預ける荷物は何回も繰り返し使用するものではなく、季節商品や、めったに使用しない物を預けるのが多いので出入りが頻繁ではありません。

立地があまり良くなくても、利用者は頻繁に出向きませんので、立地面はそこまで重要ではないといえます。

(5)借地借家法の適用外

トランクルーム経営は、空き家ではありますが不動産物件を利用し、建物を賃貸で貸し出すビジネスです。

しかし、空き家を貸し出すのは居住の目的ではありません。

居住目的ではありませんので基本的に借地借家法の適用外となります

借地借家法とは、借地権や建物の賃貸借契約などに関して特別に定められている法律で、借主の立場が大きく保護されている法律です。

例えば、家賃を滞納している入居者でも簡単に退去させることができず、明け渡し訴訟などが必要になりますので、強制退去までに時間と労力がかかってしまいます。

しかし、トランクルームは借地借家法の適用外です。

賃貸借契約に違反する行為などによって、強制退去させる場合も比較的やりやすいといえるでしょう。

空き家でトランクルーム経営するメリットは

ここからは、空き家においてトランクルームを経営するメリットを解説します。

(1)建物のリフォーム費用がかからない

空き家をそのまま活用できますのでリフォーム費用などが余計にかかりません。

居住用賃貸物件だと、賃貸に出す前にきれいにリフォームして貸し出す必要があります。

入居者が退去し、次の入居者を募集するために、原状回復やリフォームした上で貸し出しますので、退去ごとにリフォーム費用がかかってしまうでしょう。

トランクルーム経営だと、リフォームといっても間仕切りを設置する程度です

また契約を解除された場合、次の利用者を募集しなければいけませんが、トランクルームをリフォームする必要はほとんどありません。

建物に関するリフォーム費用が抑えられる点は大きなメリットといえるでしょう。

(2)築年数が古くても利用可能

居住用賃貸物件の場合、築年数が古くなればどんどん入居希望者が減ってくるのが一般的です。

築年数の経過とともにどうしても建物が劣化してしまいますので、大きな費用をかけて全体的な改修工事をしなければ、入居募集にとって築年数の経過はマイナス要素といえます。

