実家売却の相談先は?売却前の準備や注意点も解説
実家を売却しようとする場合、最初に思うことは、思い出の詰まった実家を売却していいのかといった不安感ではないでしょうか。
また、築年数が経過している実家なら、本当に売却できるのかといった悩みや、高く売りたいという願望まで、自分だけで考えるのは荷が重いとも感じるときもあるでしょう。
実家など不動産の売却を検討しているときに、あまり不動産売買の経験がない人は誰かに相談したいと思うのではないでしょうか。
この記事では、実家売却を相談したい場合誰に相談すればいいのか。売却前の注意点や実家売却する流れなどについて詳しく解説します。
実家売却を検討したときに相談は誰にすれば良いのか
実家売却を自分の考えで検討しているとき、誰に相談すれば、参考になるアドバイスを求められるのでしょうか。
実家売却を検討した場合の相談先について解説します。
(1)信頼できる不動産会社
実家売却など不動産の売買に関する事ならば、不動産のプロである不動産会社に相談するといいでしょう。
実家があるエリアや築年数、建物の広さなどから売却できる金額の提案や、不動産に関する質問に対して的確なアドバイスが期待できます。
ただし、売却しなくていい場合でも、手数料収入を上げるために無理やり売却の方向性に持っていこうとする不動産会社などもありますので注意が必要です。
いくつかの不動産会社に軽く相談しながら、本当にあなたが信頼できると思われる不動産会社にアドバイスを求めると良いでしょう。
(2)借入していた金融機関
借入している金融機関もオススメの相談先です。
住宅ローンの返済が残っている場合は、抵当権が設定されていますので、実家を売却する金額で全額返済しなければ、抵当権の抹消ができず売却ができません。
ローンの残債がどれくらい残っているのか、繰り上げ一括返済を行う場合、違約金などは発生しないのかといった点を確認しておくといいでしょう。
固定金利型で住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローンを繰り上げして一括返済すると違約金が発生する場合があります。
また、住宅ローンを全額返済する場合、抵当権を抹消する必要がありますが、抹消にかかる費用なども相談しておくといいでしょう。
(3)自治体が運営している空き家バンク
実家が田舎にあり、あまり売却の需要がないかもしれないと不安な場合、地方自治体が運営する空き家バンクの担当者などもいい相談相手になることがあります。
空き家バンクとは地方自治体が運営しており、賃貸物件や売買物件の紹介を自治体が行うサービスです。
自分の家を貸したい人や売りたい人が空き家バンクに情報を提供し、希望者を募ります。
需要がないエリアでも、そのエリアに特化して住みたい方などが空き家バンクを活用します。
空き家バンクの担当者に相談することで、購入希望者の購入金額相場や、エリアに特化した売買情報などが入手できます。
想定する売却価格の妥当性などの参考になるでしょう。
(4)家族や親せき
実家を売却するとなると、その実家がいわゆる本家など、先祖代々から受け継がれている土地や建物かもしれません。
また、兄弟など他の家族にとっても思い出の実家となりますので、余計なトラブル防止のため一度は相談しておくといいでしょう。
もしかすると、親戚の人が実家を購入する可能性もあります。
今後のお付き合いという意味でも、実家売却前に相談しておくと良いでしょう。
実家売却前に確認しておくこと
実家の売却となると、確認しておかなければ、後でトラブルの元となってしまうものがあります。
通常の不動産売却よりやや慎重に取り扱った方が良い物件ともいえるでしょう。
実家売却前に確認しておくべきものについて解説します。
(1)遺言書の調査
相続が発生する実家であるならば、最初に遺言書を確認しなければいけません。
もしかすると遺言に実家のことが書いてあり、実家を残してほしいという故人の遺志があるのもしれないのです。
遺言書の種類として以下の3種類が挙げられます。
- 公正証書遺言
- 自筆証書遺言
- 秘密証書遺言
遺言書の存在を家族や相続人が把握していない場合、付き合いのある弁護士や税理士にお願いしているかもしれません。
遺言書の調査を行ったうえで実家売却の方向性も決定する必要があるでしょう。
(2)遺産分割の方向性
遺言書が見つからない場合は相続人同士が話し合い、分割方法を決めなければいけません。
どのように分けるのかを明確に決めておき、遺産分割協議をスムーズにまとめましょう。
実家の相続があなた一人だけなら、相続後、単独で売却することも可能になります。
実家を共有する場合は、共有名義人の同意を得た上で実家を売却しなければいけません。
特に遺産が実家の不動産だけだった場合には複数の共同名義となりかねません。
名義人が多ければ多い程、実家売却もまとまりにくくなってしまいます。
遺言書がない状態で遺産分割を行う場合は、方向性を先に決めた上で話し合うことがおススメです。
(3)遺品の整理
実家を売却すると決まった場合は、遺品を整理する必要があります。
遺品の処分や、相続人での分配が必要です。
遺品の分配も、相続人で話し合いながら進めていきましょう。
遺品も含めた荷物の撤去は、できる限り自分たちで行うことで、費用を抑えることができます。
また、遺品を処分する場合は、遺品の整理を専門に行う業者などに依頼しなければいけません。
遺品整理業者は、数が多いわけではありません。
近隣に遺品整理業者がいるのかのチェックなども早急に行っておく必要があります。
(4)親がいる場合は、親の住まい
