空き家を売却する場合のデメリット・放置する場合のリスクも解説
相続や転勤といったいくつかの理由により、所有している住まいや実家を空き家のまま所有するという人も多いのではないでしょうか?
空き家を所有していてもコストばかりかかるので売却を選択する場合いくつかのデメリットがありますので、デメリットをしっかり理解した上で売却しなければいけません。
またデメリットにより売却を断念した場合、きちんと維持管理できればいいですが放置し場合でもいくつかのデメリットが考えられます。
この記事では、空き家の売却や放置した場合のデメリット、売却以外の活用方法といった点について詳しく解説します。
空き家を売却するときに考えられるデメリットとは?
空き家を売却する場合いくつかのデメリットが挙げられますが、デメリットを理解した上で売却する必要があります。
デメリットを理解しないまま売却しても、なかなか購入者現れない、想定していた金額よりも非常に安かったなどといったことになりかねません。
ではどのようなデメリットがあるのでしょうか?
ここからは、売却の際に注意したいデメリットについて解説します。
(1)空き家状態が長いと劣化が目立ちなかなか売れない
空き家状態が続ききちんと維持管理ができていなければ、劣化が目立ってしまい。なかなか売却に繋がらない場合があります。
満足に維持管理ができていない建物は劣化部分が非常に目立つため、実際の築年数よりも非常に古く感じるでしょうし色あせや破損などマイナスポイントが目立つでしょう。
そのように手入れができていない住まいを購入しようと考える人はリフォーム費用を考えてしまうので購入に後ろ向きになってしまうのです。
いくら中古とはいえ、きれいな状態をキープしている住まいを購入希望者は望みます。
例えば、新しい住まいを建替えするために現在の空き家は解体するといった購入層であれば売却の可能性はあるかもしれません。
しかしそうなると購入希望者層は限られてしまいますので、やはり空き家状態が長いと売却にとってはデメリットといえるでしょう。
(2)空き家に家具や荷物がある場合、清掃してきれいにしておく必要がある
空き家など、住まいを売却しようとなると、購入希望者の内覧は欠かせません。
空き家状態の場合、家具や家電といった荷物がまだ残っている場合があります。
荷物が乱雑に残っていると内覧、そして売却にマイナスポイントです。
内覧に備えて部屋の中をきれいな状態にしておく必要があります。
一度きれいにしたからといってそのままほったらかしにしていると、ホコリがたまり、水も使用されないので封水切れから悪臭を発生してしまいます。
売却期間中も空き家を定期的に訪問し、清掃をこまめに行う必要があるでしょう。
(3)気づかない故障や破損があり値引き交渉されやすい
空き家状態でこまめに訪問していなければ、家の状態に気づくことが少なくなってしまいます。
そのため、気づかない故障や破損をいつの間にか引き起こしているかもしれません。
定期的に訪問していない場合に破損や修繕個所に気づかないことになってしまい、内覧中に購入希望者から指摘されることもあります。
そうなってしまうと値引き交渉などが入ることに繋がり、想定していた金額よりも大幅な値引きをしなければ売却できないかもしれません。
空き家状態で管理不十分な場合に考えられるデメリットです。
(4)売却後にトラブルになりやすい
先ほどの気づかない破損や修理箇所を誰も気づかないまま空き家が売却された場合、購入者が住むようになってから破損や修繕個所が明らかになってしまうことも考えられます。
そうなってしまうと、売却後にトラブルになってしまう可能性が高くなるでしょう。
売却後に修繕の費用を負担しなければいけないこともあります。
空き家状態での売却は住んでいる人がいる場合以上に、住まいのチェックを行わなければ、しばらくたってから多額の費用負担を負うことになりかねないのです。
これも空き家状態で売却する場合大きなデメリットになりやすいといえます。
空き家を売却せずに放置していた場合のデメリットとは?
空き家の売却は前述した点に注意しなければ、売却できたとしても決して満足のできる取引ができたと感じないかもしれません。
これらの状況は一般的に空き家の管理ができておらず、放置していたために起こることが多いといえます。
では、空き家を放置していると売却の他にはどのようなデメリットを生じてしまうのでしょうか?
