空き家で民泊ビジネスを始めるメリットとデメリットを解説

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空き家 民泊ビジネス

コロナショックも落ち着きを取り戻し、インバウンドの需要が高まる中、注目されているのが空き家の民泊活用です。

この記事では、空き家で民泊ビジネスを始める人が増えている理由や、空き家で民泊ビジネスを行うメリットとデメリット、空き家で民泊ビジネスを始める際の注意点について詳しく解説します。

空き家で民泊ビジネスを始める人が増えている理由

まずは、空き家で民泊ビジネスを始める理由について説明します。

(1)空き家の有効活用法として注目されている

日本では、空き家率が年々増加しており、空き家問題が深刻化しているのが現状です。空き家の増加は地域の防災や景観、治安などに悪影響を及ぼします。

行政は「空き家等対策特別措置法」や空き家バンクの設置といった対策を進めてきましたが、大きな改善には至っていません。

このような状況で今、空き家を活用した民泊ビジネスが注目されています

民泊は、宿泊施設として空き家を活用できる点が特徴で、初期投資が比較的少なく済むため、多くの空き家所有者にとって魅力的な選択肢のひとつといえるでしょう

空き家を有効活用することで地域に新たな活気をもたらし、空き家問題の解決にもつながる民泊は、社会的にも経済的にも価値の高いビジネスモデルといえるでしょう。

(2)インバウンド需要が増加している

日本では、東京オリンピックの開催や、観光立国を掲げた行政のインバウンド政策推進により、外国人観光客の数が年々増加しています。

この結果、国内の宿泊施設は需要に追いつかず、特にホテルや旅館が不足する地域では宿泊先の確保が大きな課題です。

民泊は、この宿泊施設不足を補うだけでなく、多様な宿泊ニーズに応える選択肢として注目されています

たとえば、古民家や空き家を活用した民泊は、日本ならではの文化や生活を体験したいという外国人観光客にとって魅力的な宿泊スタイルです。

インバウンド需要の高まりを背景に、空き家を民泊として活用することで、新たな収益機会を得ると同時に地域活性化にも寄与することが期待されています。

(3)値段が安く利用者が多い

民泊が注目を集める大きな理由として価格の安さが挙げられます

民泊利用者の約70%が宿泊費の安さを理由に選んでおり、一般的なホテルより手頃な価格で滞在できる点が大きな強みです。

価格面を重視する外国人観光客にとって、長期滞在時の宿泊コストを抑えられる民泊は高い人気をほこります。

また、海外では日本以上に民泊スタイルが一般的であり、観光客にとって馴染みやすい宿泊形態でもあります。

低コストで幅広い顧客層を取り込める民泊ビジネスは、空き家活用の有力な選択肢といえるでしょう。

空き家を民泊にするメリットとは

ここからは、空き家を民泊に利用するメリットについて解説します。

(1)収入を得られる

空き家は所有しているだけで、さまざまな金銭的なコストが発生し、建物の放置が劣化を早めるリスクも伴います。

さらに、管理が不十分だと自治体から「特定空き家」に指定され、最悪の場合、解体を求められるケースも考えられるでしょう。

こうしたコストとリスクを抱える空き家を民泊に転用することで、新たな収益源に変えることが可能です

民泊経営を始めれば人の出入りが生まれますので、建物の老朽化を防ぐ効果も期待できます。

また、1泊ごとの収益が即座に反映されるため、収益化の実感が得やすい点も魅力です。

売却や賃貸が難しい空き家をプラス資産に変える手段として、民泊は大きな可能性を秘めているといえるでしょう。

(2)不動産を有効的に活用できる

空き家を、収益を生み出す資産へと変える民泊は、効果的な不動産活用としても注目されています

現状の建物を活用するため、修繕やリノベーション費用は必要でも、解体や新築建替えに比べて初期投資を大幅に抑えられるのがメリットです。

また、立地やターゲット層を考慮して、需要に合ったデザインやインテリアを施せば、民泊の収益性を高めることもできるでしょう。

特に観光需要が高い地域や、海沿いや自然に囲まれた和風古民家などはリゾート感があるため、宿泊ニーズが増大します。

売却や賃貸が難しい物件でも、民泊として活用することで新たな価値を生み出せるかもしれません。

(3)地域の活性化につながる

空き家を民泊として活用することで、観光客の増加による地域活性化が期待できる点もメリットのひとつです

民泊は割安な料金で宿泊できるため、観光需要の高まりに応えやすく、地域への訪問者数を増やすきっかけとなります。

さらに、宿泊費を節約した観光客が地域内で飲食や観光に費用を使うことで、地元経済にも貢献できるでしょう。

民泊を通じて地域が活気づくだけでなく、地元の魅力を伝えるやりがいも得られる点が魅力です。

地域貢献と収益を両立できる民泊は、空き家の新たな活用方法といえるでしょう。

(4)新たなビジネスが生まれる可能性をつくる

空き家を民泊にすることは、単なる宿泊サービスだけではなく、新たなビジネスモデルを生み出す可能性を秘めています

たとえば、民泊を活用してシェアハウスやサテライトオフィスの提供や、介護施設や田舎暮らし体験民宿に転用するケースも増えています。

多様なニーズに対応しながら収益源を拡大するチャンスです。

