空き家の水道は解約すべき?水道代のコストは?
何らかの理由で空き家を所有している場合、気になるのは水道代などのコスト部分です。
空き家は特に収益を産みませんが、所有しているだけでさまざまなコストが発生します。
空き家にかかるコストのひとつが水道代です。
しかし、空き家ですので、水道は解約してもいいのではないかと考える人も多いのではないでしょうか?
では、実際に空き家の場合水道は解約して使わない状態にしても良いのでしょうか?
この記事では、空き家の水道代について詳しく解説します。
空き家の水道を解約して水道代は節約した方が良いのか?
空き家の水道は解約することにより、年間の水道代をかからなくすることが可能です。
しかし、空き家の水道代は果たして解約してしまっていいのでしょうか?
空き家の水道代を解約することについて解説します。
(1)空き家の水道代は解約すると管理上難しくなる
空き家の水道はできる限り契約していくことが好ましいといえます。
これは空き家の管理上、水道の使用が避けられないからです。
空き家の管理において、せっかく空き家に出向いても水道を通水しなければ管理の効果は半減します。
せっかく管理に出向いても水道部分の破損に気づかない場合や、管理上の問題が発生していることもあります。
空き家の管理において水道を通水しなければいけないケースが非常に多く、水道料がかかっても空き家の水道はなるべく契約し続けることが好ましいといえるでしょう。
(2)空き家の水道代は年間どれくらいかかる?
実際に空き家の水道を、そのまま契約している場合、どの程度の水道料が年間発生するのでしょうか?
空き家の水道料は全く使用しなかったとしても水道料が発生します。
電気や水道などの光熱費は契約しているだけで基本料金が発生し、全く使用しなかったとしても料金がかかってしまいます。
空き家の水道料は、どの程度管理に訪問したのか、水道を使ったのかによって料金は異なりますが、一般的に月額1,000円~3,000円程度です。
年間12,000円~35,000円程度の費用がかかります。
全く使用していなくても基本料金がかかるので、水道料金は、使わなくても費用がかかる点をしっかりと認識しておきましょう。
(3)空き家の水道はいつ使用するの?
空き家を訪問して管理のチェックをする場合に通水する必要があります。
水道管の中にある程度の水を溜めておくことにより一定の管理効果をもたらします。
通水を怠ってしまったために、空き家の維持管理が非常に困難になり、逆に余計なコストがかかってしまう可能性も考えられるでしょう。
空き家の管理に出向いた際には、必ず空き家にあるすべての水道から水を流して管理チェックする必要があります。
(4)空き家の水道代をなるべく抑えるためのチェック方法
空き家の水道代は管理上必要だといってもなるべく抑えたいものです。
空き家の水道使用は管理上必要ですが、それ以外で水道代が発生してしまっていることも考えられます。
原因の一つと考えられるものが水漏れです。
水道管から水漏れすると水道代が気づかないうちに高額になっている場合があります。
管理に出向くたびにチェックしなければいけないのが、水漏れが起こっていないかどうかです。
水漏れが起こっているかどうかは量水器内にあるコマが廻っているかどうかをチェックすることで水漏れの確認ができます。
水漏れしていると、使ってもいない水道代が請求されることになります。
空き家を訪問した場合は、水漏れチェックを欠かさないようにしましょう。
空き家の水道を解約したために起こるリスクとは?
空き家の水道に関しては、空き家の管理上必要だと前述しました。
では、空き家の水道を解約してしまうとどのようなリスクが起こりやすいのでしょうか?
ここからは、空き家の水道を解約したために起こるリスクについて解説します。
(1)水道管の破損
水道管の破損が挙げられます。
水道を解約してしまい、長時間使用しないと水道管の中が空洞になってしまいます。
築年数があまり経過していない場合、水道管は塩化ビニル管が使用されているので大丈夫ですが、築年数が古く鉄管を使用されていると水道管の破損を心配しなければいけません。
鉄管の場合、空気に触れることにより錆が発生しますので空洞になった水道管は錆が非常に発生しやすい状態です。
錆が発生した水道管は次に水道を流す際に、錆が剥がれてしまい水道管が破損してしまう要因となります。
なるべく空気に触れさせないように、水道管が鉄管の場合は継続的に通水しなければいけません。
(2)下水のにおいが充満する
水道管の中に水を溜めることにより水道管の中にある封水トラップの中に自然と水が溜まっています。
封水トラップに水が溜まることにより防いでいるものがあります。
臭いです。
水で水道管の内部に蓋をして下水からのにおいを防いでいます。
つまり、空き家の水道を解約してしまうと、水道管の中が空洞になってしまい封水トラップも空洞になってしまうのです。
そのため、下水のにおいが室内に上がってきてしまい、嫌な臭いで充満します。
臭いがこびりついてしまうと、嫌な下水の臭いはなかなか取れません。
これも大きなリスクのひとつといえます。
(3)害虫の発生
先ほどの封水トラップ内に水が無くなることにより、下水の臭いが充満するほかにも不具合が発生します。
害虫の発生です。
封水トラップは臭いの他に下水にいるネズミやゴキブリといった害虫の発生も防ぐ役割を持っています。
封水トラップの水が無くなってしまうと、下水から臭いと一緒にゴキブリやネズミといった害虫が上がってくるのです。
害虫が発生すると衛生面でのリスクだけではなく、柱をかじられるなど建物がダメージを負ってしまうケースもありますので十分注意しなければいけません。
(4)全体的な劣化が急速に早まる
水道を解約してしまうと、さまざまなリスクと同時に、何より空き家に出向きづらくなってしまいます。
通水ができなくなりますので空き家の管理に出向く足が自然と遠のいてしまう場合があるのです。
そうなると、空き家の劣化が急速に早まってしまいます。
さまざまな個所に不具合が出ても管理に出向かないので気づかず、あっという間に劣化して多額の修繕費用が必要になるといったリスクも考えられるでしょう。
空き家の水道代を不要にする対策とは
空き家の管理上、水道契約が必要であるという点について詳しく解説してきました。
しかし、できることならなにも収益を生まない空き家ですので、余計なコストをかけたくはありません。
では空き家の水道代を不要にする方法にはどのようなものが挙げられるのでしょうか?
