空き家の野良猫対策・想定される被害と具体的な対策を解説
空き家のまま放置していると色々なトラブルを引き起こす可能性があります。
その中のひとつとして挙げられるのが野良猫です。
空き状態の建物に野良猫が入りこむことにより、住まいに不具合を与えてしまうことになります。
では、野良猫の対策を怠ってしまうと、どのような被害を受けてしまうのでしょうか?
また効果的な野良猫対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では空き家における野良猫の被害や対策などについて解説します。
空き家で野良猫対策を行っていない場合どんな被害があるの?
まずは、空き家において特に野良猫に対する対策を行っていない場合、どのような被害を受けてしまうのでしょうか?
空き家における野良猫の被害について解説します。
(1)排泄物による悪臭
まず挙げられるのは悪臭です。
野良猫が住みついてしまうと、排泄物により悪臭が発生することが考えられます。
野良猫の排泄物による悪臭は非常に強烈で広範囲に及ぶことも多く、近隣住民へも不快感を与えてしまうのです。
また、空き家の中だけにとどまらず、庭に排泄してしまうとさらに悪臭が近隣に影響を及ぼし、洗濯物にも臭いがついてしまう可能性もあります。
もっとひどいケースになると、近所の敷地で排泄する可能性もありますし、洗濯物などにおしっこしてしまうことも考えられるのです。
このような排泄物による悪臭の不快感や、隣近所敷地内における排泄行為などといった被害を受けるでしょう。
(2)鳴き声による近隣被害
鳴き声も近隣に大きな迷惑を及ぼしてしまうでしょう。
野良猫の鳴き声は非常に甲高いため隣近所に響き渡ります。
昼間も夜中も変わらず鳴き続けますが、特に夜中の鳴き声は睡眠を妨害してしまいますので非常に迷惑です。
また、昼間で小さいお子さんがいるようなご家庭でも、せっかく寝かしつけたお子さんが野良猫の鳴き声で起きてしまうこともあるでしょう。
また、繁殖期の野良猫は、頻繁に鳴き声を発し、時には、猫の鳴き声ではないような騒音が響き渡ります。
治安的にも不安な気持ちを抱えてしまうといった事態になりかねません。
ひっきりなしに続いてしまう野良猫の鳴き声も近隣に大きな被害を及ぼすといえるでしょう。
(3)感染症など病原体の保有
基本的に飼われていない野良猫ですので不衛生です。
例えば下水やゴミを食べ漁った状態の野良猫が空き家に住み着いてしまいます。
この場合にもっとも注意する点は、病原菌を保有していることです。
猫は必ずと言っていい程、病原菌を保有しています。
特に衛生管理が全くできていない野良猫であるならば多くの病原菌を保有しているといえるでしょう。
では、どのような野良猫の病原菌が原因でどのような症状になるのでしょうか?
代表的な事例を下の表にまとめました。
サルモネラ症 | 猫のフンに付着している 下痢や嘔吐症状 |
猫ひっかき病 |
猫に引っかかれたり咬まれたりした場合に発症の可能性。 傷口に近いリンパ節が腫れてしまう |
Q熱 | 猫のフンから感染 軽い呼吸器症状が起こるかもしれません。 |
パスツレラ症 |
猫に引っかかれたり咬まれたりした場合に発症の可能性。 傷口が腫れる場合がある。 |
トキソプラズマ症 | 猫のフンから感染 妊婦の流産や胎児の障害となる可能性もある |
回虫幼虫移行症 | 猫のフンから感染 肝臓や目などに障害が出ることがある |
疥癬 | 猫の体液から感染 強烈なかゆみや湿疹 |
猫が保有する病原菌が原因で上記の症状を引き起こす可能性あがります。
非常に怖い症状もありますので、野良猫が空き家に住みついた場合のリスクとして挙げられるでしょう。
空き家の野良猫対策にはどのようなものがある?
中には非常に恐ろしい状況にもなってしまうこともある野良猫の被害です。
絶対に避けたいような事例も多いといえるでしょう。
では、空き家に関してどのような対策を行うことで野良猫に対する対策となるのでしょうか?