ここからは、空き家を放置してしまったデメリットについて解説します。
(1)劣化が激しくなり、どんどん資産価値が下がる
空き家は定期的に維持管理をしなければ劣化がどんどん速まってしまいます。
劣化が早まるということは、建物の価値がどんどん下がってしまうことを意味しますので、資産価値が急速に下落しているといえるでしょう。
不動産の売買には、地域の相場が大きく影響し、近隣に似たような売買物件がある場合、その売却価格に近い金額で取引されることが一般的です。
空き家を放置している状態であれば、資産価値がどんどん下落しますので、近隣相場より安い金額でしか売却できないことになってしまいます。
最悪の場合は、売却できないかもしれません。
このように放置することにより資産価値の急速な下落といったデメリットを負ってしまうといえるでしょう。
(2)悪臭や雑草で近隣に迷惑をかけてしまう
空き家をきちんと管理していなければ、水道なども使われません。
封水といわれる下水の悪臭を水で封鎖する設備に水が入らないため、悪臭が室内に上がっていくことがよくあります。
悪臭だけではなく、下水にいるネズミなどの害虫が下水道から上がってきてしまい衛生面でも悪影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。
また、庭の雑草や樹木もきちんと管理されていなければ伸び放題となってしまい、ハチや虫などが発生する要因となってしまいます。
これらが特に悪影響を及ぼすのが、近隣住民です。
悪臭が近隣へ波及するかもしれませんし、空き家で発生した害虫が近隣へ派生するかもしれません。
また、雑草や樹木が生い茂ってしまうと外観上も良くはなく、隣の敷地へ雑草や樹木が侵入してしまうなど大きな迷惑をかけることにもなりかねないでしょう。
近隣への迷惑といった点もデメリットといえます。
(3)犯罪や放火の怖れがある
空き家状態を放置しておくと、不審者の侵入に気づかない可能性も高くなってしまいます。
室内に家具や家電がある場合は、盗難されてしまうこともあるでしょう。
また不審者が生活してしまい、部屋内を汚くしてしまうかもしれません。
それだけならまだしも、不審火や放火といった可能性も非常に高くなってしまいます。
また空き家を放置してしまうと犯罪などの取引に利用されることもあり、非常に大きなデメリットを背負うことになってしまいます。
こまめに訪問することで、不審者の侵入などを防がなければいけません。
(4)倒壊により大きな被害を受けてしまう
もっとも恐れるデメリットが倒壊です。
といっても、かなり廃墟化しなければ倒壊まで至ることはそうありません。
しかし空き家を放置することで劣化が早まってしまいますので、ちょっとした地震などでも大きな被害を受けてしまうことがあります。
そうなってしまうと、とても売却など売買市場に出すことは難しくなってしまい、さらに危険度が増した空き家になってしまうと解体費用などがかかるかもしれません。
重ねて実際に倒壊してしまうと、解体費用どころの金額ではない費用を負担しなければいけないでしょう。
建物の劣化は、倒壊リスクといった大きな被害の原因となる可能性も秘めるデメリットなのです。
空き家の売却以外に考えられる管理方法とは?
空き家の維持管理を放置しているとさまざまなデメリットがあり、売却にも大きな影響を及ぼしてしまうことを解説しました。
では、実際に空き家の活用方法として売却以外にはどのような活用方法が考えられるのでしょうか?
ここからは売却以外の活用方法について解説していきましょう。
(1)賃貸に出す
自分の所有としておきたいがなかなか管理ができない場合や、所有しておくことに対する維持管理費を負担に感じる場合は賃貸に出すという方法が効果です。
賃貸に出すことで家賃収入を得ることができ、維持管理費に関する負担を減らすことができます。
賃貸に出す前に家具や家電の撤去や改装といった費用が必要になり、賃貸の需要がないエリアにある場合はなかなか借り手が見つからないリスクもあるでしょう。
しかし近年では古民家風の住まいに住むことを好む人や田舎でのスローライフ生活を希望する人も多くなっています。
必ず都心部に空き家がある必要もないですし、最低限のリフォーム費用にとどめて、借主が好きなように改造していい契約にすると需要も増えるでしょう。
賃貸の需要がないからとかリフォーム費用がかかるからといった理由で賃貸に出すことをあきらめる人も多いのですが以前とは状況も変わっています。
一度賃貸に出すことも検討してはいかがでしょうか。
(2)更地にする
いっそのこと空き家を解体し、更地にしてしまってもいいでしょう。
今、我が国では空き家が増えていることが社会問題となり、空き家をなくすために空き家対策特別法が施行されました。
空き家をきちんと管理していないと自治体に認められた場合、特定空き家に指定されさまざまな罰則を受けてしまいます。
今までは、とりあえず空き家状態にしている理由として固定資産税が安くなることが大きな目的でした。
しかし、特定空き家に認定されてしまうと、固定資産税は軽減されなくなってしまいます。
つまり、空き家状態で所有していても何のメリットもなくなるのです。
更地にすることで建物部分の固定資産税が無くなります。
需要があれば、更地を月極駐車場として利用することも可能です。
空き家状態を維持していくことに対しメリットが大きく制限されましたので更地にする方法も効果的といえるでしょう。
(3)自分たちで住む
2020年のコロナウイルスによるパンデミックにより働き方も大きな変化がありました。
そのひとつがテレワークです。
テレワークによって会社に通勤することがなく仕事をすることが可能になり、実際に月に何日しか出社しなくてもいいというワークスタイルも増えています。
空き家に住めない原因が会社から遠いといった理由である場合は、テレワークなどを効果的に活用することで、会社にそもそもいかなくてよい環境になるかもしれません。
自分たちで住むことにより、家賃を支払う必要もなくなるかもしれませんし、生活にかかるコストを大幅に削減することができます。
実際にコロナ禍において郊外の一軒家が購入されていますので、多少の距離であれば自分たちで住んでみることも考えても手はいかがでしょうか?
まとめ
空き家の売却には、デメリットもありますので、デメリットの対策を行ったうえで売却に取り組む必要があります。
空き家でもしっかりと管理しているとデメリットは大幅に軽減されますが、そうではない場合、希望通りには進まない可能性が高まるでしょう。
また、空き家の売却にデメリットがある原因はやはり空き家の管理不十分にあります。
放置するデメリットも理解した上で、しっかりと管理しておくことがポイントです。
売却だけではないさまざまな活用方法もあるので、空き家の管理に悩んでいる人はこの記事を参考にしてはいかがでしょうか。