ここからは、空き家の水道代を不要にする対策について詳しく解説します。
(1)解体する
空き家状態で所有していても、特に今後の活用方法がなければいっそのこと解体して更地として所有すると水道代はかかりません。
後程後述しますが、空き家の管理にかかるコストは水道代だけではなくさまざまなコストを見込んでおかなければいけません。
しかし、特に収益を生むわけではありませんので、持っているだけで費用がかかってしまいます。
建物を解体し、更地として所有することにより水道代がかからなくなりコストを抑えることが可能です。
(2)賃貸に出す
需要があるならば、賃貸に出して収益を上げる方法を検討するのも良いでしょう。
水道代だけではなく空き家の所有にはさまざまなコストがかかります。
これらのコストを解消するためには空き家自体で収益を上げなければいけません。
つまり、賃貸に出して家賃収入を得る方法も考えられます。
賃貸に出していますので、水道代も払う必要がありません。
入居者が水道代を支払いますし、その他入居者が使用したものに関しては入居者負担になりますので、収益を上げるだけではなくコスト面の抑制にも繋がります。
(3)売却する
いっそのこと売却してしまうことで水道代が不要になります。
特に今後使用しない空き家や賃貸の需要がない場合などは、所有していてもコストがかかってしまうばかりで、経済的にはマイナス面が多くなってしまいます。
特に活用する予定がないのであれば活用する人に売却して現金化できると、今後空き家に関するコストを負担することがありません。
今後所有しているだけで費用だけがずっとかかり続けるのであれば、売却してしまい、さまざまなコスト負担を回避することが可能です。
空き家で水道代以外にかかる費用とは
空き家のかかるコストは水道料金だけではありません。
その他にもいくつかのコストを考えておかなければいけません。
ここからは、水道代以外にかかる空き家のコストについて解説します。
(1)電気代
水道代と一緒に光熱費としてあらわされるのが電気代です。
電気代も水道代と同じく、管理上解約することは好ましくはありません。
解約により管理面でさまざまなデメリットを生じることになるでしょう。
電気代は年間20,000円~35,000円程度のコストを見込んでおく必要があります。
(2)各種税金
空き家等の不動産は所有しているだけでかかるコストがあります。
固定資産税や都市計画税などの税金です。
地方自治体より毎年1月1日時点の所有者に対して課税されます。
固定資産税評価額に一定の税率をかけてこれらの税金額を算出しますが、非常に高額になってしまう場合もありますので大きな負担になるケースもあるのです。
前もって空き家の固定資産税額などは調べておいた方が良いでしょう。
(3)修繕費用
空き家とはいえ時間が経過すると、修繕が必要な個所が出てきます。
これらの修繕にかかる費用も考えておく必要があるでしょう。
修繕費用は定期的にかかるという訳ではありませんが、ある程度予算を考えておかなければ、予算がないので修繕できないということにもなりかねません。
そうなると修繕を先延ばしにしてしまい、どんどん修繕個所が多くなり、劣化が早まる要因となってしまいます。
これらの空き家にかかる修繕費用もしっかりと認識しておきましょう。
(4)植木の剪定など管理費
維持管理費用も必要です。
維持管理費用とは空き家をきれいな状態に維持していくために必要な費用と考えておくといいでしょう。
維持管理必要として真っ先に挙げられるのが、庭木の剪定費用などです。
マンションなどだと、このようなコストは必要ありません。
しかし貯水タンクの清掃費用や消防点検の費用など、マンションにはマンションの必要な維持管理費用があります。
維持管理にかかる費用に関しては、空き家の状況によって大きく異なりますので、どのような点に費用をかけていたかなどを前もって調べておくといいでしょう。
まとめ
空き家の維持管理に関して水道代は契約し続けておくことが好ましいと述べました。
管理面で水道を解約してしまうとさまざまなリスクが考えられ、マイナス要因が多くなってしまいます。
しかしいくら費用を抑えようとしても、空き家として所有している限りゼロになるのは非常に難しいといえます。
この記事では水道料を抑える方法として空き家自体の活用方法などについても紹介しています。
是非参考にしてはいかがでしょうか。