田舎の実家を賃貸するメリットとデメリット・賃貸以外の活用も解説
田舎の実家を相続などで所有することになった場合、自分たちが住まいとして活用できる人たちばかりではありません。
自分たちが住まいとして活用できないときに考えるのが賃貸として貸し出す方法が挙げられます。
しかし、古くなっている田舎の実家を賃貸で貸し出すことが可能かどうか不安に感じている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、田舎の実家を賃貸に出すことができるかどうか?
田舎の実家を賃貸に貸し出すことのメリットやデメリットについて詳しく解説します。
田舎の実家を賃貸に出すことはできる?
そもそも田舎の実家を賃貸に出すことは可能なのでしょうか?
田舎の実家を賃貸に出せるかどうかという点に関して解説します。
(1)田舎の実家を賃貸に出すことは可能
田舎の実家でも賃貸として貸し出すことは可能です。
近年では、あえて田舎でのすまいを求めている人もいます。
テレワークが普及したことにより、会社に出向くことなく仕事ができるような環境ができたことからも田舎でのんびり暮らす需要は増えているといえるでしょう。
(2)ニーズがあるかの分析が必要
田舎の実家を賃貸で活用することは可能と前述しました。
しかし、賃貸のニーズがなければ、借主を募集したとしても見つかりません。
ニーズをしっかりと掴むことが必要です。
地域によって賃貸のニーズが異なり、単身世帯のニーズが高い地域、ファミリーのニーズが高い地域などもあります。
田舎の実家があるエリアでの賃貸ニーズをしっかりと分析した上で、賃貸として貸し出すかどうかを決めなければいけません。
田舎の実家を賃貸に出す場合の募集方法
実際に、田舎の実家を賃貸に出す場合、どのような方法により募集するのが良いのでしょうか?
田舎の実家を賃貸に出す場合の募集方法について解説します。
(1)不動産会社に依頼する
田舎の実家とはいえ、賃貸物件に変わりはありません。
不動産会社に賃貸で募集依頼をする方法が最も一般体な方法です。
不動産会社に仲介を依頼することで、HPや雑誌への掲載、店頭への掲示などを行い、広く入居者を募集します。
基本的に募集に関する費用はかかりません。
不動産会社は、田舎の実家の賃貸を仲介することで、仲介手数料を得ることができます。
賃貸の依頼を不動産会社に依頼する際に、適正な募集賃料や、賃貸層のニーズなどを聞くこともできますので、不動産会社への依頼は必須といえるでしょう。
(2)空き家バンクの登録する
地方自治体によって異なりますが、空き家バンク制度を利用している自治体があるエリアであれば空き家バンクへの登録の効果的です。
空き家バンクとは、そのエリアにある空き家を自治体のHPに登録し入居者を募集する制度です。
魅力のある地域だと、そのエリアに住んでみたいと思う人も多く、自治体のHPに掲載し、借主を探すことができます。
エリアに特化した賃貸情報ですので、物件情報自体はそこまで多くはありません。
しかし、自治体のHPから紹介を受けることにより自治体の補助金制度も利用しやすいといったメリットもあります。
(3)近所に話してみる
田舎の実家を賃貸に出す場合、状況によっては近隣住民が引っ越したい場合や、知り合いが探しているという情報を持っている場合があります。
近所の人に賃貸で貸し出したいと話をすると、思わぬ情報を得ることができるかも知れません。
近隣住民に紹介してもらうと、近所に知り合いがいますので、入居希望者に対する安心感も出ます。
効果的な募集方法のひとつといえるでしょう。
田舎の実家を賃貸に出すメリット
田舎の実家を賃貸に出すことにより、いくつかのメリットを得ることができます。
ここからは、田舎の実家を賃貸に出すメリットについて解説しましょう。
(1)家賃収入を得ることができる
最も大きなメリットとして家賃収入を得ることができる点です。
田舎の実家を活用することもなく放置していたとしても維持管理費や税金がかかります。
しかし、賃貸に出すことにより家賃収入を得ることができますので、維持管理費や税金にかかる費用に充てることが可能です。
また、不動産という資産を活かすことにより安定した収入を確保することもできます。
資産を活かして収入を得ることができるのがメリットです。
(2)建物の維持管理で通わなくていい
田舎の実家を特に活用することもなくそのままの状態にしておくと、定期的な維持管理が必要です。
室内の換気や植木の剪定などを行い、修繕個所を早めに見つけ、対処するためには定期的に田舎の実家を訪問する必要があります。
しかし、賃貸に出すことにより入居者が生活しますので、自然と維持管理に繋がっており、修繕個所などが見つかると入居者から連絡があるのでわざわざ訪問する必要がありません。
(3)資産価値の維持に繋がる
田舎の実家も、不動産としての資産価値があります。
しかし、建物の資産価値も人が住んでおらず、維持管理を怠ってしまうと資産価値がどんどん下がっていくことになるのです。
賃貸に出し、入居者が実際に生活することにより、修繕個所などが早めに見つかり、建物の維持管理がなされます。
同時に資産価値の維持に繋がっているといえるでしょう。
(4)固定資産税が安い
田舎の実家などの建物や建物が建っている土地などには固定資産税などの税金がかかることを述べました。
しかし、建物が建っている土地は、宅地となり通常かかる固定資産税よりも1/3、若しくは1/6まで減額されています。
宅地となる不動産に関しては、通常の固定資産税より大幅に減税されているのが現状です。
