空き家にシロアリが発生する要因は?駆除業者の選び方と注意点も解説
しばらく空き家を放置してしまい、久しぶりに空き家を訪問した際、ゴキブリやネズミなどの害虫が発生していることがあります。
害虫は、空き家にさまざまなダメージを与えてしまいますが、最も注意しなければいけない害虫のひとつがシロアリです。
空き家はシロアリが発生しやすいともいわれますが、空き家だとなぜシロアリが発生しやすいのでしょうか?
またシロアリが及ぼす被害やシロアリ駆除業者を選ぶコツにはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では空き家に発生するシロアリについて詳しく解説します。
目次
空き家にシロアリなどの害虫が発生する要因は?
空き家には誰も住んでいないので、シロアリなどの害虫は発生しないのではないかと考える人も多いようです。
しかし、空き家だからこそ、シロアリなどの害虫が発生しやすい要因があります。
では空き家にシロアリが発生する要因にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここからは、空き家にシロアリが発生する要因について解説します。
(1)換気がされず、湿気がこもりやすい
空き家状態になってしまうと窓の開閉を行いませんので、換気ができないことが挙げられます。
人が住んでいると窓の開け閉めなどにより一定の換気がされるので、そう湿気がこもることはありません。
害虫は湿気のある暗い場所を好みますが、シロアリも例外ではなく、特に湿気のある木材はシロアリの大好物といえます。
空き家で換気が不十分だと、湿気がこもりやすくシロアリの大好物となる湿気のある木材になりやすいのです。
シロアリが発生しやすい最も大きな要因の一つといえるでしょう。
(2)家具や衣類が放置されっぱなしになっている
すっかり何もなくなってしまっている空き家ならば、害虫の発生も少し抑えることができます。
しかし、一般的に空き家状態になっている住まいは、家具や衣類が置きっぱなしになっているケースが多いといえるでしょう。
木製の家具や衣類もシロアリが食べやすく、特にじめじめと湿気がこもっている木製の家具などはシロアリにとって絶好の食料となるでしょう。
放置されている衣類や家具が多ければ多いほど、暗く水分が溜まる場所が多くなりますので、シロアリが発生する最適の条件となります。
(3)家のすきまから害虫が入りやすくなっている
管理されず放置されている空き家はスキマなどに気付かず、害虫などが室内に入りやすくなっています。
また、害虫が室内にゴミなどを持ち込むこともありますので、衛生上も問題が発生してしまうことになるでしょう。
また、隙間から野良猫などが入り込んでしまうと、室内でおしっこやフンなどを行います。
おしっこにより木材が水分を含み湿気を作り出す要因となり、シロアリが発生しやすい環境を作り出してしまうのです。
これらもシロアリが発生しやすい要因といえるでしょう。
(4)下水管から害虫が侵入しやすくなっている
人の出入りがない空き家は、水道も使いませんので乾燥してしまいますので、水道の下水管の中に水が入っていません。
水道管には封水トラップという設備があり、その中に水が溜まることにより、下水のにおいを防ぎ、ゴキブリやシロアリなどの侵入を防ぎます。
しかし、封水トラップの中にある水が乾燥により無くなることで下水のにおいが室内にたまり、害虫が発生する要因となってしまうのです。
これもシロアリが発生しやすい要因として挙げられます。
シロアリの発生においてどのような場所が被害を受けやすい?
空き家にシロアリが発生する要因について前述しました。
空き家はシロアリの被害にあいやすいことが分かります。
では、実際に空き家にシロアリが発生するとしたら空き家のどのような部分が被害を受けやすいのでしょうか?
ここからは空き家がシロアリによって被害を受けやすい場所に付いて解説します。
(1)土台や柱
シロアリの被害を最も受けやすいといわれている箇所が土台部分や柱などです。
このような構造部分に大きな被害を受けやすいといえます。
土台や柱がシロアリによって食べられてしまうと、柱の傾き、浮きなどの症状が起こるでしょう。
柱の傾きや浮きにより、耐久性や耐震性が非常に弱くなってしまい、地震や台風といった天災が起こった場合に倒壊してしまう可能性も考えられます。
また、土台や柱で被害にあう部分は、床の下で起こることが多いので、実際に被害が起こっているのが分かりにくいといったことも挙げられるでしょう。
(2)壁
次に被害箇所としてよくある場所が、壁部分です。
壁の中には断熱材と呼ばれる熱の伝わりをなるべく抑え、外部の温度差による影響を室内に及ぼさない目的で設置されています。
この断熱材がシロアリによる食害被害を受けやすい個所です。
また、壁自体もシロアリによって食べられ、気づかない間に穴が開くほどに被害を受けるケースも見受けられます。
特に断熱材などは壁の内部に設置されていますので、実際に食害被害にあっても気づきにくい箇所でもあり、被害が大きくなりやすいといえるでしょう。
(3)天井
天井部分もシロアリ被害の影響を受けやすい個所といえます。
天井裏は湿気がこもっている部分が多く、シロアリが集まりやすい場所です。
天井を食べられると起こりやすい被害が雨漏りで、雨漏りによってさらに木材が濡れ、水分を多く含みます。
そうなると更にシロアリの食害被害が進んでしまい、被害の範囲が広範囲にわたってしまうことになってしまうでしょう。
天井部分も普段は天井板で隠れていますので上部の木材部分は普段どのような状態になっているのかが分かりません。
被害が広範囲にわたった後に気付くことが多い個所といえるでしょう。
(4)家具や建具
空き家に家具を置いている場合は、このような家具も被害の対象として挙げられます。
空き家の場合は、シロアリがいるかどうかをリアルタイムで気づくことができません。
つまり、ある程度食害が進んだ状態で気づいてしまうケースも考えられます。
この場合、空き家の耐久性や耐震性にそう大きな影響があるわけではなりません。
しかし、長年使用していた家具などが、食害被害にあってしまうので精神的に影響を受けやすいといえます。
シロアリの発生により、どのようなトラブルが考えられる?
