空き家をカフェとして活用するメリットやデメリット・経営のポイントは?
空き家の活用方法において最近よく聞かれるのがカフェ経営です。
古くなった空き家をカフェとして活用する方法のことを指します。
しかし、一概にカフェ経営といっても、今まで住居だったところでカフェビジネスができるかという点が気になる人も多いのではないでしょうか?
この記事では空き家のカフェ経営にスポットを当て、メリットやデメリット、カフェ以外の活用方法などについて解説します。
空き家のカフェ活用 実現可能?
実際に空き家でカフェを経営するなどは実現が可能か半信半疑な人も多いのではないでしょうか ?
なぜ空き家でのカフェ経営が可能で、どのような点に注目すればいいのかといった点が気になるポイントです。
ここからは空き家のカフェ活用における実現度合いなどについて解説します。
(1)空き家ビジネスが注目され、カフェ経営も多い
近年、カフェ経営などをふまえた空き家ビジネスが注目されています。
なぜなら、空き家が非常に増え、空き家対策特別措置法により空き家のまま放置していると、所有者にとってさまざまな不具合が発生するからです。
例を挙げると、
- 固定資産税の軽減措置から外れる
- 罰金が科される
- 行政代執行により解体される(費用は所有者)
などが挙げられます。
そのため、何とか有効活用するための方法としてカフェ経営などが利用されているのです。
カフェ経営だと、難易度が高いような資格も必要ありません。
軽食のみの提供だと喫茶店の許可を取ると開店ができます。
特に、都心部ではない郊外のカフェ経営が多いといえるでしょう。
なぜなら都心部の場合、大手資本のカフェが競合して個人のカフェ経営は難易度が上がってしまう点や、カフェ経営以外の活用方法も可能だからです。
つまり、郊外のなかなか賃貸などの有効活用がやりにくい空き家などがカフェ経営に利用されています。
郊外の活用しにくい空き家にとっては効果的な活用方法といえるでしょう。
(2)古民家風として古い空き家も活用できる
しかし、カフェ経営ともなると、莫大な資金の投入が必要と思われます。
そもそも空き家なので、大幅にリノベーションを行わなければいけないことも不安材料になるでしょう。
リノベーションともなれば数百万円単位の内装工事が必要となり、さらに機器の設置などが必要と思われがちです。
しかし、古い空き家の方が、味があって良いという声が増えています。
そのため、空き家を活用したカフェ経営は、あまり内装に手を入れない古民家カフェとして再生されていることが多いのです。
古民家風であれば古い建物の方がいいので空き家などは絶好のターゲットとなるでしょう。
特に山間部などの空き家など有効活用に悩むような場所でも、登山やハイキングといったものが可能ならば、そのような層を顧客として経営ができます。
ちょっとした売りとなるようなサービスや飲食があると、さらに売り上げにも期待が持てるでしょう。
上記のような理由から古民家カフェとしての再生が増えているのです。
(3)集客コンセプトがポイント
しかし、ただ古い空き家があって、カフェ経営が安定してできるのかというとそう甘くはありません。
集客にはコンセプトが必要です。
古民家風のカフェにしたからと言ってすべてがうまくいくわけではなく集客におけるコンセプトやターゲットをしっかりと掴まなくてはいけません。
例えば、前述した山間部にありハイキングや登山ができるような顧客層を掴みたいのであれば、そのニーズに合ったカフェにします。
登山道具をおいてもゆっくりできる位のスペースをとる。
ハイキングに便利なちょっとしたツールをおいておくだけでも、集客には大きく違いが出るでしょう。
また、地域の人が交流の場として利用できるような場所にできると、常連客による安定した経営も可能といえるでしょう。
集客におけるコンセプトがずれている場合や、そもそもコンセプトもなく漠然と古民家カフェとして経営していても長続きしない可能性があるのです。
それだけ集客におけるコンセプトやニーズをつかむことはとても大切なポイントといえます。
空き家のカフェ活用 メリットは?
