空き家の電気代を節約する方法と注意点
相続などにより、今のところ利用していない空き家を所有している人は、使ってもいないのにさまざまなコストを支払っています。
少しでもコストを減らそうと考える場合、頭に浮かぶのが電気の解約ではないでしょうか?
空き家の電気を使うことはほとんどありませんので、電気は解約して電気代を節約しておきたいと考える人も多いでしょう。
果たして、空き家とはいえ電気代を解約してしまっていいのかが非常に気になるところです。
この記事では、空き家の電気代を解約してもいいのか?
空き家の電気代を上手く節約する方法や、空き家で電気代以外にかかる費用などについて詳しく解説します。
空き家の電気契約は解約してはいけない理由
空き家の電気代は確かに無用なコストと考えてしまうかもしれません。
空き家の電気代などほとんど使わないので、コストはなるべく減らしたいと考えるのも当たり前の話です。
しかし、空き家の電気は基本的に解約してはいけません。
ではなぜ、空き家の電気は解約してはいけないのでしょうか?
空き家の電気を解約してはいけない理由などについて詳しく解説していきましょう。
(1)管理上、空き家の電気解約はしない方が良い
空き家の電気を解約しない方が良い理由として挙げられるのが管理上の問題です。
空き家に管理もせずにそのままの状態で放置してしまうと、空き家のチェックに訪問した際、どこに不具合があるのかがわかりにくくなってしまいます。
また、電気を解約してしまうと、空き家の管理に出向くのを怠ってしまいがちになってしまうでしょう。
空き家の電気代を解約してしまうと、
- なかなか出向かなくなってしまう
- せっかく出向いても不具合を見つけにくくなってしまう
といった理由により、うまく管理ができなくなってしまうことが想定されます。
空き家の管理が不十分になってしまうと、あっという間に空き家は劣化してしまい、更に出向く回数が少なくなるという悪循環にもなりかねません。
空き家とはいえ、きちんと維持管理をしていくことが所有者には求められています。
空き家の管理面から電機は解約してはいけません。
(2)空き家の電気代はどのくらいかかるの?
実際に空き家に電気代はどの程度かかっているのでしょうか?
空き家の電気代は、頻繁に点検に行っているかどうかによっても若干異なります。
一般的には、毎月1,000円〜3,000円程普度の電気代が空き家とはいえ必要です。
つまり年間15,000円〜35,000円程度の費用は発生することをコストとして考えておきましょう。
使っていない空き家に、年間そう大きな金額でもないけどコストを支払うのは不本意と感じる人もいるのではないでしょうか?
しかし前述しましたが、空き家の管理上、電気の使用は定期的に必要です。
管理を怠ってしまったためにもっと大きなコストを負担することにもなりかねません。
管理上、必要な費用として考えておきましょう。
(3)電気を全く使わなければ電気代はかからない?
先ほど空き家の電気代としてかかるコストについて前述しました。
でも全く空き家を訪問しなかった月があった場合、電気代はかからないのではないかと考える人もいるのではないでしょうか?
しかし、空き家で全く電気を使わなかったとはいえ空き家の電気代は毎月発生します。
全く使用していなくても必ず基本料金は発生しますので、毎月最低でも基本料金分は支払わなければいけません。
また、実家などを相続した場合、住んでいた時の家具や家電などがそのままになっている場合もあります。
この場合、家電をコンセントに差しっぱなしにしていると、微量ですが待機電力がかかっているのです。
そのため、基本料金にプラスして電気代がかかってしまうでしょう。
電気を全く使用していないとはいえ、電気契約をしている限り空き家でも電気代がかかってしまうことを認識しておきましょう。
(4)空き家の管理を怠ると「特定空き家」に指定されるかも
空き家とはいえ、管理上の問題から電気は契約し続けておく必要があると前述しました。
空き家の管理を怠ってしまうと、空き家は急速に劣化してしまいます。
ときには、廃墟のような空き家となってしまうかもしれません。
実は、空き家が劣化してしまい、廃墟化してしまっている空き家が急増しています。
管理されていない空き家が急増していることを受け、施行された法律が「空き家対策特別措置法」です。
空き家の所有者に対して空き家の管理を厳しく求めた法律で、空き家が劣化して廃墟化しないために施行されました。
管理されていない空き家に該当してしまうと「特定空き家」となってしまいます。
「特定空き家」には行政からさまざまな指導や注意を受けることになってしまい、最悪の場合は行政代執行により解体となってしまうかもしれません。
「特定空き家」になってしまわないためにも空き家の管理は必要で、管理上電気契約が必要なのです。
空き家の電気代を上手く節約する方法とは?
管理上、空き家とはいえ電気代はかかってしまいますが、電気代が必要であることを解説してきました。
管理上必要とはいえ、空き家は収益を生むわけではありませんので、余計なコストを抑える意味でもできる限り電気代の発生は抑えたいものです。
では、空き家の電気代をなるべく抑える方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここからは空き家の電気代を節約する方法などについて詳しく解説します。
(1)管理に必要な家電以外コンセントに差し込まない
空き家とはいえ、まだ家電がおいている場合があります。
前述したように、家電をコンセントに差しっぱなしにしている状態だと、使っていないのに待機電力が発生して基本料金以外の電気代が発生する原因となってしまいます。
なるべく、使わない家電はコンセントから外しておきましょう。
空き家にコンセントに差し込む必要性がある家電は、ほぼないのではないでしょうか?
