空き家の資産価値を下げないためのポイント・放置するリスクは?
相続などにより実家を相続した場合、すでに誰も住む人がおらず空き家状態になっていることがあります。
またさまざまな理由により、所有している建物が空き家状態のまま放置しているケースが増加しており、空き家の増加は社会問題のひとつです。
空き家の放置は、所有している不動産の資産価値に大きく影響しています。
この記事では、空き家状態で放置していた場合の資産価値への影響などについて詳しく解説しましょう。
空き家の放置が資産価値にどう影響する?
空き家状態になっている建物は資産価値として見たときに、活用されていた場合と比較してどのように変化するのでしょうか?
資産価値が上がるということは考えにくいのですが、現状と変化がないのか資産価値が下落するのかが気になるところです。
ここからは、空き家状態になっている資産価値の変化について解説します。
(1)空き家の放置は資産価値にマイナス要因となる
空き家の放置は資産価値にマイナス要因となりえます。
資産価値とは、現在の不動産そのものの価値のことを表しており、地域相場や新築時の建築価格などではありません。
新築時と比較すると、築年数の経過につれて資産価値は落ちていきます。
放置されている空き家は、管理がされていないことが多いので、不動産そのものの価値となるとマイナス要因なってしまうのです。
ただでさえ築年数の経過により下がりやすい資産価値がさらに落ち込む要因といえるでしょう。
(2)管理されていない空き家は劣化が急速に進む
管理されず放置されたままの空き家は劣化が急速に進む傾向です。
住まいは人が居住することにより、維持管理ができているような側面があります。
そのため空き家状態だと、修繕個所に気づきにくく、維持管理をやりにくい状況となり劣化が急速に早まることを理解しておかなければいけません。
空き家を放置して劣化が急速に進むと、同時に資産価値も急速に下落していることに繋がります。
(3)資産価値が下がると売却価格が大きく下落する
資産価値が下がってしまうと、どのような悪影響を及ぼすのかというと、もし売却しようと考えた場合、売却価格に大きく影響することになります。
建物の築年数が経過すると資産価値が下落傾向になり、放置された空き家になっている場合も資産価値が下落傾向になることを前述しました。
つまり、資産価値が下がるというのは、購入希望者にとってマイナスポイントが増えることに繋がるので売却価格にも悪影響となります。
資産価値と売却価格は密接していますので、資産価値の下落は売却価格の下落になるといえるでしょう。
(4)劣化により活用方法が限定され、さらに価値が下がってしまう
放置された空き家は活用方法が大きく限られてしまいます。
人が住めないような状態まで放置された空き家は、賃貸で貸し出すこともできず自分たちで住むにしても大幅なリフォームが必要です。
もし売却するとなっても、住めないため解体のコスト分値引きされる可能性も考えられます。
これも資産価値が大きく損なわれる要因となるでしょう。
空き家の資産価値を下げない方法とは
空き家を放置していると資産価値が落ちてしまい、色々と不都合な状態になることを解説しました。
空き家を放置しないことが資産価値の維持に繋がることになります。
では空き家の資産価値を下げないように維持していく方法には、どのようなものがあるのでしょうか?
ここからは、空き家の資産価値を下げない方法を紹介します。
(1)こまめな訪問で状況をチェックする
こまめな訪問で状況をチェックしましょう。
定期的に訪問し部屋の換気や、水道の使用、庭の整備などで維持管理に力を入れます。
空き家状態でも、こまめな訪問により不備箇所を改善することが可能です。
特に換気や水道水の使用により、カビや害虫の発生を防げますので、劣化を食い止めることに効果的です。
自分たちで管理できると、管理にかかる費用も抑えられます。
特に空き家状態のままではなく、他の活用方法を検討されている場合には、こまめな管理は必要不可欠といえるでしょう。
(2)空き家管理サービスを利用する
なかには空き家が遠方にあり、管理したくてもなかなか空き家に出向けないといった人もいます。
このようなケースでは、距離的にもこまめな管理は不可能です。
近年増加する空き家問題を解消するサービスとして不動産会社が取り組んでいる空き家管理サービスがあります
月に数回、空き家を担当者が訪問し、部屋の換気や室内の簡単な清掃、不良個所をチェックします。
空き家の状況や行った活動内容は訪問ごとに報告書として届けられ、所有者は状況をチェックできるでしょう。
費用面は、サービスを提供する不動産会社によって異なりますが月1万円前後が一般的です。
プロ目線で空き家の状況が管理できますので、空き家管理には効果的なサービスといえます。
(3)賃貸に出す
空き家状態が劣化を早める可能性があるのならば、空き家状態を解消する取り組みも効果的です。
空き家の活用として賃貸に出す方法が挙げられます。
貸家として活用することにより、空き家状態を解消することが可能です。
貸家として活用することにより家賃収入を得られます。
家賃収入で修繕費用や固定資産税などの費用支出をまかなうこともできるでしょう。
さらに室内で異常が起こると、入居者が連絡してくれますので自然に管理することにも繋がります。
賃貸に出して空き家状態が解消できると、家賃収入などのメリットもあり非常に効果的といえるでしょう。
(4)セカンドハウスとして利用する
自分たちで住まいとして活用する方法も空き家の解消に繋がりますが、空き家が遠方にある場合は、マイホームとして利用することが難しいかもしれません。
この場合セカンドハウスとして利用することを検討してはいかがでしょうか?
