空き家の悪臭対策・嫌なニオイの原因や予防法を解説
空き家を管理せずに放置していると起こりやすいのが、部屋内に悪臭が充満することです。
久しぶりに空き家の中に入ると、悪臭が充満していることはありませんか?
なぜ誰も住んでいない部屋が悪臭で充満しているのでしょうか?
また、悪臭を防ぐ適切な管理方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では、空き家の悪臭について詳しく解説します。
目次
なぜ空き家が適切に管理されていない場合、悪臭が発生する要因は?
基本的に、空き家が適切に管理されていればそう悪臭に悩まされることはそう多くはありません。
しばらく空き家に通わない場合や適切な管理がなされていない場合に悪臭が充満してしまうといえるでしょう。
ここからは管理されていない空き家に悪臭が充満する原因について詳しく解説します。
(1)封水トラップの切れが大きな要因
悪臭の最も大きな要因は封水トラップの水切れです。
お風呂や洗面所、キッチンの排水管には水が溜まる封水トラップという設備を設けています。
封水トラップが設置されている最も大きな目的は悪臭防止です。
排水管から下水へ排水が流れるのですが、封水トラップがなければ下水の悪臭が排水管を逆流し上ってくるのです。
封水トラップに水が溜まることで、悪臭が上っていることを防いでいます。
しかし、長い間空き家のまま放置していると、水分は蒸発し、封水トラップの水がなくなりカラカラになってしまうのです。
封水トラップの効果が全く発揮されていない状況となり、下水の悪臭が上ってきて悪臭が空き家に充満することになります。
封水トラップ切れが悪臭の最も大きな原因の一つといえるでしょう。
(2)生ものが腐った
しばらく空き家を不在にしていると、もしかすると、ゴミを放置したままの状態かもしれません。
その中に生ものがあると当然ながら、生ものが腐ってしまい悪臭が充満します。
また、空き家状態が長く続くと不審者が入りこむ可能性も考えられ、不審者が食べ物を持ち込むこともあり得るでしょう。
猫などの害獣が入り込み、ゴミ置き場から生ごみを持ち込む可能性も考えられます。
空き家を長いこと不在にしているとこれらのリスクが考えられ、結果、悪臭に繋がるかもしれません。
生ごみの腐敗といった点も、空き家に悪臭を充満させる要因といえるでしょう。
(3)湿気でカビが充満していた
空き家のまま管理ができておらず不在の状況が続くと換気ができていないことも挙げられます。
換気ができていなければどのようなことが起こるのでしょうか?
悪臭と最も関連づくのがカビです。
換気が全くできていないので部屋内に湿気が溜まりカビが発生します。
なかなか換気が出来なければカビの範囲や浸食が広がってしまい、悪臭の原因となってしまうのです。
先ほど悪臭の原因として封水トラップの水切れを挙げました。
封水トラップの水切れの場合は、再度水を流し封水トラップの中に水を溜めると悪臭は解消します。
一定時間換気を行うと悪臭は無くなるでしょう。
しかし、カビの場合はまずカビを除去しなければいけません。
悪臭が解消するまでしばらく時間がかかってしまう可能性があるのです。
カビの発生も悪臭と関連性が強い原因といえるでしょう。
悪臭が起こった場合にどのような被害がある
悪臭の原因について解説しましたが、実際に悪臭が発生してしまうとどのような被害が起こってしまうのでしょうか?
ここからは悪臭に関連する被害について解説します。
(1)悪臭により部屋が決まらない
空き家を賃貸で募集する場合、当然ながら内覧の希望などがあります。
お客様が内覧で訪問したときに、玄関を開けると悪臭が充満しているとどうなるでしょうか?
当然ながら部屋は決まりませんよね。
空き家の期間が長いと悪臭の可能性が高くなるのですが、特に夏場などは水が蒸発する時間が早くなってしまい、あっという間に封水トラップが水切れを起こしてしまうでしょう。
内覧は、最初の印象が大きく影響し、玄関明けた瞬間悪臭が充満しているような部屋だと、最初から悪印象となってしまいまず成約することはできません。
時々、消臭剤や芳香剤をおいて悪臭対策をしている空き家があります。
しかし、封水トラップの水切れで起こった悪臭や、カビが原因による悪臭はとてもそれだけでは吸収できません。
部屋が決まらなければ、空き家の期間が長くなり、さらに悪臭対策を行わなければいけないという悪循環に陥ってしまうでしょう。
悪臭により家賃収入が途絶えてしまうのは大きな被害といえます。
(2)サビが出て水が飲めない
実は悪臭との関連性はあまりないかもしれませんが、管理を怠って空き家のまま放置していると悪臭の発生と同時期に起こるのが赤さびの発生です。
しばらく水道を使わなかった場合、一定期間をおいて水道の蛇口を開けると赤い水が出ることがよくあります。
これは水道管に付着している赤さびが剥離することによって起きる現象です。
しばらく水道を使用していないので、水道管の中はカラカラの状態から急に水道を使うので急な水圧がかかり、赤さびが混じった赤い水となります。
赤い水はしばらく水を流し続けることにより解消しますがあまり気持ちのいいものではありません。
赤さびの発生も悪臭と同時期に起こりえる被害といえるでしょう。
(3)虫が発生している
封水トラップには悪臭を食い止めるのと同様もう一つの役割があります。
害虫の侵入を防ぐ働きも備えているのです。
封水トラップの水がなくなると下水管からゴキブリなどの害虫が空き家内に侵入します。
ゴキブリの発生は、猫やねずみの発生にもつながる可能性があり、さらなる悪臭の発生や悪臭以上の被害を起こすよう人にもなりえるといえるでしょう。
空き家に久しぶりに訪問したら悪臭と無地が繁殖していたということにもなりかねません。
空き家の悪臭を予防する適切な管理方法は?