しかしトランクルームの場合、人が住むわけではなく荷物の保管場所としての利用です。

建物の築年数は影響しません。

都心部だと、トランクルームの需要が多い割には数が全く足りませんので、築年数の古い家でも借り手は非常に多くなるのが想定されるでしょう

(3)建築基準法上の制限はない

トランクルーム経営には大きく、屋内型と屋外型に分けられます。

更地にコンテナ型のトランクルームを設置する場合、建築基準法の制限や用途制限などの対象となりますので、規制の範囲内でトランクルームを設置しなければいけません

すでに空き家があり、空き家でトランクルームを開業する屋内型の場合、これらの規制対象とはなりません。

比較的自由度が高い状態での設置が可能といえるでしょう。

(4)初期投資が安い

すでに空き家が存在しており、空き家の有効活用につながるトランクルーム経営ですので初期投資が大幅に抑えられます。

前述したように空き家にコインロッカー型のトランクルームを設置すれば、すぐにでも開業可能です。

また、部屋を仕切る工事だけでも開業は可能ですが、そこまで高額な費用を投下する必要はありません。

初期投資が安いので、空き家の取り扱いに苦労している場合は、非常にやりやすい事業のひとつといえるでしょう。

空き家でトランクルームを利用するデメリット

ここからは、空き家でトランクルームを利用する場合のデメリットについて解説します。

(1)節税効果が薄い

空き家や土地など不動産を所有していると発生するのが固定資産税です。

固定資産税評価額の1.4%程度となる税額を毎年納税しなければいけません。

しかし、住居が建築されている土地の固定資産税は宅地並みの課税の特例を受けられ、固定資産税が1/3または1/6まで減額されています。

その空き家でトランクルームを開業しようとすると、空き家は事業用の建物扱いとなるのです。

そのため、宅地並み課税の特例対象外となってしまいます。

空き家で事業を始めると固定資産税が今までの3倍か6倍に上昇してしまうでしょう

今まで安い固定資産税だったのがトランクルームをスタートすることにより納税額が高くなってしまうので節税効果が無くなります。

(2)集客が大変

集客に苦労してしまう可能性が考えられます。

そもそも住居だったものを事業用に業態変更しますが、外観が変化するわけではありません。

一目見るとただの住居ですので、その場所がトランクルームとはわからない可能性があります。

そのため集客面で苦労するかもしれません。

近隣へのチラシ配布や、不動産会社に依頼しての募集などが必要です。

広告看板の設置や、不動産検索サイトへの登録などをこまめにする必要があるでしょう

(3)業態によって経営方法が異なる

業態によっては経営方法が異なる点も挙げられます。

トランクルーム経営は倉庫業か、一般的な賃貸借契約のどちらに分類されるかによって、別途許可申請が必要になるかもしれません

倉庫業でスタートする場合、倉庫での荷物預かりを業務とする事業を指します。

倉庫業で開業する場合、荷物の出し入れなどを経営側でする必要があり、契約者が荷物の搬入をできません。

一般的な賃貸借契約に基づくトランクルーム経営に関しては、契約者が荷物を出し入れ出来ます。

また倉庫業としてトランクルームを開業する場合、許可申請も必要ですので、業態をしっかりと理解した上で開業しなければいけません。

トランクルームの開業方法

トランクルームの開業方法はいくつかの経営スタイルから選択が可能です。

ここからは、トランクルームの開業方法について解説します。

(1)独立開業する

自分ひとりで独立開業する方法が挙げられます。

空き家にトランクルームを導入し、運営もすべて自分ひとりでスタートする方法です。

管理面や集客に関しても、すべて自分ひとりで運営しますので、副業感覚で経営していると失敗してしまう可能性が非常に高くなるでしょう。

開業後に入ってくる売上に関しては、すべて自分ひとりのものになりますので、経営が軌道に乗れば、大きな収入源になります。

(2)フランチャイズに加盟する

フランチャイズに加盟しての開業もオススメです。

フランチャイズとは、フランチャイズ加盟店を募集している本部に加盟し、経営ノウハウや、看板を使って経営ができるシステムを指します。

トランクルーム未経験でもノウハウや研修などで事業形態を学べますので未経験からの開業も可能です

また、フランチャイズに加盟して開業すると看板を使って開業できますので、知名度のある状態でスタートできます。

ただし、これらを使用できる対価として毎月ロイヤリティが発生しますので、独立開業よりも収益性には落ちてしまうケースが一般的です

(3)サブリースで開業する

サブリース方式での開業も挙げられます。

サブリース方式とは、トランクルームの運営会社に空き家を借り上げてもらいトランクルームの収入の一部が定額で入る仕組みです。

基本的に経営状態はあまり関係なく、毎月定額で入金されます。

ただしあまりにも経営状態が悪ければ、契約期間の更新時に借り上げ賃料の値下げや最悪の場合、契約解除となってしまうでしょう

管理や運営はすべて運営会社がしますので、空き家の所有者が特に動く必要はありません。

サブリースの場合土地の賃借料として収入を得られます。

独立開業よりは収益性は落ちますが安定性に優れている方法といえるでしょう。

まとめ

空き家の状態で放置していると、固定資産税や維持管理費の負担が必要になりますが、収益を産みませんので、活用のひとつとしてトランクルーム経営を挙げました。

空き家を活用できますので初期費用が安く手間もあまりかかりません。

副業感覚でも取り組める事業のひとつです。

空き家の築年数や立地にあまり関係ないので比較的、対応できる空き家が多いといえます。

しかしメリットもある反面、集客面の苦労や固定資産税の増額などいくつかのデメリットもありますので、自分に合ってビジネスかどうかの分析が必要でしょう。

また、ビジネススタイルも独立開業、フランチャイズ、サブリースなどいくつかのスタイルがありますので自分に合った開業方法を選択しなければいけません。

比較的取り組みやすいビジネスですが、しっかりと特徴やビジネススタイルを分析するためにもこの記事を参考にしてはいかがでしょうか。

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