実家じまいの費用相場・費用を抑えるポイントも解説
誰も住んでいない実家を相続などで所有することになり、実家じまいを検討しているけれど、どのくらいの費用がかかるのか気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、実家じまいにかかる費用や、実家じまいにかかる費用を安く抑える方法などについて詳しく解説します。
実家じまいの意味と必要性
最初に、実家じまいの意味や必要性などについて解説します。
(1)実家じまいとは
実家じまいとは、親の家を整理して処分することを指します。
親が他界したり、介護施設に入居したりして実家が空き家になった場合に検討される方法です。
実家じまいを行うことで、空き家を放置することによる余分な費用の出費を抑えることができます。
実家じまいの必要性は年々高まっていますが、空き家問題と大きく関係しているといえるでしょう。
令和5年の法改正により、「管理不全空き家」に認定されると敷地への固定資産税などの軽減措置が受けられなくなります。
空き家を放置すると、倒壊や景観の悪化、不法侵入、近隣トラブルなどのリスクが高まります。これらを防ぐためにも、実家じまいは有効な方法といえます。
(2)相続発生時は実家じまいに適したタイミング
相続が発生したことをきっかけに、実家じまいを行う方は多いです。
親が亡くなり相続が発生すると、空き家となった実家を維持するための費用負担が生じてしまいます。
固定資産税やメンテナンス費用がかかるため、実家を放置すると経済的な負担が増加してしまう要因です。
相続時に実家じまいをすることで、経済的な負担を軽減し、将来的なトラブルを避けることが可能となるでしょう。
また、家が劣化し、最悪の場合には近隣住民に迷惑をかけるリスクもあります。
そのため、相続時に実家を早めに整理し、売却や賃貸といった具体的な対策を講じることが重要です。
親が健在なうちに話し合い、相続後の手続きをスムーズに進めるための準備をしておくことで、実家じまいを効率的に行えます。
(3)親の施設入所なども実家じまいのタイミング
親が施設に入所するタイミングも、実家じまいを検討する機会のひとつです。
高齢になった親が施設に入所すると、実家は空き家になってしまいます。
空き家のまま放置すると、前述した経済的な負担と、空き家の劣化や防犯リスクが懸念されます。
親が施設に入所することが決まった時点から実家じまいを進めることで、親自身が持ち物の整理に関与できます。
さらに、早めの実家じまいは、空き家問題や近隣トラブルを未然に防ぐ効果もあります。
施設入所を機に実家を売却や賃貸に出すことで、経済的な負担を軽減し、親の生活環境をより良いものにするための資金に充てることも可能です。
親の施設入所は、実家じまいの絶好のタイミングであることを認識し、迅速に対応することが重要といえるでしょう。
(4)経済的な理由で実家じまいを行うケースも多い
経済的な理由で実家じまいを考える方も多いです。
誰も住まない家でも、固定資産税や都市計画税といった税金は発生します。
また、老朽化が進む実家のメンテナンス費用や修繕費も無視できません。
これらの費用が重なると、経済的な負担は大きくなり、実家を手放す決断を迫られるケースが増えています。
さらに、親が認知症などで意思確認が難しくなると、売却が困難になるため、早めに実家じまいを行うことが重要です。
親が健在で意思疎通が可能なうちに、家族全員で話し合い、最善の方法を模索しましょう。
実家を早期に処分することで、経済的負担を軽減し、親の介護や生活費用に充てることが可能になります。
実家じまいにかかる費用は
実家じまいには、さまざまな費用がかかります。ここからは、実家じまいにかかる費用相場について項目ごとに解説します。
(1)実家じまいにかかる費用相場
実家じまいには多くの費用がかかります。
30坪程度の一般的な戸建て住宅の場合、以下の費用が目安のひとつです。
まず、片付け費用は約30万円程度みておきましょう。
不動産仲介手数料は売却価格の3%+6万円+消費税です。印紙税は1,000円~6,000円、抵当権抹消費用は1,000円からとなります。
譲渡所得税は、売却益によって異なり、短期所有での売却は30.63%、長期所有での売却では15.315%です。
解体して更地にする場合、解体費用は85~185万円程度みておきましょう。
これらの費用は、家を売却するのか取り壊すのか、また片付けの規模によって異なります。
しかし、家や土地を売却すれば利益を得ることも可能です。
費用と利益をよく考慮して、実家じまいを計画することが重要になります。
(2)不用品回収の費用相場
実家じまいの際、残された不用品を回収してもらうために遺品整理会社に依頼するケースも多いでしょう。
不用品回収が必要な場合の費用の目安を間取りごとに以下の表にまとめて記載しました。
間取り | 費用の目安 |
1LDK | 60,000円~200,000円 |
2LDKから3DK | 90,000円~300,000円 |
3LDKから4DK | 150,000円~500,000円 |