ここからは、空き家に野良猫が寄り付かないような対策について解説します。
(1)庭の除草を欠かさない
まず、必ず行いたいことは、定期的な除草です。
草むらや人の出入りが少なく、静かな場所などを野良猫は好みます。
また、砂地や芝生があるような場所も好まれるといえるでしょう。
草が生い茂ったような空き家の庭は、野良猫が好む場所に適するため、非常に好まれます。
つまり野良猫の快適な場所をなくすために、草むらのようになった庭をきれいにする必要があるのです。
草で生い茂った空き家の庭は、定期的に除草しなければいけません。
とはいえそこまで手入れが及んでいない庭は、一旦除草したとしてもすぐに草が生えてきますので、あっという間に生い茂ってしまい、また野良猫が好む場所となるのです。
庭の手入れをあまり定期的にできないという場合は、一旦除草した後で除草剤を散布することも効果的な方法といえます。
なるべく平地の状態にしておき、草を生やさないような対応を心がけなければいけません。
(2)侵入口を防ぐ
空き家の室内に野良猫が住み着いてしまうことで、空き家の傷みは著しく進みます。
柱がかじられてしまい傷だらけになってしまうこともありますし、壁紙や土壁なども爪とぎなどによってボロボロになっていることでしょう。
また、自分でエサを宅内に持ってくることで他の害虫や害獣が発生する原因にもなってしまいます。
空き家が大きなダメージを受けてしまい、今後の運用にも悪影響となってしまうのです。
つまり、空き家とはいえ野良猫の侵入は必ず防ぐ必要があります。
対策としては、野良猫が入りそうな侵入口をすべてふさがなければいけません。
猫は、自分の頭一つ入る場所は侵入できるといわれています。
少しの穴でも防いでおかなければ、野良猫が侵入する可能性が非常に高くなるといえるでしょう。
どんな小さな侵入口でもすべてふさいでおかなければいけません。
侵入口を完璧に防ぐことにより、空き家への侵入を防ぐことができます。
(3)忌避剤の散布
忌避剤の散布も効果的です。
忌避剤とは、猫の嫌いな臭いや刺激臭を含んでいる液体で、庭先などに散布することで野良猫の侵入を防ぎます。
忌避剤の中身は木酢や竹酢液を希釈したものや、ハッカ系の忌避剤などがあり、費用もそう高いものではありません。
問題点としては、長期間の効果があまり期待できないという点と、野良猫が、臭いに慣れてしまうと効果が無くなってしまうという点です。
忌避剤と同等の効果を持つ方法としてはハーブ系の植物を植えることです。
一ヶ所に集中させるのではなく、数ヶ所のポイントに植栽することで忌避剤と同等の効果を発揮します。
ハーブだと、忌避剤のように臭いの効果が切れることはありませんが、猫が臭いに慣れてしまうと効果が薄れてしまうのは同じ注意点です。
定期的な散布により忌避剤も野良猫対策に効果があるといえるでしょう。
(4)猫除けグッズの設置
猫除けグッズを設置することで野良猫対策となります。
効果的な猫除けグッズとして挙げられるのが超音波装置の設置です。
センサーにより猫を感知すると、超音波を発生させ猫を追い払うことができます。
また、人感ライトの反応を猫まで感知できる程度に上げておくと、猫が侵入するとライトが点灯しますので野良猫が寄り付きません。
また、もっと簡易的なものとしては猫除けネットなどの設置も可能です。
敷地内周辺に猫除けネットを設置します。
高さ1メートル超のネットを設置することで、野良猫の侵入を防ぐことが可能です。
このような猫除けグッズは費用面でもそう高いわけではありません。
1万円前後で設置することが可能ですので、費用対効果が高い商品といえるでしょう。
空き家の野良猫対策 相談先はどこ?
上記のようにさまざまな野良猫対策を講じることにより侵入を防ぐことが可能です。
しかし、常に自分一人で野良猫対策を行うのは非常に大変で、定期的に行わなければいけませんので費用もかかります。
そこで、どこかに相談して効果的な対策を図りたいが、野良猫の対策などはどこにすればいいかわからないという人も多いのではないでしょうか?
ここからは野良猫対策の相談先について解説します。
(1)不動産会社
不動産会社の中でもマンションやアパートの管理を行っている会社に相談してはいかがでしょうか?
不動産管理会社は、普段の管理業務において野良猫対策などの経験もあり、駆除の業者なども知っています。
また、マンションの入居者などから、野良猫の対策を求められることもありますので、野良猫対策のノウハウを持っているのです。
根本的な空き家の管理サービスなども行っている不動産会社もあります。
空き家の管理サービスとは、所有者に代わって不動産会社が定期的に空き家の管理を行うサービスです。
野良猫対策も含めた管理方法などを相談することをおすすめします。
(2)ボランティア団体
地域では猫の保護や、買主を探してくれるようなボランティア団体があります。
基本的には無償で行ってくれますが、そう経済的に余裕があるような団体でもないので多くのことは望めません。
基本的には、自分で行わなければいけませんが買主探しなどのフォローを行ってくれるといった感覚で相談するといいでしょう。
インターネットのHPなどで調べる方法がもっとも一般的です。
ボランティアで無償といえども親身になって相談にのってくれますし、なにより猫の保護に全力を尽くしてくれます。
ボランティア団体も相談相手として非常に効果的です。
(3)エリアの役所へ相談
エリアの役所にも相談可能です。
役所というとどうしても駆除の方向に向かってしまうのではないかと考えがちですがそれだけではありません。
特定の部署に相談すると、猫の保護について対応してくれる役所もあります。
役所の中には地域によって異なりますが、獣医と連携をとっており、買主探しへのアドバイスや保護の方法といった部分において助けになってくれるのです。
しかし、保護してなかなか買主が見つからなかった場合などは、保健所に引き渡されることになります。
エリアの役所も助けになる相談相手となるでしょう。
まとめ
空き家において野良猫対策を怠ってしまうと、近隣に大きな迷惑をかけることになってしまうばかりか、空き家も大きなダメージを負ってしまいます。
空き家の場合、野良猫対策は必須といえるでしょう。
野良猫対策をいくつか挙げましたが、根本的な改善方法は野良猫の駆除か空き家を改善するしか方法がありません。
野良猫対策の相談先をいくつか挙げましたが、不動産会社には、管理や賃貸、売却といった相談も可能です。
また、役所には根本的な駆除といったことも依頼できます。
野良猫がいつかないような状況にすることが何よりの野良猫対策なのかもしれません。