空き家の庭の手入れ方法・雑草の手入れを怠るリスクと対処法
空き家を所有している場合、きちんと管理しなければいけませんが、管理しているかどうかを判断する場合、一目でわかるのが庭の状況です。
きちんと管理されている空き家ならば、庭は草取りも定期的に行われ、庭の手入れもしっかりと行われています。
逆に管理がきちんとされていない空き家は、庭の樹木は伸び放題、雑草も生え放題といった状況で、誰も住んでいないことが一目でわかるような状態です。
では空き家において、雑草や庭の手入れを怠った場合にはどのようなリスクが生じるのでしょうか?
また、雑草の処理方法や管理に困っている場合の対処方法には、どのようなものがあるのでしょうか?
この記事では、空き家における庭の手入れについて解説します。
空き家の雑草や庭の手入れを怠るリスクとは?
空き家の雑草や庭の手入れを怠っていると空き家ではどのようなリスクがあるのでしょうか?
ここからは、空き家における外構部分の管理不十分で巻き起こるリスクについて解説します。
(1) 近隣住民への迷惑
庭の雑草や植木が伸び放題となると、隣の敷地内へ雑草や植木が入り込んでくる可能性があります。
隣の敷地内に植木が入り込み、落ち葉や樹液が落ちて隣の住人が掃除しななければいけない事態にもなりかねません。
特に心配な点が、隣の駐車場スペースに植木が入ってきた場合です。
樹液が車に落ち、車に樹液がこびりついてしまうことがあります。樹液は、簡単にふき取っただけではなかなか落ちません。
また車の塗装にもダメージを負わせてしまいます。
このような被害を隣の住人が受けてしまうことになるのです。
また木が伸び切ってしまい隣接する道路の視界を妨げてしまうことも考えられます。
道路の視界が悪く、交通事故が起こってしまうリスクも増えてくるといえるでしょう。
庭も含む外構部分の管理不十分は、近隣住人へ悪影響となることが非常に多いといえるのです。
(2) 放火など火災の怖れ
もっとも恐ろしいリスクとして挙げられるのが火災リスクです。
庭の雑草が伸び放題になってしまうと、庭の草が枯れ、火元に十分注意しなければいけない状態になってしまいます。
万が一タバコのポイ捨てなどにより、庭の伸びきった枯草に引火してしまうと、空き家全体に火が燃え広がり大きな火災となってしまうでしょう。
また、外構部分が荒れ果てて雑草が伸び放題となっていると、放火される可能性も考えられます。
ちょっと火をつけられただけで、前述したように引火しやすい枯草が多く、空き家全体に火災が燃え広がることになるでしょう。
隣の住宅への延焼の可能性もあり、大きな被害を受けてしまうかもしれません。
火災の発生は、非常に大きなリスクといえるでしょう。
(3) 害獣の発生
外構部分の庭が伸び放題で管理不十分だと、害虫や害獣の発生も気になる点として挙げられます。
まず、夏場においてハチの発生が近隣住民にとって最も怖い害虫ではないでしょうか?
ハチが飛来している場所には当然ながらあまり近寄りたくはありません。
更に、自分の敷地に飛んできて刺される可能性も高くなってしまいます。
非常にリスクが大きいといえるでしょう。
また、管理されていない空き家だと一目でわかってしまうと、ゴミを不法投棄される可能性も考えられます。
そうなると、野犬や野良猫といった動物や、ネズミなどといった害獣が発生してしまうかもしれません。
野犬などが発生し住み着いてしまうと、近隣住人を襲う可能性も考えられます。
また野良猫がごみを荒らし、悪臭をまき散らすこともあるでしょう。
近隣住人にとっては非常に迷惑な話で、絶対に起こってほしくない事例です。
空き家の雑草処理や庭の手入れ、どの業者に頼む?
空き家の外構部分、特に庭や雑草といった管理を怠ると、前述したさまざまなリスクを近隣住人に与えてしまいます。
そこで、雑草の処理や庭の手入れを専門業者に頼みたいのですが、どこに頼めばいいのかわからない人も多いのではないでしょうか?
ここからは、依頼できる業者の概要について解説します。
(1) 園芸の業者
最も専門的で庭木の手入れを専門的な視点から行うのが園芸業者です。
植木屋さんと呼ばれることも多いのですが、植栽や庭の手入れにかけては専門性が高いプロフェッショナルといえるでしょう。
庭に植えている植木に専門的な手入れが必要な場合や、植木の種類が多くきれいに整えたい場合は、園芸の専門業者に依頼するのがおすすめです。
他の業者と比較しても若干割高にはなります。
費用面は、除草作業で10,000円程度を見込んでおきましょう。
(2) なんでも屋
依頼に対して基本的に断らない、なんでも屋さんも依頼の対象となります。
基本的には、見栄えも含めた庭の手入れを行います。
ただし、植栽の専門家ではありませんので、園芸業者程が行うレベルの庭の手入れは難しいかもしれません。
もし、他にも空き家に関する対応をお願いしたいものがあるときには一気に依頼できるので便利といえるでしょう。
基本的には時間単位での報酬となりますので広さや、かかる時間によって異なります。
しかし、園芸業者と比較すると割安な場合が多いといえます。
およそ1人当たり1時間3,000円程度で引き受けているのが一般的です。
1人で2時間程度であれば7,000円前後の費用を見ておきましょう。
(3) シルバー人材センター
自治体では、高齢者が就労できるようにシルバー人材センターを設置しています。
65歳以上の高齢者が、色々な作業を請け負いますが、庭の手入れや雑草処理なども含まれているのです。
こちらも園芸の専門家ではありませんので、見栄えを気にする人は少し費用が高くなりますが園芸業者をおすすめします。
とはいえ、仕事の内容は決して雑ではありません。
処理することがメインとはなりますが、丁寧で満足のいく仕上がりに期待が持てるといえるでしょう。
費用は、一日単位での請求となりますので、短時間で終わる作業に関しては、なんでも屋さんの方が割安かもしれません。
しかし、非常に庭の範囲が広く、除草自体も多いものであるならば、1日5,000円程度で作業を行いますので、依頼する場所の作業量によって選択するのも効果的です。
(4) 空き家管理サービス
近年増加する空き家問題に対し、不動産会社が新たなサービスとして提供しているのが空き家管理サービスです。
なかなか空き家に出向けない所有者に代わって、空き家の換気や、修繕個所のチェックを行い、定期的に報告しています。
その際、簡易的な除草などを行うサービスも請け負っている会社もあり、別料金にはなりますが庭の手入れと除草を依頼することが可能です。
空き家管理サービスの際に合わせて依頼するメリットは、空き家の状況をよく知っているといった点が挙げられます。
適切な対応に期待ができますので、所有者の希望に沿った庭や雑草の管理が最もできやすいといえるでしょう。
しかし、庭の手入れなどの依頼は、業者さんに外注しますので、費用的には園芸業者とあまり変わらないかもしれません。
自分で庭の手入れや雑草処理を行う方法
このように業者さんに依頼することで、費用はかかりますが、わざわざ現地に出向くことなく庭の手入れや雑草処理が行えます。
しかし、中にはなるべく費用を抑えたいという人も多いのではないでしょうか?
