遺品整理はいつから行うべき?始める時期や注意点を解説
両親や親族など親しい人が亡くなった場合、故人が残した遺品の整理に悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
どの遺品をどのように整理したらいいのかわからずに、そのまま片付けできないまま放置しているといった人もいるでしょう。
では遺品整理はどのような時期に行うのが適切なのでしょうか?
また遺品整理を怠ってしまうと、どのようなデメリットを生じてしまうのでしょうか?
この記事では遺品整理を行う時期や、遺品整理を怠ってしまった場合のデメリットなどについて詳しく解説します。
遺品整理とはどのようなことを指すのか?
そもそも遺品整理とはどういうことを行うのかといったことがわからないといった人もいるでしょう。
また、遺品整理を実際に行った人の中には、非常に大変だったといった声を聞くことも多いのでしっかりと手順を踏んだ遺品整理が必要です。
この章では、遺品整理の内容や、大変といわれる理由について解説します。
(1)遺品整理の内容
遺品整理とは文字通り、故人が生前に使用していたものを整理する作業のことです。
遺品には、日常的に使用していたものから、思い出の品、財産などさまざまなものがあり単純に廃棄するだけではいけません。
遺言などにより、自分の遺品について処分の方法などを故人が指定している場合などもあります。
廃棄するもの、受け継ぐもの、他の人に渡すものなど、さまざまな対応が必要です。
また、故人が賃貸住宅に住んでいた場合は解約の対応なども行わなければならず、手続きも含めると遺品整理は非常に多岐に渡ります。
(2)なぜ遺品整理が大変といわれるのか?
上記で遺品整理の内容について前述しましたが、上記の説明だけでも大変そうだと感じた人もいるのではないでしょうか?
故人が残した遺品の整理は、いくつかの分類が必要となり、自分だけの判断でどうしたらいいのか戸惑うこともあるでしょう。
日用品の処分には体力的にも負担となってしまいます。
また、大きな遺品の処分なども費用がかかる場合もありますので体力面だけではなく、経済的な負担も考えておく必要もあるでしょう。
賃貸に住んでいる場合は、解約の日までに処分を終わらせないといけませんので、日程的な負担も考える必要があります。
このように、さまざまな面で負担と感じてしまう点が、遺品整理が大変だといわれるゆえんでしょう。
遺品整理を行う時期はいつがいいの?
通夜や葬儀など、故人が亡くなった直後にはさまざまなことに対応しなければいけません。
さらに遺品整理も行うとなると、心労が重なってしまい無理をしすぎて自分が精神や体調を病んでしまいます。
では、遺品整理はどのような時期に行うのが一番適切なのでしょうか?
ここからは遺品整理を行う適切な時期について詳しく解説します。
(1)特に時期に決まりはない
遺品整理の時期に実は特別にいつまでに行うといった決まりはありません。
しかし、相続税を支払うほどに財産があった場合などは、亡くなったことを知ってから10ヶ月以内に相続税を納付しなければいけません。
遺品整理には財産の整理なども含まれますので、相続税の納付期限までには財産面の遺品だけでもしっかりと整理を行っておく必要があります。
また、遺品整理をスタートするのはいくつか区切りのタイミングなどから始める人も多いのではないでしょうか?
遺品整理を始める人が多い時期を解説します。
(2)四十九日後に始める
四十九日とは亡くなった日から四十九日目に行う法要のことです。
仏教では、亡くなった人が天国へ行くために7日ごとに裁判が行われているといわれています。
その最後の日が四十九日となりますので法要を行い、故人を慎む日としているのです。
今では初七日と四十九日(しちなのか)だけ法要を行っているケースが多いようですが、以前は7日ごとに法要を行っていました。
そして、四十九日が法要のひと区切りとなっていましたので、家族や親族も多く集まって法要が行われます。
法要前後に遺品について家族と少しでも話し合う時間がありますので、四十九日は遺品整理も行いやすいタイミングといえるでしょう。
(3)その他の手続きがすべて完了した後
家族や親族が亡くなった場合、いくつかの手続きを行わなければいけません。
自治体への届け出や、健康保険、国民年金、相続の準備といったものまでさまざまです。
これらの諸手続きが終わった後で、遺産整理を行います。
手続きをする期間によっては、かなり後から行うことになるかもしれません。
しかし、すべての手続きが終わっていますので、日程に追われることなく遺品整理ができるというメリットがあります。
(4)葬儀が終わった後
葬儀が終わった後にすぐに遺品整理を行う方法も考えられます。
すぐにでも行うケースとしては相続の手続きが控えている場合や、故人が賃貸物件に住んでいて早く解約するケースなどです。
葬儀の後も諸手続きがありますので、非常に多忙となる可能性があります。
しかし、早い時期に一気に故人に関することをすべて完結することができるといったメリットがあるでしょう。
(5)相続税の発生後
最後に、最も遅い時期に行う時期としては相続税の発生後に遺品整理を行うタイミングが挙げられます。
相続税は、故人が亡くなったことを知ってから10カ月以内に相続税を納税しなければいけません。
相続税を算出するためにさまざまな財産を洗い出し、お金に換算して課税対象財産を調べます。
これらの手続きが終わるまで、あえて故人の遺品を残しておき、相続税の納税が終わった後に、整理にかかる方法です。
本来であれば、遺品整理中に財産を整理し価格を算出しますが、相続税に対策を故人がすべて終わらせている場合などは、本当にすべてが終了してから遺品整理にかかります。
かなり時間が経過してから遺品整理を始めることができますので、整理する方法もじっくりと考えたうえで行動することができる点がメリットです。
遺品整理が遅くなった場合のデメリットとは?
