空き家のゴキブリ対策・害虫の種類と対処法も解説
空き家の管理がしっかりできていないとゴキブリなどの害虫が大量発生する場合があります。
ゴキブリなどが発生してしまうと、空き家に被害をもたらすので、害虫が出ないような対策が必要です。
この記事では、空き家のゴキブリ対策や、空き家に出やすいゴキブリ以外の害虫の種類と対策などについて詳しく解説します。
空き家のゴキブリ対策
まずは空き家にゴキブリがでないようにするための対策について解説します。
(1)こまめな換気
空き家にゴキブリが出ないようにするためには、こまめな換気が重要です。
ゴキブリは暖かくて湿気のある環境を好みます。
そのため、空き家では定期的な換気が必要です。
窓を開けて空気を入れ替えることで湿気を逃がし、ゴキブリの繁殖を防ぐことができます。
特に夏場や雨の多い時期は湿気がたまりやすいので、このような時期には注意が必要です。
数時間窓を開けるだけでも効果があります。換気を行うことで空気が循環し、ゴキブリが住み着くのを防ぐことが可能です。
定期的な換気はゴキブリの侵入を防ぐだけでなく、空気の清浄化や建物の湿気対策にも役立ちます。
(2)定期的な通水
空き家にゴキブリが出ないようにするためには、定期的な通水が重要です。
排水口のS字トラップに常に水を溜めておくことで、外部からゴキブリが侵入する経路を塞ぐことができます。
水を溜めておくことでS字トラップが乾燥しにくくなり、ゴキブリの侵入を防ぐために有効な手段となるでしょう。
定期的な通水によって、S字トラップの水が蒸発するのを防ぎ、害虫の侵入や悪臭の発生を防がなければいけません。
空き家の定期的な管理に加えて、この対策を行うことでゴキブリの発生を予防できます。
(3)定期的に清掃する
空き家にゴキブリが出ないようにするためには、定期的な清掃が必要です。
特に、隙間や角にたまったゴミや食べ残しなどを徹底的に掃除しましょう。
また、床や壁、家具の裏側など見えにくい場所もこまめに清掃し、ゴキブリが隠れる場所を減らします。
不要なものは処分し、空間を整理整頓することも効果的です。
定期的な清掃によって、ゴキブリの生息環境を制限し、その発生を防ぎます。
(4)物をなるべく置かない
空き家にゴキブリが出ないようにするための効果的な対策の一つは、物をなるべく置かないことです。
ゴキブリは隙間や暗い場所を好み、物が多いとそうした場所に隠れやすくなります。
空き家では不要な家具や荷物を可能な限り取り除き、部屋を広々とした状態に保ちましょう。
特に、ダンボールや不要な家電製品などはゴキブリが隠れやすいため、これらを置かないように注意しましょう。
また、部屋の隅や角には物を置かず、掃除しやすいようにしておくことも重要です。
物をなるべく置かないことで、ゴキブリの隠れ家を減らし、発生を防ぐことができます。
空き家にゴキブリが出た場合の対策とは
ここからは、空き家にゴキブリが出てしまった場合の対策について詳しく解説します。
(1)薬を散布する
空き家にゴキブリが出た場合、効果的な対策の一つとして薬の散布があります。
噴煙が出るタイプの殺虫剤を使用することで、家具や家電の隙間や天井裏など、ゴキブリが潜んでいる場所にも殺虫剤の効果が期待できます。
これらの殺虫剤は、比較的手軽に入手でき、価格もそんなに高額ではありません。
また、近くのホームセンターなどで気軽に購入できます。
ただし、使用する際には火災報知器や煙感知器が反応しないように細心の注意が必要です。
警報器が噴煙を感知しない殺虫剤も販売されていますので、それらを選ぶとよいでしょう。
(2)見つけたらスプレーで撃退する
空き家にゴキブリが出た場合、見つけ次第スプレーを使って撃退することが効果的です。
ホームセンターやドラッグストアで手に入る殺虫剤スプレーは、1本300円から500円程度と比較的安価な費用で購入できます。
ただし、チャバネゴキブリと呼ばれる種類は殺虫剤に強いため、注意が必要です。
また、殺虫スプレーには可燃性ガスを含むものが多く、高温になると火災の原因になります。
使用後は直射日光や高温を避け、安全な場所に保管することが重要です。
(3)巣を見つけ撃退する
空き家にゴキブリが出た場合、まずは巣を見つけて撃退することが重要です。
ゴキブリは暗くて湿気のある場所を好むため、キッチンや浴室などでよく見られます。
巣を見つけたら、殺虫剤やゲル状の駆除剤を使用して撃退してください。
隙間やクラック、排水口などの隠れ家も確認しましょう。
また、掃除や片付けも欠かせません。食べ残しやゴミ、古新聞などを片付け、清潔に保つことでゴキブリの侵入を防ぎます。
(4)駆除業者に依頼する
空き家にゴキブリが出た場合、自力での駆除が難しい場合は、専門の駆除業者に依頼しましょう。
ハウスクリーニング業者や害虫駆除業者に依頼することが一般的です。
標準的な住宅の場合、1回の駆除で約15,000円前後の費用がかかりますが、業者や駆除方法などによって費用は異なります。
一般的な方法としてベイト方式(ベイト剤を使用して駆除する方法)が挙げられます。
ただし、この方法では卵は駆除できないため、複数回の作業が必要です。作業回数に応じて費用も増えるため、見積もりをしっかりと確認しましょう。
空き家で発生しやすいゴキブリ以外の害虫
空き家にはゴキブリ以外の害虫が出る可能性もあります。ゴキブリ以外で発生しやすい害虫による被害について説明します。
(1)ハエの被害