リゾート地に近い場合や、避暑地にある場合、まとまった休みに空き家を別荘として利用してはいかがでしょうか?
特に近年はテレワークなどの普及により、わざわざ職場に出向くことなく仕事ができます。
テレワークなどでわざわざ会社に出向く必要がない人などは空き家をセカンドハウスで有効活用できるでしょう。
空き家の資産価値って上げられる?
ここまでは、空き家状態が資産価値にどう影響するのか?
空き家の資産価値を落とさないためにはどのような方法があるのかといった点について解説してきました。
ここで気になるのが逆に空き家の資産価値を上げられないのかという点です。
空き家の資産価値を上げる方法について解説します。
(1)リフォームすると空き家の価値が上がることがある
大幅なリフォームやリノベーションにより、空き家の資産価値が上がる場合があります。
リフォームやリノベーションにより、今まで放置状態だった空き家を有効活用できるようになると、資産価値には良い影響を及ぼします。
特に築年数があまり経過していないのに、管理されていないためにボロボロになっている空き家などは手を加えることにより資産価値が上がる可能性が高くなるでしょう。
全ての空き家をリフォームやリノベーションすれば資産価値が上がるという訳ではありません。
空き家の状況やエリアの状況によっても大きく異なりますので、リフォームする前には十分に検討する必要があります。
(2)空き家を解体すると土地の価値が上がることがある
築年数が古く、かなり劣化している空き家の場合、資産価値がゼロとなっているものも少なくありません。
このような空き家をこまめに管理してもすでに築年数が経過していることもあり資産価値に大きな影響はないでしょう。
つまりゼロのままということになります。
このような場合、空き家があるので売却となると、解体が必要です。
空き家をすでに活用できないため、売却するとなると空き家の解体費用を差し引いた価格で売却することにもなります。
築年数の経過した空き家付きの売買となると解体しなければ土地をうまく活用できません。
空き家を解体し土地のみの売買にした方が、売却価格が上がることもあります。
空き家の資産価値を下げないための心がけ
空き家の資産価値を上げることは先ほど解説したように容易ではありません。
できる限り資産価値を下げないように取り組む必要がありますが、先ほど資産価値を下げない方法については解説しました。
あわせて資産価値を下げないための心構えを持って空き家の対策を考える必要があります。
ここからは空き家の資産価値を下げないための心がけについて解説しましょう。
(1)絶対に放置はしない
空き家だからといって絶対に放置してはいけません。
前述したように放置されている空き家は劣化のスピードが速く、気づいたときには住める状態じゃなくなることもあります。
劣化が進むと活用方法が大きく制限されてしまい、資産価値も大きく下落することになるでしょう。
空き家とはいえ定期的に訪問し、こまめにメンテナンスするか、早めに活用する方法を検討しましょう。
(2)できればうまく活用する方法を選ぶ
できればうまく活用する方法を考えます。
空き家状態ではなく、賃貸に出す、更地にして活用する、自分たちで住むといった活用方法が考えられますが要するに空き家状態を解消するということです。
空き家状態だといくら管理しても固定資産税や維持管理費用などさまざまな費用がかかります。
空き家状態を解消することにより、収益確保にもつながり、資産価値の維持にもなるでしょう。
空き家状態を解消するにはどのような活用方法があるのかといったことを考え実践する必要があります。
(3)活用できなければ売却を検討する
空き家状態を解消するための活用方法を考えましょうと先ほど述べましたが、築年数の経過や空き家がある地域によっては、賃貸需要がないことが考えられます。
また、そのほかの活用方法が浮かばない場合などは空き家状態のままになってしまいがちです。
特に活用方法が見つからない場合は、売却を検討してもいいでしょう。
前述したように、空き家は所有しているだけで、維持管理のコストや税金などが発生します。
売却すると当然ながら維持管理や税金のコスト負担は今後不要です。
現金化することで、別の不動産を購入することもできますし、そのほかに使うこともできます。
使わない空き家ならば売却を検討しましょう。
まとめ
空き家の放置は資産下落に繋がり売却を検討する際、安い価格でしか売却できません。
資産価値を維持するためにも管理をこまめに行う必要があります。
またケースによっては資産価値を上げることも可能です。
しかし、基本的には資産価値を維持するような活用方法を選択することをおすすめします。
空き家状態はなるべく避け、効果的に活用することにより資産価値の維持につながるといえるでしょう。