慌ててする必要はありませんが、早めに遺品整理を行うことで、精神的にも落ち着くことができます。
また、いくら焦らなくていいといっても遺品整理をいつまでも行わなければいくつかのデメリットも出てくるのです。
ここからはいつまでも遺品整理を行わなかった場合のデメリットについて解説します。
(1)賃貸に住んでいる場合家賃が継続的に発生する
故人が賃貸に住んでいた場合、いつまでも遺品整理を行わなければ賃貸契約を解約することができず、家賃を払い続ける必要があります。
なかには契約者が亡くなってしまったので、一定期間内に契約解除しなければいけない場合もありますが、家賃が入っていると特に問題なく賃貸できるケースがほとんどです。
住居内の整理ができておらず、遺品整理が進まなければその間家賃を払わないといけませんので、通算すると非常に大きな金額になっていることもしばしば見られます。
故人が賃貸に住んでいた場合は、早めに遺品整理して部屋を解除することがおすすめです。
(2)相続税の延滞が起こる可能性がある
遺品の中には、財産や相続に重要な貴重品などが含まれている場合があります。
この場合は、早急に遺品整理を行い、貴重品をどのように相続するのか、遺産分割協議を行わなければいけません。
相続の対象となる財産には、現金や不動産などのほか、証券や骨とう品、美術品なども含まれます。
遺品の中に、骨とう品や美術品、宝石などが含まれていると遺品整理を行わないために遺産分割協議ができないといったことになってしまうでしょう。
特に相続税が発生するほどに財産がある場合は、相続税の納税を行う必要がありますので亡くなったことを知ってから10ヶ月以内に相続税を納税しなければいけません。
遺品整理を行わないので財産が特定できず、相続税の延滞が起こる可能性がある点もデメリットとなります。
(3)特定空き家に指定される可能性がある
故人の家で遺品整理を行わず、ほったらかしにしてしまうと、管理をきちんと行っていない空き家と国に認定され、特定空き家に指定される可能性があります。
特定空き家に指定されてしまうと、改善に関する指令や固定資産税の宅地並み課税の除外、
罰金や行政代執行による解体など、さまざまな負担を抱えてしまうことになるでしょう。
のちのち大きな負担となってしまいますので、これも遺品整理をほったらかしにするデメリットとして挙げられます。
遺品整理を行う際の注意点について
遺品整理はなるべく、早めに行うことで、余計なコストやリスクの発生を抑えることに繋がります。
では実際に遺品整理を行う場合どのような点に注意するといいのでしょうか?
ここからは、遺品整理を行う際の注意点について解説します。
(1)重要な書類は前もって保管しておく
重要な書類や貴重品などに関しては、前もって保管しておきましょう。
遺品整理は簡単にいうと、処分するものと保管するものを分類する作業です。
貴重品に関しては早めに分けて保管しておくことで、誤って廃棄してしまうことを防ぎます。
特に相続の対象となるものだとすると、のちのちの遺産分割協議などにも悪い影響が降りかかるでしょう。
重要書類は遺品整理前に保管しておくことがおすすめです。
(2)遺言書などを見つけておく
遺品整理の際に、遺言書が発見される場合があります。
遺言書は故人が最後に残した言葉で、相続にも大きな影響を与えるものです。
誰にも遺言書の存在を知らせずに亡くなってしまうことも考えられます。
特に遺産分割が複雑になりそうな場合は、早めに遺品整理を行い、遺言書を探してみましょう。
(3)近所の人に前もって話しておく
遺品整理は家具の移動や荷物の整理を行いますので、騒音が起こりやすく、ホコリや悪臭も起こる可能性があります。
そうなると迷惑をかけることになるのが近隣の住民です。
なるべく深夜や早朝の遺品整理は避け、前もって遺品整理を行うことを近隣住民に話しておきましょう。
挨拶時に、簡単な手土産でも準備しておくと気持ちが伝わるかもしれません。
遺品整理は頻繁に行うものではありませんので、どのようにしていいのかがよくわからずに近隣住民への配慮まで気が回らないことも多いようです。
騒音やほこりなど起こす可能性がありますので前もって話しておきましょう。
(4)スケジュールを綿密に立てておく
遺品整理において、何より大切なのはスケジュール管理です。
計画立てて遺品整理を行わなければ、ダラダラと間延びして遺品整理が進まないともなりかねません。
特にごみ収集日との調整を行い、すぐに廃棄できる状態にしておくと、部屋の中もまとまりやすくなります。
いつまでに終わらせるといったゴールから逆算して綿密にスケジュールを立てましょう。
まとめ
遺品整理はいつまでに行うといった特別な決め事はなく、区切りとして四十九日や、葬儀後など遺品整理を行うタイミングは異なります。
自分の気持ちやタイミングで遺品整理を初めて構いません。
しかし、あまり遅すぎるといろいろなデメリットを生じる可能性がありますので注意しておきましょう。
またこの記事では遺品整理を行う場合の注意点についても解説しています。
ぜひ参考にしてはいかがでしょうか?