しかし、活用しないで田舎の実家がどんどん状態が悪くなった状態を放置してしまうと特定空き家に指定されてしまい、上記特例から除外されてしまいます。
しかし賃貸に出すことで、維持管理ができていると、固定資産税も宅地並み課税から変わることはありません。
これも賃貸に出すメリットといえるでしょう。
田舎の実家を賃貸に出すデメリット
田舎の実家を賃貸に出す場合、メリットだけではなくデメリットもありますので、双方をしっかりと理解しておく必要があります。
ここからは田舎の実家を賃貸に出す場合のデメリットについて解説しましょう。
(1)リフォームにお金がかかる
田舎の実家を賃貸に出す場合、いったん田舎の実家をリフォームしなければいけません。
リフォーム費用は建物の状態によって異なりますが、ときには何百万円もの金額になることもあるでしょう。
最初に賃貸に出すために初期投資がかかってしまうことがデメリットとなります。
また、田舎の実家ですのでまだ荷物が残っている場合もあり、片付けの費用も考えておかなければいけません。
当初は費用がかかってしまいますので、ある程度の資金を持っておく必要があります。
(2)入居者の修繕に対応しなければいけない
田舎の実家が空き家状態のままだと、もし修繕個所が見つかったとしても、すぐに修繕する必要はありません。
しかし賃貸に出し、入居者から修繕の要請があると、直ちに修繕する必要があります。
入居者が住みやすい状態を維持し続けるのがある種、家主である所有者の義務です。
あまり資金がない場合でも、直ちに修繕する必要がありますので、これもデメリットといえます。
(3)自分たちで自由に利用しにくい
いったん賃貸に出してしまうと自分たちで利用することが非常に難しくなってしまいます。
例えば急に自分たちが住みたいとなっても、入居者がいる場合は、簡単に退去してもらうことができないのです。
どうしてもすぐに退去してもらいたい場合は、立ち退き料を支払って退去してもらうことになりますので余計な費用がかかってしまいます。
いずれ自分たちで住む予定があるのであれば賃貸に出す場合の契約書をあらかじめ期間を定めた契約にするといった対策をしておかなければいけません。
そうでなければ立ち退き費用などがかかりますので大きなデメリットとなるでしょう。
(4)入居者トラブルに対応する必要がある
賃貸に出すということは、いわゆる賃貸経営を行うオーナーとして入居者のトラブルに対応しなければいけません。
前述した修繕の対応はもちろんですが、家賃の滞納があった場合の家賃請求や、近隣のトラブル解決などが考えられます。
不動産会社に管理を依頼することにより一定の管理料でこのような入居者対応は不動産会社に任せることも可能です。
しかし、費用がかかる点や不動産会社の対応が悪かった場合、さらなるトラブルに発展することも考えられます。
賃貸に出して家賃収入を得る代償としてこのお湯な入居者トラブルに対応しなければいけない点もデメリットとなりがちです。
田舎の実家を賃貸に出す以外の活用方法
ここまでは、田舎の実家を賃貸に出すことに特化した内容を解説してきました。
しかし、田舎の実家は賃貸だけではなくその他の活用方法も考えられます。
では、どのような活用方法があるのでしょうか?
ここからは、田舎の実家を賃貸に出す以外の活用方法について解説します。
(1)売却する
売却する方法が考えられます。
自分たちで活用もせず、賃貸としての需要も少ない場合は、売却して現金化することがおすすめです。
売却してしまうと、維持管理費用や税金に毎年悩まされることもありません。
田舎の実家を所有した場合、賃貸以外の活用方法として売却を選択する人は多いとえいます。
(2)自分たちが住む
いっそのこと自分たちで住むことも効果的な活用方法といえます。
既に遠方で生活圏があるのであれば難しいかもしれませんが、近くにある場合などは自分たちが住むことにより、田舎の実家を有効活用できるでしょう。
(3)解体する
田舎の実家を、賃貸に出さず所有してづけてしまうと、維持管理費用や税金面などのコストを常に支払い続けることになります。
しかし、売却して不動産を手放したくない場合などには、田舎の実家を解体し、更地として活用してみてはいかがでしょうか?
更地にすることで土地の固定資産税は上がってしまいますが、建物の固定資産税は支払う必要がなくなり、維持管理費用も考える必要がありません。
また、更地を建貸地や駐車場として活用することも可能になりますので、効果的な活用方法に繋がります。
(4)セカンドハウスとして活用
別荘やセカンドハウスとしての利用も効果的です。
温かい場所に田舎の実家がある場合は、リゾートとして利用ができます。
また寒い場所にある場合は、避暑地としての活用もできるでしょう。
自分たちが短期間に住む場所となりますので、リフォームの費用も抑えることが可能です。
賃貸以外ではこのような活用方法も効果的です。
まとめ
田舎の実家をそのまま放置していると、劣化が急速に進み、あっという間に廃墟と化してしまうかもしれません。
そうならないように維持管理しなければいけませんが、効果的な方法として挙げられるのが田舎の実家を賃貸に出す方法です。
家賃収入が得られ、自然と維持管理に繋がるといったメリットがありますが、リフォーム費用やトラブル対応などのデメリットもあります。
また、賃貸の需要があるエリアに田舎の実家があるかどうかも賃貸に出す大きなポイントです。
このような点をしっかりと理解して、田舎の実家を賃貸に出すかどうかを決定しましょう。