空き家の除湿対策・カビ発生によるリスクと回避策を解説

空き家相談

空き家の除湿対策

空き家をきちんと管理できていなければ、部屋内はさまざまなダメージを負ってしまいます。

その中でも特に部屋に悪影響を与えるのがカビです。カビは、いくつかの要因により発生します。

普通に生活していてもカビが発生するケースがあるのですが、空き家となり放置されっぱなしだとカビが充満してしまうことがあるのです。

では、カビの発生は空き家に対し、どのような悪影響を及ぼすのでしょうか?

この記事では空き家とカビの関係性について解説します。

空き家のカビを放置しているとどのような健康被害があるのか?

カビの発生で最も注意しなければいけない点は、健康被害です。

空き家なので人が頻繁に出入りすることは非常に少ないのですが、それでもカビが充満した部屋に入るとさまざまな不具合が起こりえます。

では、カビが保有する病原菌は、どのような病気を引き起こすのでしょうか?

カビが原因で起こりえる病気について解説します。

(1)  過敏性肺炎

カビによるアレルギー症状により起こる病状です。

咳や息切れ、発熱など風と同じような症状が起こりますが、カビの胞子を継続的に吸入することが大きな原因といわれています。

夏風邪と同じ症状なのでたいしたことはないと安心してはいけません

時には重症化することもあり、肺機能が低下し呼吸不全などを引き起こすケースも見受けられます。

カビが大きな要因となる症状の代表的なものです。

(2)  皮膚炎

これもカビが原因といわれていますが、特に注意する皮膚炎としてマラセチア皮膚炎が挙げられます。

カビが原因となるマラセチアが増殖し、皮膚に大量につくと炎症やかゆみを引き起こすのです。

人にも発症するのですが特に注意が必要なのが犬の発症です

猫はかかりにくいといわれていますが犬によくみられるといった特徴を持っています。

空き家にペットを連れて行った場合などには特に注意が必要といえるでしょう。

(3)  アレルギー性鼻炎

鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を引き起こします。

これもカビが原因で、アルテルナリアというカビの胞子を吸い込むことにより引き起こされる症状です。

アレルギー反応を引き起こすアレルゲンがカビにより過敏に発症することが原因といわれています。

アレルギーが起こるということは異物が体内に入り込んだ場合の防御が起こったことにより起こる事象です。

カビなどが多量に体内に入り込んだ場合に起こりやすい症状ですので、これも空き家のカビを吸い込んだ場合に注意する事象といえるでしょう。

(4)  感染症

水虫などの白癬菌はカビの一種に感染することで発症します。

日本には複数の白癬菌がありますがカビが原因となり水虫を引き起こすケースがあるのです。

カビ自体は非常に耐性が強く生存期間が長いので、空き家に入り込んだときにカビなどが体に付着し、病気を引き起こします。

カビの一種である白癬菌が体に付着すると水虫になるのです。

これもカビが繁殖した場合に注意が必要な症状といえるでしょう。

(5)  シックハウス

カビだけではありませんがシックハウスもカビが引き起こす要因の一つといわれています。

シックハウスというと化学物質が引き起こし、鼻水、吐き気、頭痛、湿疹といった健康被害を及ぼすのです。

しかし、化学物質だけが原因ではありません。

細菌やカビ、花粉といったハウスダストが引き起こすことも起こりえます。

浮遊したカビも大きく影響するといえるでしょう。

空き家のカビは何が原因で起こる?

空き家に発生したカビは、人体にさまざまな害を与えることがわかります。

空き家とはいえカビの発生は大敵といえますが、実際にカビは何が要因で起こりやすいといえるのでしょうか?