4LDK以上 | 200,000円~600,000円 |
ただし、これらはあくまで目安であり、実際の費用は不用品の量、部屋の広さ、立地条件などによって変わります。
最適な業者を選ぶためには、複数の遺品整理会社に見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較検討することが重要です。
見積もりの内容に不明な点がある場合は、しっかりと確認してから依頼することをおすすめします。
(3)解体する場合の費用相場
家が古く、リフォームをしても売却が難しい場合、建物を解体して土地として売却するという選択肢があります。
この場合、解体工事費用が必要です。解体工事費用の相場は1坪当たり約25,000円~40,000円です。
例えば、30坪の家を解体する場合、費用は約75万円~120万円かかります。
ただし、実際の解体工事費用は家の立地条件などによって変動するため、事前に複数の業者から見積もりを取ることが重要です。
実家じまいの費用を安く抑える方法
ここからは、実家じまいの費用を安く抑える方法について解説します。
(1)不用品の買い取りに対応している業者を選ぶ
実家じまいをする際には、家の中の不用品を回収してもらう必要がありますが、買い取りも行ってくれる業者を選ぶことで費用を大幅に抑えられる可能性があります。
買い取り業者を利用すると、不要な物品を売却し、得た金額を実家じまいの費用から差し引くことが可能です。
特に高額で買い取ってもらえるアイテムが家の中に隠れていることもありますので、まずは業者に相談してみましょう。
(2)自分たちでできることは自分たちで行う
実家じまいの費用を節約する方法として、家の中のものを自分たちで片付けることが挙げられます。
自分たちで作業を行うことで、回収業者に支払う費用が削減可能です。
自分の目で確認しながら処分するか手元に残すかを決められるので、納得のいく片付けもできるでしょう。
しかし、片付けには感情的な負担を伴うこともあり、途中で断念するかもしれません。
作業が遅れると税制優遇の期限を過ぎ、余計なコストが発生する可能性もあるので注意しましょう。
(3)スケジュールに余裕を持つ
実家じまいの費用を抑えるには、親が元気なうちに少しずつ進めるのが効果的です。
親がしっかりしている間に作業を始めることで、お金に替えられるものを売却できます。
また、親の意見を聞きながら作業できますので丁寧な整理が可能です。
必要な書類の所在もすぐに把握でき、無駄な手間を省けるでしょう。
親が亡くなってからでは、必要な書類が見つからず取得し直す手間がかかり、結果的に余計な費用や労力が発生する可能性があります。
早めにスケジュールを立てて、段階的に実家じまいを進めることが、コスト削減につながります。
実家じまいをスムーズに行う流れ
ここからは、実家じまいをスムーズに行う流れについて詳しく解説します。
(1)実家じまいの方法を決定する
実家じまいをスムーズに進めるためには、まず最終的な処分方法を決定することが重要です。
実家を売却するのか、解体して更地にするのか、具体的に検討しましょう。
親が健在であれば、一緒に話し合いながら方向性を決めることをおすすめします。
親の意思を尊重し、最適な方法を選ぶことで、後々のトラブルを防ぎ、円滑な実家じまいが可能になります。
(2)片付ける
実家じまいをスムーズに進めるためには、片付けが重要なステップです。
生前整理と遺品整理では対応が異なります。
親が施設入居する場合は、持ち込むものと処分するものを選別し、親とのコミュニケーションを十分に取りながら進めましょう。
一方、遺品整理では形見分けで残すものを分別し、不用品は適切に処分します。
片付けの作業を丁寧に行うことで、実家じまいが円滑に進み、後々のトラブルを避けることが可能です。
(3)専門家に相談する
専門家に相談することで、手間を省き、効率的に実家じまいを進められる可能性が高くなります。
相続関連の問題は税理士に相談し、売却関連の手続きは不動産業者に依頼することができるでしょう。
また、遺品整理業者の中には、家の片付けから不動産関連の相談まで一貫して対応してくれる業者もあります。
(4)実家を手放す
実家じまいの最終ステップは、実家を実際に手放すことです。
売却での実家じまいには、一定の日数や費用がかかるため、早めの準備が重要になります。
資金計画を立て、親や親族と話し合いながら計画的に進めましょう。
売却や解体に必要な手続きや費用について事前に把握し、スムーズに実家じまいを実現するための準備をしっかりと行うことが大切です。
まとめ
実家じまいにかかる費用や、実家じまいにかかる費用を安く抑える方法などについて解説しました。
実家には家族の思い出が詰まっているので、なかなか決断できないこともあるでしょう。
しかし、所有しておくことで継続的に経済的な負担がかかります。早めに決断をして、段階的に実家じまいを進めることが望ましいといえるでしょう。
実家じまいには、解体や不用品の回収など一定の費用が発生します。実家じまいにかかる費用をしっかりと理解しながら、少しでも安く抑えられるように工夫するとよいでしょう。