空き家にはゴキブリやシロアリといった害虫が潜むことがありますが、ハエもその一つです。
ハエは生ゴミや腐敗した食物などに引き寄せられて繁殖するので、空き家に生ゴミが放置されていると、ハエが大量発生する可能性があります。
ハエは衛生面を損なうだけではなく、不快感を与えます。空き家の周囲にハエが発生すると、近隣住民に迷惑をかけることになるでしょう。
空き家の管理には定期的な清掃が必要であり、生ゴミなどの餌となるものは適切に処理することが重要です。
(2)シロアリの被害
空き家に潜む害虫の中でも、シロアリは特に注意が必要です。
シロアリは湿った木材を好み、空き家のような換気の悪い場所で発生しやすくなります。
木材を食べるシロアリは、建物の構造物や家具に大きな被害を与える可能性が非常に高いといえるでしょう。
特に古い家では金具が使われておらず、木材に直接影響を及ぼすため、耐久性に大きな損害を与える可能性も考えられます。
シロアリの被害は目に見えない場合が多く、気付いたときにはすでに大きな被害が出ていることがあります。
そのため、定期的な点検と予防が重要です。
(3)ネズミなどの被害
空き家において、ネズミの被害は非常に深刻です。
空き家は通常、人が滞在しないため、ネズミにとって理想的な生息環境となります。
ネズミは食料や温かさを求めて空き家に侵入し、繁殖します。
ネズミは家の中で家具や電気配線を噛み破り、建物の構造を損なうだけではなく火災などのリスクを増大させるかもしれません。
ネズミが排泄物をまき散らすことで衛生上の問題が生じ、健康被害を引き起こす可能性もあります。
空き家の所有者は、定期的な点検と適切な防除措置を行うことで、ネズミによる被害を最小限に抑えることが重要です。
(4)ハチの被害
空き家では、ハチによる被害も考えておく必要があるでしょう。
夏場に特に活発になるハチは、空き家の中に巣を形成します。
ハチの巣は放置されるとどんどん大きくなり、増え続けます。
近隣住民や通行人が攻撃される危険性も高まります。
空き家に巣を作られると、近隣住民にとって大きな迷惑となる可能性もあるでしょう。
また、ハチの巣からの飛来や巣の構造物への付着により、空き家周辺の衛生状態も懸念されます。
空き家所有者は、定期的な巣の点検と適切な駆除を行うことで、ハチによる被害を最小限に抑えることが求められます。
空き家管理ができない場合の対処法
害虫の発生を抑えるためには、適切な管理が必要なことを説明しましたが、空き家管理がなかなかできない方はどのように対処すればよいのでしょうか。
ここからは、自力で空き家の管理をできない場合の対処方法について詳しく解説します。
(1)空き家管理サービスを利用する
空き家の管理が難しい場合、空き家管理サービスの利用が有効です。
不動産会社が提供している空き家管理サービスには、定期的な清掃や点検、防犯対策などのほか、ゴキブリなどの害虫駆除が含まれているケースもあります。
空き家管理サービスを利用することで、空き家を衛生的で安全な状態に保ち、害虫の発生を防ぐことが可能です。
また、問題があれば早めに対処することで、建物の劣化や被害を最小限に抑えることもできます。
(2)賃貸に出す
空き家の管理が難しい場合、賃貸に出すことで管理の負担を軽減できます。
まず、空き家の状態を確認し、必要に応じて修繕や清掃を行いましょう。
次に、地元の不動産業者や賃貸仲介業者に相談し、適切な賃料や契約条件を決定します。
広告を出して入居者を募り、応募者が現れたら契約など必要な書類の手続きが必要です。
入居者が決まれば、定期的なメンテナンスや清掃を行い、入居者との円滑なコミュニケーションを図ります。
賃貸に出すことで、空き家の価値を維持しつつ、収益を得ることが可能です。
(3)売却する
空き家の管理が難しい場合、売却を検討することも有効な解決策の一つです。
空き家は放置されるとゴキブリなどの害虫の温床になりやすく、そのまま放置すると建物の劣化や価値の低下が進みます。
空き家を売却して新たなオーナーに引き継いでもらえば、建物の管理や改修にかかる費用を支出する必要がなくなります。
空き家を売却する際には、不動産会社や専門の仲介業者に相談して適切な価格設定や手続きを依頼しましょう。
売却によって得られる資金を、他の資産の購入や生活費などに充てることも可能です。
(4)解体する
空き家の管理が難しい場合、解体を検討することも対処法のひとつです。
放置された空き家はゴキブリなどの害虫の温床となり、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。
解体して建物を撤去することにより、害虫の発生源を取り除きます。
解体には専門の解体業者を利用して、安全かつ適切な解体を実施しましょう。
解体後は敷地の整地や清掃作業を行い、新たな利用方法を検討することも可能です。
解体費用は建物の規模や状態によって異なるので、複数の業者に見積りを依頼して、比較するとよいでしょう。
まとめ
空き家のゴキブリ対策や、空き家に出やすいゴキブリ以外の害虫の種類と対策などについて解説しました。
ゴキブリなどの害虫が発生した場合、非常に不衛生な環境になってしまいますし、近隣に迷惑をかける可能性が高くなってしまいます。
またシロアリなどがでた場合は、空き家自体が大きなダメージを負ってしまうかもしれません。
ゴキブリなどの害虫が発生した場合は、速やかに駆除し、今後は害虫が発生しないように適切な対策を行うことが大切です。