できる限り、コンセントに差し込む家電を無くすことにより、支払う電気代は基本料金のみにしておかなければいけません。
なかには管理に必要な家電があるかもしれませんが、空き家のチェックに来た時にこまめに差し込むと、余計な待機電力にコストをかけることはないでしょう。
なるべく家電を使わないことで空き家の電気代を節約することが可能です。
(2)最も安いアンペア数で契約する
普段、家で生活していると、さまざまな家電を使用するので多くの電力を消費します。
そのため、少し高いアンペア数で契約しないと、少ないアンペア数で契約するとすぐにブレーカーが落ちてしまい不便さを感じてしまうでしょう。
もし、空き家の電気契約を高いアンペア数のままで契約している場合は、必要最低限のアンペア数の契約にしておくと基本料金を節約可能です。
電気契約は、契約しているアンペア数と、使った電気代の合算で請求されます。
管理に出向く時くらいしか、電気を使用するケースはあまりありません。
最も安いアンペア数でも維持管理には十分です。
なるべく電気代を節約するためにも、なるべく少ないアンペア数での契約を心がけましょう。
(3)電気を使わない個所のブレーカーは降ろしておく
どうしても電気を使用する場合で考えられるのは、暗い時間帯に空き家を訪れた場合の照明にかかる電気代や掃除などで使い電気代などが挙げられます。
また、空気の入れ替えなどで空気清浄機などを使うケースもあれば、熱い時期や寒い時期などにはエアコンなどを使用するかもしれません。
管理で空き家に出向き、このような家電を使用後、もしかするとコンセントに差しっぱなしで忘れて帰ってしまうかもしれません。
この場合、次に管理に出向くまで、余計な電力を使用し続けていくことになります。
一度管理に出向いて、チェックが終わった場合は、コンセントに差しっぱなしにしていてもいいように、使わない個所のブレーカーを降ろしておくのがおすすめです。
万が一、コンセントに差しっぱなしになって家電があったとしても、ブレーカーを降ろすと電力は流れません。
二重にチェックすることで空き家の余計な電気代負担を抑える役割を果たします。
(4)安い電気と契約する
電気の契約自体を電気代が安い電力会社と契約することにより、電気代を節約可能です。
近年では、電力とは関係がない一般企業が電力事業に参入していることもあり、このような企業の電気代は、電力会社よりも安く設定されているケースも多いといえます。
電力会社の中には、基本料金が無料といったケースもあり、空き家等には非常に有利な契約となるかもしれません。
基本料金が発生しない電気会社を見つけ、契約することにより、空き家の電気代を大幅に節約することが可能です。
空き家で電気代以外にかかる費用は?
空き家のかかる費用は電気代だけではありません。
その他にもさまざまなコストがかかりますので、空き家は所有しているだけで複数のコストが発生します。
では電気代の他にはどのようなコストがかかるのでしょうか?
ここかからは電気代以外にかかる空き家のコストについて解説しましょう。
(1)水道代
電気代と一緒に光熱費としていわれるのが水道料です。
水道料も電気代同様解約してしまうと管理上、解約することは好ましくはありません。
水道代も電気代同様、使わなくても基本料金が発生します。
年間20,000円前後の費用を見ておく必要があるでしょう。
(2)固定資産税などの税金
固定資産税などの税金も空き家にかかるコストとして見ておきましょう。
空き家であるかどうかにかかわらず、土地や建物などの不動産を所有しているとかかってくる税金が、固定資産税や都市計画税です。
毎年1月1日時点の所有者に対して自治体から請求される税金であり、都心部にある場合や築年数が浅い場合などは非常に高額になってしまう場合があります。
これらの税金関係も空き家にかかる大きなコストのひとつです。
(3)修繕費用
空き家だから、修繕しなくて良いわけではありません。
逆に空き家だからこそ使わない部分が増え、急速な劣化から修繕が必要になってしまうことも考えられます。
修繕個所をほったらかしにしておくと、さらに修繕費用がかさんでくる要因となってしまい、空き家の廃墟化にもつながってしまうでしょう。
適宜、修繕個所が出ると費用があまりかからないうちに修繕してしまうことによりかえってコストを抑えられます。
このような修繕費用も空き家には必要です。
(4)維持管理費用
維持管理費用もコストの中に見込んでおきましょう。
維持管理費用とは空き家を維持しておく際に必要になる費用を指します。
例えば、庭木の剪定費用や建物のチェックに要する費用などいくつか挙げられます。
これらの費用も、毎年必要になりますが、維持管理費用は建物の状態などでそれぞれ異なりますのでどのくらいかかるかは、一概にはいえません。
年間の維持管理費用がどの程度かかるのかを前もってチェックする必要があるでしょう。
まとめ
空き家の維持管理には電気代は契約し続けておくことをおすすめします。
管理上電気を契約していなければマイナス要因となってしまい、管理されない空き家になってしまう可能性が考えられるからです。
なるべく電気代を安く抑えることで、余計なコストをかけずに維持管理していくことができます。
電気代を安くする方法をいくつか挙げていますので是非参考にしてはいかがでしょうか。