民泊経営は、空き家の価値を最大化し、地域や社会に新しい可能性をもたらす魅力的なビジネス手法といえるでしょう。

空き家を民泊にするデメリットとは

ここからは空き家を民泊にするデメリットについて解説します。

(1)希望できる収入になるかどうかわからない

空き家を民泊として活用したとしても、希望する収入を安定的に得られる保証はありません。

繁忙期や閑散期があり、景気や外的要因に左右されるため、安定した収益を期待しづらい面があります

特にコロナショックのような影響を受けやすい点は大きな課題です。

初期投資が少ない場合でも、宿泊需要が落ち込む時期を想定し、余裕を持った資金計画を立てる必要があります。

そのため、本業としてではなく、副収入として取り組む方がリスクを抑えられるでしょう。

(2)民泊開始前に時間と費用がかかる

空き家を民泊に活用する際、運営開始までに時間と費用などがかかってしまう点もデメリットのひとつです

設備の整備や必要書類の提出、アメニティや家具家電の準備、仲介サイトへの登録に加え、修繕やリノベーションも必要になるかもしれません。

これらには費用がかかるうえ、準備に時間も要するため、立地や投資回収の可能性を慎重に見極める必要があります。

民泊運営には労力が伴うため、開始前のコストをデメリットとして認識しておきましょう。

(3)トラブルやクレームなどに対処する必要がある

空き家を民泊に活用する際、不特定多数の宿泊者を受け入れることによるトラブル対処もデメリットとして挙げられるでしょう

チェックイン時間の遅延や騒音、備品の破損やゴミの放置など、近隣住民との摩擦や施設の損傷が懸念材料となります。

これらを防ぐためには、利用ルールの徹底した説明や多言語対応の案内を準備することが必要です。

トラブルやクレーム対応は解決の労力だけではなく精神的なストレスも高くなってしまいます。

(4)コンプライアンスを理解し遵守する必要がある

空き家を民泊にする際、住宅宿泊事業法(民泊新法)の遵守が必須です

安全面や衛生面の確保、年間提供日数の上限180日など、厳格な規制があります。

さらに、居住要件や必要設備(台所、浴室、便所、洗面設備)の整備が求められ、都道府県への届出も必要です。

これらの法的要件を守らなければ、運営に支障をきたし、法的なトラブルを招くリスクがあります。

コンプライアンスを理解しないまま運営してしまうと、大きな負担を強いられることにもなりかねません。

空き家で民泊ビジネスを始める際の注意点

空き家で民泊ビジネスを始める際は、以下の点に注意しましょう。

(1)安全性をしっかりと担保する

空き家を民泊として活用する際、安全性の担保は重要なポイントです

ホテルとは異なり、管理者不在型の民泊では犯罪のリスクが高まります。

そのため、利用者に対して慎重に対応しなければいけません。

民泊新法では、衛生管理や宿泊者名簿の作成が義務付けられ、登録された住宅宿泊管理業者への委託が求められます。

これにより、一定の安全管理が実施されますが、完全な安全性確保にはさらなる対策が必要です。

例えば、監視カメラの設置や鍵の管理、利用者との密なコミュニケーションも重要になるでしょう。

民泊を運営する際は、リスクを十分に認識し、安全性を徹底することが不可欠です

(2)近隣への理解を得る

民泊新法により、閑静な住宅街や第一種低層住居専用地域でも民泊が可能となりましたが、近隣住民とのトラブルには十分注意が必要です

騒音やゴミ出しルールを守らない宿泊客が問題を引き起こすことがあり、特に外国人観光客には日本のゴミ出しルールをきちんと理解していないケースが多いといえます。

これらの問題を防ぐためには、事前に近隣住民としっかりとコミュニケーションを取ることがポイントです。

また、トラブルが発生すれば営業日数が制限される可能性もあるため、地域との良好な関係を築き、民泊運営に理解を得ることが不可欠といえるでしょう。

(3)清掃を行き届かせる

民泊経営において、清掃は非常に重要な要素といえるでしょう

宿泊者が快適に過ごすためには、施設の衛生状態が常に保たれている必要があります。

特に、浴室や台所など、使用頻度の高い場所は清潔さを徹底しなければいけません。

また、外国人観光客も多いため、アメニティや寝具の管理も徹底し、安心して宿泊できる環境を提供することが重要です。

清掃を怠ると、クレームや評価の低下に繋がり、リピーターを失う原因となります。

そのため、定期的な清掃を行い、必要な場合は専門業者に依頼するなどして、施設全体の衛生状態を保つことが民泊運営の成功に欠かせません。

まとめ

空き家で民泊ビジネスを始める人が増えている理由や、空き家で民泊ビジネスを行うメリットとデメリット、空き家で民泊ビジネスを始める際の注意点などについて解説しました。

空き家を民泊に活用するのは、効果的な活用方法のひとつです。

収益性と資産価値維持の両方が叶えられます。

ただし、安易に民泊に利用すると、初期費用や管理費用などを賄いきれずに赤字経営となってしまう可能性も考えられます。

事前の調査や専門家へのアドバイスを求めながら、所有する空き家が民泊経営に適しているかどうかをしっかりと下調べした上で判断することが重要です。

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