悪臭の被害は空き家に対して何のメリットももたらさないことがよくわかります。
空き家を適切に管理するためにも悪臭に対する対策は欠かせないものといえるでしょう。
では実際に悪臭を予防する適切な管理方法は、どのように行えばいいのでしょうか?
ここからは、空き家における悪臭対策の適切な管理方法について解説します。
(1)キッチンの予防対策
キッチンの対策としてはこまめに水を流すというのが最も効果的な管理方法です。
しかし、こまめな訪問がなかなか難しいという人も多いのではないでしょうか?
この場合、悪臭対策防止と虫の発生を防ぐ対策として排水口にサランラップなどを貼りましょう。
封水トラップが切れても排水口から悪臭が上がってくるのを防ぐと同時に虫の発生も防ぎます。
蓋でも構いません。
また、封水トラップ自体を封水切れにも対応できる機器に取り換えることも効果的です。
部品代だけなら高くとも1万円程度で購入できます。
キッチンには上記の対策で悪臭などを効果的に対策することが可能です。
(2)お風呂場の予防対策
お風呂場の排水管にも同じように封水トラップは設置されており、これが切れると悪臭が充満してしまいます。
対策としてはキッチン同様、排水口にサランラップを貼ることで悪臭の予防に繋がります。
またお風呂場に窓があり、網戸があれば少し開けておき、換気が自然とできるようにしておくこともいいでしょう。
網戸がない場合は、外部から虫や鳥が入ってくる可能性があるのでおすすめできません。
しかし、お風呂場はもっともカビが発生しやすい場所でもありますので、換気ができるようであれば窓などを開けて換気を心がけましょう。
(3)トイレの予防対策
トイレは、便器に水が溜まっています。
これは臭いの発生や虫の侵入を防ぐ役割を果たしています。
キッチンなどの封水トラップにたまっている水と比較すると、量としては非常に多いので、そう簡単に水がなくなることはないと思いがちです。
しかしそのようなことはなく、しばらくするとやはり蒸発してしまいます。
この場合の悪臭は非常に強く、トイレの悪臭はこびりついて取れなくなってしまうこともあるでしょう。
トイレの場合も同様、便器全体にサランラップなどを貼り悪臭を防ぎます。
しかし、できることなら定期的な訪問を行い、常にトイレの水を流し続けることがベストです。
(4)洗面台の予防対策
洗面台も他と同様、排水口にサランラップを貼ることで、悪臭と虫の侵入対策に効果があります。
洗面所に窓があり、虫の侵入とかができないような網戸などがあると少し開けておくことで、換気対策にもなるのでおすすめです。
空き家を訪問したときに全体的な悪臭対策は何?
先ほど、空き家の悪臭対策をいくつか挙げましたが最も効果的な悪臭対策はつまるところ、定期的な訪問なのです。
定期的な訪問が一番の対策となるのですが、効果的な訪問によりさらに悪臭の発生を遅らせ、なるべく訪問回数を減らしたいものです。
空き家訪問による効果的な悪臭対策について解説します。
(1)こまめな掃除
こまめに掃除を行います。
荷物がない状態でも、しばらく空き家の状態であればほこりもたまるでしょう。
ホコリがたまるとダニの発生要因となり、他の害虫や害獣が発生する要因ともなります。
猫などが侵入するとゴミの持ちこみからの悪臭の発生が起こってしまうでしょう。
訪問時にこまめな清掃は欠かせません。
(2)換気をなるべくたくさん行う
換気も欠かさずに行いましょう。
実際、空き家に訪問しなければ換気はできません。
できればすべての窓を開けて少し長い時間換気を行い、空気の入れ替えをします。
換気を行うことで、新鮮な空気を入れてカビの発生を防ぎます。
定期的に換気を行うだけでも空き家に訪問してほしいところです。
空き家を訪問したら必須事項とするくらい換気は必ず行いましょう。
(3)通水のチェック
通水も行います。
これは、先ほどから何度も解説してきた通り、封水トラップに水を溜めるためです。
あわせて赤水を出し切る意味合いも含まれます。
悪臭の最も多い原因ともいえるのが封水トラップの水切れです。
封水トラップの水切れは、夏場だと早い頻度で起こりえます。
定期的に訪問しなければすぐに水切れを起こしますので、これも訪問した場合は必須といっていいくらいに通水を行いましょう。
(4)排水口をふさぐ
排水口を防ぐことも忘れてはいけません。
通水を行った後に再度排水口を防ぎます。
先ほども述べましたが、定期的な訪問により通水を行い封水トラップの水切れを防ぐのがベストな悪臭対策です。
しかし、どうしてもできない場合は、訪問した際、通水した後に排水口をふさいでおきましょう。
封水トラップが水切れしても悪臭が上がることを防ぎます。
これも訪問時には欠かさず行いたい悪臭対策です。
まとめ
空き家の悪臭は、起こりやすい出来事ですが、賃貸で募集している場合などは必ずといっていいほど防がなければいけない事例です。
悪臭の要因や、起こりうる被害、対策などをこの記事では解説しました。
どうしても自分で管理ができない場合は、不動産会社の空き家管理サービスや、賃貸の募集依頼をしている不動産会社に管理を頼むなどの対策も効果的です。
空き家の管理を怠ると劣化のスピードが著しく進みます。
適切な管理を行い悪臭被害から自分の持ち家を守りましょう。