福岡県の空き家に関する最新情報とは
福岡県は2つの政令指定都市を抱えて、九州でもっとも人口が多い県です。
今回は、そんな福岡県が行っている空き家に関する取り組みをご紹介します。
福岡県大牟田市の空き家の現状
かつて大規模な炭鉱があったことで人口が増え、炭鉱の閉鎖にともなって人口減少と高齢化が進みつつある福岡県大牟田市。 実は、空き家の活用に積極的に取り組んでいる自治体のひとつでもあります。
そんな大牟田市はさらなる利用促進のために、平成28年8月から11月にかけて、市内全域の空き家の状態を調査しました。
この調査では、空き家の敷地・建物などの状況や周辺への影響を総合的に考えて、
Aランク:管理に大きな問題がなく、このままで活用できる
Bランク:管理が行き届いていないが、比較的小規模な改修で活用できる
Cランク:倒壊の可能性はないが、このままでの活用は困難
Dランク:倒壊の可能性があるなど、このままでの活用は不可能
というような4段階のランク分けを行いました。
調査の結果、活用ができると判断されたA・Bランクの空き家は1,725件あり、全体の65%を占めていました。
特にAランクと判定された823件の空き家は、適切な管理を続けることで、地域資源として活用できる可能性が高いと大牟田市は考えています。
出典:(ページ下部「大牟田市空き地及び空家等対策計画(本編)」pdfファイルより)
空き家が学生の手で生まれ変わる「空き家利活用・改修学生コンペ」
こうした調査をはじめ、空き家に関するさまざまな取り組みが行われてきた大牟田市ですが、中でも特色ある取り組みのひとつに「大牟田市民間空き家利活用・改修学生コンペ」が挙げられます。
この事業では、設計課題の対象となる空き家を大牟田市内から公募で募集し、部屋数が多く庭もある5DKの木造家屋に決めました。
そして、この空き家を「地域のコミュニティ活動の場として生まれ変わり、さらには学生向けシェアハウス、またはゲストハウスとしても利用可能な建物」として、学生、あるいはゲストハウス利用者と地域住民が協力して地域を盛り上げるコミュニティ活動の場へと変える提案を、学生から募集しています。
「空き家問題をおおむたから全国の学生が変える」というスローガンからも分かるように、このコンペには空き家問題に積極的に取り組む大牟田市の姿勢がうかがえます。
空き家を有効活用する第一歩「住まいの健康診断」
福岡県は、県内にある空き家が十分に使えるのに、見た目だけで判断されて取り壊され、活用の機会を失うことが多いと考え、福岡県建築住宅センターと連携した「住まいの健康診断」を行っています。
敷地が福岡県内にあること、売却予定であることの2点を満たす空き家の状態を、住まいの専門家が目視と計測で検査してくれます。
検査を行った空き家には、その状態を明らかにした「住まいの健康診断書」をつけてくれます。空き家がこの診断書がつけられた「住まいの健康診断書付住宅」となることで、空き家の売買に有利にはたらきます。
多方面から空き家を見つめる福岡県
平成25年度の調査で約32万戸もの空き家があることが分かった福岡県は、その空き家を学生の挑戦の場や、より良い売り渡しの機会ととらえて、さまざまな支援を行っています。
福岡県内の空き家の活用方法にお悩みの方は、まずは地域の専門家に相談してみましょう。