実際に空き家を古民家風のカフェとして経営しようとする場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからは空き家のカフェ活用についてメリットを解説します。
(1)初期投資が安いケースが多い
前述しましたが、カフェ経営しようとすると店舗の内装費用と機器設置費用で非常に大きな資金を投資しなければいけないと思っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、これが空き家で古民家カフェとして活用しようとするならば、逆に室内にお金をかけて内装してはいけません。
なるべく古い雰囲気を保ちつつカフェをつくりあげないといけません。
機器の設置費用はかかりますが、古民家にあわせて昔ながらのサイフォン等を使うことができると機器設置費用も安く仕上げることができます。
古民家カフェを経営しようとする場合は、基本的に耐久性さえあれば古ければ古いほど趣があり、古民家としての雰囲気が存分に楽しめるでしょう。
古民家カフェとして空き家を活用する場合は、逆に初期費用が安くなる点がメリットのひとつです。
(2)比較的開業までの手順が少ない
カフェの経営は、どの程度の時間に営業するのかといった点や酒類を出すのかといった点で異なりますが、開業までの手順がそう多くはありません。
カフェとして提供する食べ物も軽食程度であれば、喫茶店としての許可を保健所に提出することで開業ができます。
深夜まで営業し酒類を提供する場合は、深夜酒類提供飲酒店営業を公安委員会に届けることで深夜の開業は可能です。
しかし、古民家カフェの経営スタイルは、基本的に喫茶店としての経営がほとんどです。
少しコンセプトと異なりますのでお酒を提供することはほとんど需要がありません。
そのため、純粋な喫茶店としての経営が多いので、喫茶店の届け出を行うことで経営ができます。
比較的、開店までの手順が少ない点もメリットといえるでしょう。
(3)地域に密着できれば安定経営も可能
前述しましたが、安定した経営を求める場合、大切なのは常連客の囲い込みです。
いかに常連客を確保するかによって経営の下支えが決まるといっても過言ではありません。
常連客を囲い込む方法としては地域の集会などになるべく顔を出すことで地域の住民と繋がりを持ち、カフェを地域交流の場にすることです。
地域の人たちのちょっとした会合などにカフェを提供することも効果的ですし、そもそも昔ながらの空き家を活用していますので、地域の人なら思い入れもあるでしょう。
このように常連客のターゲットとなる地域の人との交流をいかに深めることができるのかという点が、息の長い経営ができるターニングポイントとなるでしょう。
地域住民が常連客になるための行動を積極的に行った結果、常連客になった場合、大きなメリットになります。
(4)カフェのコンセプトによっては趣味が生かせる
カフェは、コンセプト次第で集客が変わってくると解説しました。
コンセプトが非常に大切なのですが、逆に自分の趣味を古民家カフェに生かすことも可能です。
例えば、陶芸が趣味ならば、自分の陶器をコーヒーカップとして利用してもいいでしょう。
絵画が趣味ならば、自分の描いた絵を飾ることもできますし、有名画家の作品を飾ることも良いでしょう。
しかし、ポイントとしてはあまり自分の趣味を前面に出し過ぎないということです。
あくまでも集客のポイントを逃がさずに、趣味は控えめに生かすことを念頭に置いておく必要があります。
あまり趣味を前面に出してしまうとコンセプトがぶれてしまいます。
これによって、集客に影響が出てくるかもしれません。
あくまでも控え目にですが、自分の趣味が生かせるといった点もメリットとなります。
空き家のカフェ活用 デメリットは?
空き家をカフェに活用することはメリットばかりではありません。
デメリットも当然ながらありますので、しっかりとデメリットの対策を考えておく必要があります。
ここからは古民家のカフェ経営におけるデメリットについて解説します。
(1)競争が激しい
古民家カフェは、比較的開業が容易でメリットであると前述しましたが、容易に参入できる分、競争が激しい点がデメリットです。
また、コンビニやスーパーなどもスイーツや手軽に飲める珈琲を販売していますので、近くにコンビニなどがある場合はライバルになってしまいます。
最近ではコンビニ内で食事ができるイートインコーナーを設置しているコンビニも多いため、カフェにとって大きな脅威となっているのです。
同業のカフェだけではない、さまざまなコンビニやスーパーなども競争相手となるでしょう。
(2)コンセプトがあいまいだと経営が厳しい
古民家カフェに大切なのは集客におけるコンセプトです。
コンセプトがしっかりしていなければ、古民家カフェでは息の長い経営はできないでしょう。
コンセプトがしっかりとしておらず、顧客層のニーズもつかめないままカフェ経営をした場合、うまくいかず、すぐにカフェをたたんでしまうことになりかねません。
まず、どのように古民家カフェにしたいのか?コンセプトは顧客層にあっているか?をしっかりと吟味しましょう。
先ほど、趣味が生かせると解説しましたが、趣味がコンセプトに合わない場合は、すぐに撤去しなければいけません。
自分なりのコンセプトを持った経営を心がけましょう。
(3)古民家カフェだけでは決め手に乏しい
先ほどのデメリットと同じになるかもしれませんが、古民家カフェというだけではすぐに飽きられてしまうでしょう。
古民家カフェだけでは、既に決め手に乏しくなっています。
もうひとつ古民家カフェと同じくらいのインパクトを持ったものがあると相乗効果で集客が更に見込めるでしょう。
古民家カフェというコンセプトだけでは集客が既に厳しい点もデメリットといえます。
(4)リノベーション費用が高額になる可能性も
古民家カフェは初期費用があまりかからないことがメリットと解説しましたが、例えば給水管や配水管などに不具合があると、修繕を行わなければいけません。
この場合の修繕費用は、高額になる可能性があります。
また、どうしても空き家のイメージがコンセプトと合わず、大掛かりなリノベーションを
行わなければいけない場合も、高額なリノベーション費用がかかるでしょう。
高額なリノベーション費用がかかる場合がある点もデメリットです。
まとめ
近年、空き家ビジネスが盛んに活用されており、特にカフェ経営が人気です。
古民家の風情を生かしたカフェが、空き家で行われています。
あまり内装費用に金額をかけずに、カフェがつくれるのです。
開業までの手順が少ないので比較的容易に開業が可能なのですが、反面参入する人も多く、集客コンセプトがカギになります。
コンセプトとなるセールスポイントを早く作り、常連さんとなりうる地域の人と仲良くなることで息の長い安定した経営にも期待が持てるといえるでしょう。