庭の手入れや雑草処理は、自分で行うことも可能です。
ここからは自分で庭の手入れや雑草処理を行う方法について解説します。
(1) 雑草処理後、防草シートを敷き詰める
雑草は、一度抜いたとしてもまた雑草が伸びてきますので定期的な対応が必要な作業です。
できることなら一回雑草処理をしたら、次の雑草処理はすぐに行いたくありません。
この場合おすすめしたいのが、外構部分の雑草を処理した後、防草シートを敷き詰める方法です。
防草シートとは、敷地全体に敷き詰めることで雑草の光合成を抑え、雑草が伸びるのを防ぎます。
材質などによっても異なりますが、長期間において雑草が生えないケースもあり、空き家等では効果的な方法といえるでしょう。
(2) 雑草処理後枯葉剤を散布する
もう一つの方法が枯葉剤を散布する方法です。
残しておきたい植木などがある場合は不向きなのですが、雑草処理後、枯葉剤を散布すると次から草が生えてきにくくなるので、雑草処理の手間が軽減されます。
費用も比較的安価で、ホームセンターなどで購入が可能です。
(3) 一切伐採する
特に残しておきたい植木などがない場合は一切伐採してはいかがでしょうか?
空き家の管理を続ける場合、定期的に庭の手入れや雑草の処理は行わなければいけません。
手間と費用がどうしてもかかりますので、一切の植木を伐採してしまうことも方法の一つといえるでしょう。
しかし、それでも雑草は伸びてきますので、植木の剪定と同時に前述した枯葉剤の散布や防草シートを敷き詰めることで除草の手間を大幅に削減できます。
庭の手入れや雑草処理ができない場合、空き家の活用方法
空き家の管理において庭の手入れや雑草処理もしっかりと行わなければいけませんが非常に手間や費用がかかる作業といえるでしょう。
しかし、中には費用面やわざわざ出向く手間が重なり、どうしても管理できないという人も多いのではないでしょうか?
では自らが管理する方法のほかにどのような活用方法があるのでしょうか?
空き家の活用方法について解説します。
(1) 売却する
空き家を維持管理しておくことが難しいのであれば売却してはいかがでしょうか?
もし、相続などにより空き家を引き継いだ場合は相続後3年以内に売却することにより譲渡税の特別控除を受けることが可能です。
大幅な譲渡税の減税効果が期待できますので空き家管理が難しいならば売却して、空き家管理自体をなくしてはいかがでしょうか?
(2) 更地にして運用する
空き家があるから維持管理をしなければいけないので、空き家を解体し更地として運用する方法も考えられます。
更地にして、駐車場として運用する方法や土地貸しする方法など更地でも活用方法は複数検討可能です。
残念ながら、宅地ではなくなるので、固定資産税が上がってしまいます。
しかし、今まで空き家として収益を生まない不動産が更地にすることで収益を生むことができるかもしれません。
固定資産税の増額分以上の収益にも期待ができます。
(3) 賃貸に出す
自分で管理するのが難しいのであれば、人に貸してはいかがでしょうか?
築年数が古い空き家であっても需要があるエリアであれば十分貸すことは可能です。
最初に原状回復や改装の費用はかかりますが、入居者の自由に工事してもらうことでこれらの費用を抑えることもできます。
人に貸せば、基本的に入居者が掃除などは行いますし、管理会社に頼んでおくと、あまり労力はかかりません。
また固定資産税は安いまま、賃料収入を得られるといったメリットもあるでしょう。
賃貸に出すことも効果的な方法です。
まとめ
空き家管理は、自分で行うと非常に手間がかかります。特に大変なのが庭の手入れや雑草処理です。
庭の手入れや雑草処理を怠ると近隣住人に大きな迷惑をかけてしまうことになります。
業者に頼むことも可能ですが、いくつかの業者から選択ができるので、自分に合った業者を選ぶこともポイントです。
また、自らが行うこともできますが、なかなか管理ができない場合はどうしたらいいのでしょうか?
自らが管理する以外にもいくつかの活用方法がありますので、この記事を参考にしてもらえたら幸いです。