親の死後、家の処分前にやるべきこと・処分の方法や注意点も解説

空き家相談

親の死後 家処分

「親の死後、実家をどう処分して良いかわからない」、「親の死後、残った実家を放置しているけど、どんなリスクが考えられる」。

親が亡くなった後に残った実家をどのように活用、処分するのかといったことを悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

この記事では、親の死後に家を処分する方法や、放置しておくことによるリスク、注意点などについて、詳しく解説します。

親の死後に家を処分する場合の売却方法

親が亡くなった後、実家の処分を検討する場合、売却が最も一般的な処分方法です。

売却には、そのままの状態で売却する方法や解体しての売却などいくつかの売却方法が考えられます。

ここからは、親の死後に残った家の売却方法について解説します。

(1)現状何もせずに売却する

現状のまま売却する方法が挙げられます。

実家はそのままの状態でリフォームをせずに売却するわけですので、解体やリフォームのコストがかからないのが大きなメリットです

実家を残したままの売却なので、固定資産税に関しても、宅地並みの税額となります。

解体して更地にした場合よりも土地の固定資産税は高くありません。

ただし築年数が古い家の場合、建て替え目的の購入希望者が多くなり、解体費用の負担が必要になるので、購入希望者が見つかりにくい可能性が考えられます

また、築年数が古い家を残したままの売却となれば、思わぬ不具合が見つかり、契約不適合責任を負うことになるかもしれません。

建物や土地に対し、売買契約書に記載されていない不具合が存在していると、損害賠償や減額請求の対象にもなります

注意しておきましょう。

(2)家を解体し更地の状態で売却する

家を解体し更地の状態で売却するケースが挙げられます。

解体しての売却に有効なケースとしては、築年数が古く次に住める状態ではない家の場合です。

売却する際には解体した方がいいでしょう

家が空き家状態で長期的に放置されていたとすると、解体していなければ、不法侵入や不審火による火災などのリスクを抱えたまま状態になっています。

売却前にあらかじめ解体しておくことにより、不法侵入や火災リスクを除去することが可能です。

また、更地にすることにより購入希望者は、購入後の活用方法についてイメージがしやすいといったメリットも考えられます。

注意点としては、解体費用が売却前にかかる点です

構造や広さによっては、非常に高額の解体費用になる可能性も考えられます。

解体のコストと売却価格などのバランスを考えた対応が必要です。

(3)家をきれいにリノベーションして売却する

親の死後、残された家をきれいにリノベーションして売却するケースも挙げられます。

親が住んでいた家は築年数が古く、今のニーズに合っていない住まいであることが多いといえるでしょう。

リノベーションで現在のニーズに合った住まいに改装することにより、購入希望者を増やすことが可能です。

しかし、リノベーションしても築年数は変わることがないため、耐震基準などに変わりはありません

さらにリノベーション費用もかかることから、リノベーションのコストが売却価格に上乗せできるかどうかといった調査が必要です。

親の死後 家を処分せず放置していた場合のリスクとは?

相続などにより所有した家を処分せずにそのまま放置してしまった場合、考えられるリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。

ここからは、親の死後、家を処分せず放置してしまうことに対するリスクについて解説します。

(1)固定資産税や維持管理費がかかり続ける

家を放置してしまっていても、家や土地といった不動産を所有している限り発生するのが固定資産税です。

固定資産税は、地方自治体が課税する地方税のひとつで、毎年1月1日時点の所有者に対して課税されます。

住んでいる人がいない状況で、活用が全くされていない家に対しても税金を支払う必要がありますので大きなコストといえるでしょう

また、家を放置していると、行政から特定空き家へ指定されることもあり、特定空き家の改善に対して指導などが入ることがあります。

この場合、家を修繕するための維持管理費用なども発生しますので、これらのコスト負担もリスクになるといえるでしょう。

(2)火災や犯罪などに巻き込まれる

家を長期間放置していると、空き家であることが周りにも認知されやすくなってしまいます。

そのため、不法侵入されてしまうことも考えられるでしょう。

例えば、長期間空き家状態ですので、違法薬物の取引場所になってしまうケースや、家で監禁されるといった犯罪に巻き込まれることがあるかもしれません。

また、不審火などによる火災に関しても注意が必要です

不法侵入者が、火の取り扱いを誤って火災を引き起こすケースや放火による火災などのリスクが考えられます。

特に火災が発生したとなると、所有者は火災に関するさまざまな費用を負担することになりますので、大きなリスクといえるでしょう。

(3)放置することによる急速な劣化

家は、人が住むことによって自然と維持管理がされています。

人が住むことにより自然と換気がされ、害虫や害獣の侵入が阻止できているのです

しかし家に誰も住んでおらず長期間放置された状態となっていると、換気もできないため、湿気がこもり、カビの発生などで木材などにダメージを与えることが想定されるでしょう。