まだ、親が健在のうちに実家売却を検討している場合、親の住まいを確保しなければいけません。
介護施設に居住している場合や、子どもの家族と同居しているなら親の住まいを心配することはないでしょう。
しかし、実家を売却した後に親の住まいが無くなってしまうようだと早急に親の住まいを確保する必要があります。
実家を売却する方法
実家を売却する場合、売却の方法に違いが出ており、それぞれ売却方法に特徴があります。
ここからは実家の売却方法を4つ紹介し、詳しく解説していきましょう。
(1)不動産会社に仲介を依頼
最も一般的な売却方法として挙げられるのが、不動産会社に仲介を依頼して売却する方法です。
不動産会社に実家の査定を依頼し、査定価格に納得できたら不動産会社と媒介契約を締結し募集作業に入ります。
このような売却方法を仲介による売買といい、広く不動産会社が買主を探し、契約の締結から引き渡しまでの世話をする売却方法です。
不特定多数に広く買主を募集しますので、高い金額でも成約する可能性が高いといえるでしょう。
不動産会社は、売却場契約が締結され引き渡しまで完了すると仲介手数料を報酬として受け取ります。
すこしでも高い金額で売却したい場合は仲介による募集が適しているといえるでしょう。
(2)不動産会社に買取を依頼
不動産買取業者が売却金額を指値して買い取る方法も挙げられます。
買主がすでに決まっていますので、不動産買取業者が希望する金額に納得できると、すぐに売却が可能な取引です。
仲介に比べると、比較的早く売却できる方法といえるでしょう。
また、仲介ではなく不動産会社が買い取るので仲介手数料がかかりません。
不動産買取業者が買い取る目的は再販です。
賃貸で貸し出す方法や、リノベーションにより、高い金額で売却することを目的としています。
再販目的ですので、相場よりも安い金額で購入しなければ、再販が難しくなってしまいます。
そのため、相場よりも安い金額で売却するケースが多いといえるでしょう。
(3)空き家バンクからの募集
実家のある場所が、あまり売買需要がない場合や、実家が古く、一般的な募集で決まらない場合は、空き家バンクからの募集も検討しましょう。
空き家バンクとは地方自治体が運営しており、エリアに特化した売買情報や賃貸情報をHPなどで募集し希望者を募ります。
購入希望者が表れると、自分たちで売買をすすめなければいけませんが、自治体が紹介する不動産会社などを活用することも可能です。
エリアに特化しているので、一般的な不動産検索サイトには載っていない情報などもあります。
(4)親族間での取引
実家での売却となると、前述したように先祖代々の不動産を売却しようとしているかもしれません。
そのため、親戚などが購入するケースも考えられるでしょう。
注意点としては、不動産会社が入りませんので、不動産売買に詳しくなければ時間がかかってしまう点や、売買契約後にトラブルが起きやすい点が挙げられます。
しかし、気心の知れた親族が実家を購入してくれるとなると、思い出の詰まった実家を残してくれる可能性も高く、安心感がある点がメリットといえるでしょう。
実家を売却する流れとは
実家などの不動産を売却する際、仲介による売買が一般的だと前述しました。
ここからは、不動産会社に仲介を依頼して実家を売却する流れについて解説します。
(1)価格決定するための査定
まずは、不動産会社による実家の査定を依頼し、売却価格を決めなければいけません。
できれば複数の不動産会社に査定を依頼すると、物件の相場や価格の妥当性がつかみやすくなります。
近年では不動産一括査定サイトなどで、実家の情報を入力すると、複数の不動産会社から価格査定を受け取ることができます。
価格の妥当性が把握しやすく、サービスなどを比較し自分に合った不動産会社を選びやすくなったといえるでしょう。
(2)不動産会社と媒介契約を締結する
売却価格を決めると不動産会社と媒介契約を締結し、不動産会社に募集を依頼します。
媒介契約には3つの方法があり、複数の不動産会社に依頼できる一般媒介契約や、依頼された不動産会社しか募集出来ない専属専任契約などがあります。
自分に最も合った媒介契約を選択しましょう。
(3)募集・内覧
不動産会社が中心となって募集やお客様の内覧などを行います。
いくら不動産会社に任せているからといっても、任せっぱなしではいけません。
募集の総数や内覧の感想などを不動産会社から聞き取り、売却価格の調整や実家の修繕などを行っておくと、成約しやすくなるといえます。
(4)売買契約
購入希望者が表れ、売買価格などで折り合いがつくと、売買契約へと進みます。
売買契約では手付金を受け取り、万が一、買主側からキャンセルされた場合は、手付金を放棄することで売買契約を破棄することが可能です。
売買契約が締結した後に住宅ローンの申し込みとなります。
実際に実家を引き渡すのは、もう少し先になるでしょう。
(5)引き渡し
住宅ローンの審査が通るといよいよ引き渡しです。
引き渡しでは手付金を差し引いた売却代金を支払ってもらい、買主の所有権移転が完了すると、新たな所有者へ引き渡しが完了します。
いくつかの手順を踏まなければいけませんので、スケジュールを理解して早めの行動により、スムーズな取引ができるでしょう。
まとめ
実家の売却の検討する場合、売却前に遺言書の確認や、相続人同士で今後の対策などを検討する必要があります。
初めての不動産取引の場合はわからないことも多いので、不動産会社やご家族、申請などにも相談して見るといいでしょう。
実家を売却する際の注意点なども記載していますので、実家の売却に悩みがある人はこの記事を参考にしてはいかがでしょうか。