空き家においてカビが発生しやすい原因について解説します。

(1)  温度

カビの発生において温度が大きく影響します。

生育条件は5℃~35℃と日常生活の中で十分生育する条件を満たしているのです。

特に生えやすい温度といわれているのが20℃~35℃で最も生えやすい時期は6月~9月前後といわれていますが、地域の気温差によって大きく異なります。

20℃~35℃となると日常の暮らしの中で快適な生活ができる温度帯ですので、一般生活の中でもカビは非常に起こりやすいのです。

つまり日本の環境では、比較的カビが繁殖しやすいといえるでしょう。

(2)  湿度

もっともカビの繁殖に影響するのが湿度です。

日本は高温多湿の国といわれ、カビを発生しやすい環境が多いといわれています。

一般的に湿度が60%を越えるとカビが起こりやすいといわれており、さらに湿度が上昇するとカビの成長が早まるのです。

空き家は基本的に窓が閉まりっぱなしで換気がされていないので湿気が逃げません。

特に注意する時期が梅雨時期です。

梅雨時期に全く空き家に訪問せず、梅雨が明けたときに空き家に行ったらカビだらけになっていたといったことも珍しくはありません。

湿度はカビの大好物なので換気がされていない空き家は特に注意が必要です。

(3)  ホコリやゴミ

ホコリやゴミもカビの繁殖に大きく影響します。カビの栄養となるからです。

カビはさまざまなものを好み、家の中にあるホコリ、ゴミや、建材などについても栄養とします。

つまり、部屋内においてもカビが発生しやすい場所があるということです。

キッチンやトイレ、洗面所といった場所は比較的カビが発生しやすい場所だといわれています。

このような場所に、ホコリやゴミなどの栄養分が溜まりやすく、湿気も多いのでカビが繁殖しやすいといえるでしょう。

また、おきっぱなしの家財である食器棚やタンスといったものにもカビが発生しやすいので、特にチェックしなければいけません。

(4)  結露

冬の時期に起こりやすいのが結露です。

窓ガラスやサッシに結露が発生すると水滴から湿気を発生しカビが起こる要因となります。

特にサッシ廻りに水滴が付き、カビの発生へと繋がるのです。

水滴は換気されない限り、長時間水滴が残ってしまいます。

そのためカビがどんどん増殖する可能性がありますので、気づいたらサッシ廻りがカビだらけといった事態になってしまうでしょう。

空き家のカビ対策 除湿は大切?

空き家を放置状態にしていると、カビの発生が起こりやすくなり、カビは大きな健康被害を及ぼすことを前述しました。

空き家とはいえ、カビの対策はきちんと行わなければ、空き家の活用ができなくなってしまう可能性があります。

では、空き家に対するカビ対策にはどのようなものがあるのでしょうか?

空き家のカビ対策について解説します。

(1)  換気

定期的に訪問し、換気を行うことが最も効果的な方法のひとつです。

前述しましたが、カビが好むものの一つに湿気があります。

空き家はどうしても湿気がこもってしまい、空き家を放置していると空気が循環しないためなかなか改善しません。

なかなか訪問できないのであれば、電気代はかかりますが、一定期間だけ換気扇をつけっぱなしにするなどの対策を行うことにより空気の循環が可能です

定期的な訪問により、換気をきちんと行うことでカビの発生を防ぐこともできます。

なにより、定期的に訪問することが大きな換気方法といえるでしょう。

(2)  風通し

換気と同じ対応となりますが風通しを定期的に行うことにより湿気対策となります。

定期的に訪問し、何時間かすべての窓を開けることで風通しを良くし換気を行いましょう。

また、窓にもよるのですが、換気の小窓が付いている窓がある場合は、換気小窓を開けておき、不在の場合でも風通しを良くしていてはいかがでしょうか?

これだけでも湿気対策には十分なります。

しかし、ここでも定期的に訪問し風通しのために一時的に窓を開放することが最も効果的な方法といえるでしょう。

(3)  徹底した掃除

カビが発生する要因として、ゴミやほこりを栄養分にすると前述しました。

つまり栄養分をなくすためにごみやほこりを排除する方法も効果的です。

徹底して掃除することで、ゴミやほこりをできるだけなくし、カビの発生を食い止めましょう

また、荷物を置きっぱなしにしていると、ホコリやゴミが発生しやすい原因ともなることから、なるべく荷物を置きっぱなしにしないようにしておきましょう。

できれば、ほとんど荷物がない状態にしておくと、湿気やほこり、ゴミが起こりにくくカビの発生を食い止める方法のひとつとなります。

カビの業者に依頼した場合の施工方法や対策はどのようなもの?

なかなか出向くことができずに空き家を放置した結果、カビが繁殖してしまったということはないでしょうか?

この場合は簡単なふき取り程度ではカビを除去することはできません。

どうしてもきれいに除去したい場合は、カビの業者に依頼してカビを除去してもらうことになります。

では、このカビ業者に依頼した場合、どのような施工を行うのでしょうか?

また、施行にかかる費用はどのくらいかかるのでしょうか?

カビの施工業者の施工方法や費用などについて解説します。

(1)  カビ除去業者の施工方法

カビの除去方法はいくつかの施工方法がありますがやはり最も多く利用されているのは薬剤の使用です。

あまり強力な薬剤だと、カビがこびりついている材質にも悪影響を与えてしまいますので、人体にも害のない安全な薬剤が利用されることが多いです。

カビ除去の日数は程度にもよりますが薬剤の散布後、1日程度乾燥させておくとカビが除去されます

しかし、カビの除去を行ったからといって、防カビまでできるというわけではありません。

防カビには別の薬剤を使用しカビを防ぎます。

このような施工により、カビを防止し、空き家のカビ防止に役立てましょう。

(2)カビ除去業者に依頼した場合の費用はどれくらい?

では、このような業者に依頼した場合には、どの程度の費用がかかるのでしょうか?

これは、施行する空き家の広さや、カビの程度によっても大きく異なります。

しかし、一般的には50,000円前後の費用がかかるようです

これはあくまでもカビの除去のみの費用となり、防カビまで行う場合は別途薬剤などの費用がかかる可能性が高いでしょう。

業者に頼むことにより一定期間カビの発生を防ぐことができますので、なかなか管理できないという人は依頼してはいかがでしょうか?

まとめ

カビは空き家にとって大敵となりますが、空き家の管理を放置しているとどうしても起こってしまうものです。

カビは、人体に悪影響を及ぼしてしまう点や、空き家を活用しようとする場合に、カビが悪影響を及ぼす可能性が大きく高まります。

カビの予防は、換気や風通しを良くする、徹底した掃除によりカビの発生を防ぐことが可能です。

空き家とはいえ、しっかりと管理してカビの発生を防ぎましょう。

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