また、アリやネズミといった害虫、害獣の発生により、建物の柱などがかじられてしまうかもしれません。

人が住んでおらず放置された家は急速に劣化してしまい、場合によっては廃墟化してしまう可能性も考えられます

家としての機能を著しく低下させてしまう点も大きなリスクです。

(4)悪臭やごみなど近隣住人へ迷惑をかける

先ほど、家を放置しておくことにより、犯罪や火災のリスクについて前述しました。

家を放置しておくことによる外的要因についてもうひとつ考えられるのが、ごみの不法投棄などです。

ゴミの不法投棄が繰り返されてしまうと悪臭の発生に繋がり、近隣住民へ迷惑をかけてしまいます。

ゴミの不法投棄に対する処分費などもかかりますので、所有者にとっては費用面の負担も考えなければいけません

ごみの不法投棄による、近隣住民への悪影響や片付けのコストなど、これも大きなリスクといえるでしょう。

親の死後 家を処分するまでに必要なやるべきこと

親の死後、相続などにより所有した家を放置することによるリスクについて解説しました。

所有した家に上手い活用方法がなければ、処分してしまうのがおすすめです

ここからは、家を処分するまでに必要なやるべきことについて解説します。

(1)遺言書を確認しておく

まずは、遺言書の確認が必要です。

遺言書がなければ、基本的に法定相続に従って遺産分割を行えば良いので、大きな心配はありません。

しかし、遺言書が存在している場合、引き継ぐ内容が大幅に変わってくる可能性も考えられます。

まずは、遺言書があるかどうかを確認しておき、相続人同士の話し合いも必要でしょう。

(2)家を処分するまでのスケジュールをしっかりと立てる

家を処分するとひとことで言っても、やることは多岐に渡っており、効率よく行わなければ処分のスケジュールが大幅に狂ってしまう場合も考えられます。

特に、売却などにより家を処分する場合、リノベーションや解体などが必要になってくると、やることが、さらに多くなってしまいます。

行き当たりばったりで進めてしまうと、やり残しややり忘れが起こってしまいますので、処分の実行までに大幅な時間を要してしまうかもしれません。

前もって処分前に行うべきことを列挙しておき、スケジュールに沿って進めていくとスムーズな処分ができます。

(3)遺品などの貴重品を整理しておく

家を処分する前に行うこととして思い浮かぶものとして遺品整理を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

遺品整理も非常に労力がかかる作業となります。

必要な遺品の仕分けや形見分けなどの作業が必要です。

遺品の形見分けなどが原因により、家族間でトラブルになってしまうこともあります。

遺品整理は個人単独で行わず、家族間や相続人間で話し合いを進めながら行っていくといいでしょう

(4)査定は複数の業者に依頼する

家を売却によって処分する場合、少しでも高い金額で売却したいと誰もが思うのではないでしょうか。

高い金額で売却する方法としておすすめなのが、複数の不動産会社から査定書を集めることです

1社だけの査定にしてしまうと、比較できるものがなく、査定された金額が正しいのかどうかもわかりません。

複数の不動産業者から査定金額が取得できると、ある程度の相場も把握しやすく、おおよその妥当性がわかります。

近年では、インターネット上で必要な情報を入力することで、複数の不動産業者から査定が所得できる「不動産一括査定サイト」などの利用も可能です

これらのサービスをうまく活用することにより、高い金額での売却にも期待が持てるようになります。

親の死後 家の処分をするときの注意点

家の処分に対して、必要なやるべきことについて解説しました。

ここからは、親の死後、家を処分するときの注意点について解説します。

(1)所有権はきちんと移転されているかどうかの確認

家の売却にあたり、所有権はきちんと移転されているのかを事前に確認しておきましょう。

万が一、まだ親の名義のままだったとすると、家の売却ができません

親の名義になっているままだと、相続登記などの手続きが必要になり、費用もかかります。

相続登記に時間がかかってしまい、売却ができなかったといった事態も考えられますので、所有権の確認を事前に行っておきましょう。

(2)解体しての売却なら再建築不可ではないのかの確認

家を解体して売却する際に注意が必要なのが、土地が再建築できるかどうかの確認です。

長い年月を経て、場合によってはその土地に家が建てられなくなっていることも考えられます。

特に確認が必要なのが接道要件です。

幅員4メートル以上の道路に間口が2メートル以上接していなければ建物を建てることができません

家が建っていたからといって、今でも建て替えができるとは限りません。

解体前にきちんと確認しておきましょう。

(3)相続人が複数いる場合は全員の同意

相続により家を所有した場合、所有者が複数になっている場合も考えられます。

家を売却するには全員の同意が必要です

一人でも売却に反対していると売却ができません。

親の死後、家を売却する場合は所有している相続人全員の同意を得ておきましょう

(4)解体などにおける、補助金や助成金などの確認

家を解体して売却する際、自治体が解体に対する補助金や助成金を制定している場合があります

行政としても、築年数が古くなり、放置されるリスクがある家を解体することを進めているのです。

古い家を解体し、更地にすることで不動産市場の流通を促すことになります。

綺麗に整備している街にするために解体に対する補助金を導入しているケースが多いのです。

名称や補助金の額などは自治体によって異なり、解体に関する制度がない自治体などもあります。

事前に自治体のHPなどで確認しておくといいでしょう

まとめ

親の死後、家の処分について、売却することを中心として解説してきました。

家の売却前に解体やリノベーションを行う場合は、コストがかかりますので、事前にどのような方法で売却するのかについての検討が必要です。

また、家を処分せずに放置しておくと、さまざまなリスクが降りかかってくる可能性も考えられます。

家を活用する方法がない場合は売却など、処分を行うことにより、リスクを無くすことにもなります。

家族や相続人ともしっかりとした話し合いを行い、自分にとって効果的な処分方法を検討しましょう。

本日のオススメ専門家をピックアップ

専門家を探す

相談内容から専門家を探す
相談内容から専門家を探す
職種から専門家を探す
職種から専門家を探す
所在地から専門家を探す
対応エリアから専門家を探す
フリーワードで探す
  1. 空き家活用.net
  2. 空き家活用.netのコラム一覧
  3. 空き家相談
  4. 親の死後、家の処分前にやるべきこと・処分の方法や注意点も解説