シロアリは空き家自体に大きなダメージを与えることが分かります。
では、シロアリが発生することにより、具体的にどういったトラブルが起こってしまうといえるのでしょうか?
ここからは、シロアリの発生により、考えられるトラブルをいくつか挙げてみましょう。
(1)建物が大きなダメージを受ける
先程シロアリの発生により、空き家の中で被害を受ける箇所の状況を詳しく解説しましたが、空き家の耐久性や耐震性に大きなダメージとなることが挙げられます。
被害の程度が大きくなってしまうと最悪の場合、倒壊へとつながる可能性も否定できません。
空き家の場合は、シロアリの発生に気付くのがどうしても遅くなってしまうために、大きな被害となりやすい点も特徴として挙げられます。
建物のダメージが最も大きなトラブルとなりやすいといえるでしょう。
(2)おいている家具などがダメージをうける
建物内部の被害と同時に起きるのが、家具への食害被害です。
被害の程度としては家具への被害で、既に利用していない物も多いのでそう大きな影響は受けないかもしれません。
しかし、長い間使用していた愛着のある家具がシロアリ被害により食べられてしまいますので、精神面でのダメージを受けやすいトラブルです。
(3)近隣住民に迷惑をかける可能性がある
シロアリが発生し、建物に一定の被害を与えた後は、次のエサを求めて移動します。
空き家においてある程度食べ尽くすと近隣の建物に移動してしまいますので、近隣住民の家にもシロアリ被害が起こりやすくなるといえるでしょう。
(4)駆除に費用がかかる
シロアリの被害は、広範囲で被害の程度が大きい場合もあり、修繕費用が大きくなることがあります。
また、シロアリの発生によりシロアリを駆除する場合、建物のあらゆる箇所に薬剤を散布するなどの方法により駆除しなければいけません。
これらの駆除費用も専門業者でなければ対応することができませんので、駆除費用が発生します。
場合によっては駆除にかかる費用が高額になってしまうこともあり費用面でも、シロアリ発生におけるダメージといえるでしょう。
信頼できるシロアリの駆除業者を選ぶ際の注意点
シロアリ駆除は、基本的に専門業者の力が必要となります。
しかし、シロアリ駆除は非常に高額になる場合があり、専門的な知識を要しますので、どの業者に依頼していいのかが分かりません。
いい加減な業者を選んでしまうと、費用だけが高くなり、シロアリ駆除の効果がでなかったということにもなってしまうでしょう。
ここからはシロアリ駆除における専門業者を選び際の注意点について詳しく解説します。
(1)見積もりは複数業者からとる
前述しましたがシロアリの駆除にかかる費用は決して安いものではなく、高額な費用がかかります。
しかし、具体的にどの程度に金額になるかは空き家の形状や被害の状況によって異なりますので、実際に見積もりを取らなければわかりません。
1社だけの見積もりだと、その提示された金額が妥当なのかどうかが分かりませんので、見積もりは複数の業者からとることがおススメです。
その中で費用面でもしっかりと納得ができる金額を提示してきた駆除業者を選択しましょう。
(2)建物に合った駆除方法を選択する
シロアリの駆除方法は薬剤を散布する方法や、シロアリの通り道に駆除する薬を設置するなどいくつかの方法が考えられます。
その建物や被害の程度に合った駆除方法がありますので、最適な駆除方法を選ぶ必要があり、業者によって得意としている駆除方法は異なるのです。
どのような駆除方法が自分の建物に合っているのかをしっかりと把握しなければいけませんが、どの方法が最適なのかは駆除に詳しくない私たちでは分かりません。
いくつかの駆除業者から、費用と駆除方法の見積もりを受け取り、説明をしっかりと受ける必要があります。
建物に合う駆除方法を得意とする業者を選ぶことで効果的で持続感のあるシロアリ駆除に期待ができるといえるでしょう。
(3)創業年数が長い方会社は信頼感がある
新興の企業よりも創業年数の長い企業の方が信頼感は高いでしょう。
創業が長いということは、実績が積み重なっていることにも繋がります。
つまり新興企業よりも信頼が高いといえるでしょう。
どの駆除業者を選ぶのかについて悩んでいる場合は、創業からの年数において選択することもひとつの方法です。
(4)会社の評判をチェックする
近年はインターネットにより、会社の情報や評判が比較的簡単に得ることが可能です。
複数の業者から見積もりを受け取り、金額や駆除方法を比較し選択する駆除業者を絞り込むことができたら、駆除業者の評判をチェックしましょう。
なかにはいい加減なコメントもありますので、全ての評判をうのみにする必要はありません。
しかし、いくつかの評判に対するコメントは業者選択における材料のひとつとして効果的です。
まとめ
空き家における害虫被害は注意すべき事案といえますが、特に今回解説したシロアリ被害においての被害は甚大になることもありますので特に注意が必要です。
事前の予防処置を行うこともできますので、いずれ空き家の有効活用などを考えているならば、空き家のうちからシロアリに対する備えは十分に行っておきましょう。
シロアリ被害は費用面においても耐久面においても大きなダメージをもたらす要因となり得ます。
空き家を長持ちさせるためにも事前の対策を心がけましょう。