老朽化した平屋の活用方法・建て替える場合の費用は?
平屋を所有しているが老朽化した場合、どのように活用すればいいのでしょうか?
平屋には根強い人気があるので維持しておくことも選択肢として残ります。
この記事では、平屋が老朽化した場合の活用方法や、平屋を維持することによるメリットやデメリット、建て替えした場合の費用相場について詳しく解説します。
老朽化した平屋を活用する方法とは?
ここからは老朽化した平屋の活用方法について解説します。
(1)解体、更地にして土地活用する
老朽化による改装の費用が高額なケースや、平屋を改装しても特に使い道がない場合など、解体し更地として活用する方法が挙げられます。
解体することで土地としての活用が可能になる点や、今後、建物の維持管理が不必要になる点などがメリットといえるでしょう。
しかし、平屋を解体してしまうので土地の固定資産が大幅に高くなります。
土地の固定資産税が最大6倍にまで上昇しますので、解体前に固定資産税がどの程度変わるのかを確認しておきましょう。
更地にした後は、駐車場や建貸し地などといった活用方法があり、複数の方法からそのエリアや土地の広さ、形状に合った活用方法が選択可能です。
(2)改装して活用する
改装して活用する方法が挙げられます。
平屋は根強い人気があり、近年では子育て世代などにも好まれる建物です。
老朽化したとはいえ改装してまだ住まいとして活用できるのであれば、そのまま維持する方法も考えられます。
自分たちで住んでもいいでしょうし、賃貸に出すことも可能です。
居住用の建物があることにより、土地の固定資産税も現状の税額を維持できるというメリットがあります。
改装のコストがどの程度かかるのかといった点や、老朽化しているので改装したといってもどこまでの耐久性を持っているのかといった点が課題となるでしょう。
(3)売却する
特に平屋を所有していても活用方法がなく、エリア的に更地にしてもうまく活用できない場合などは売却して現金化する方法も挙げられます。
売却することで、今後、不動産を所有しておくことによる維持管理のコストを無くせます。
売却した現金を別のことに活用が可能ですので、不動産として資産を所有しておくよりも流動性が高くなるでしょう。
ただし、土地の活用が見つかりにくいエリアだと、売りに出してもなかなか売れないかもしれません。
もしくは非常に安い金額での売却となってしまいますので、売却できる価格などをしっかりと事前にチェックしておく必要があります。
(4)あまり手を入れずに貸し出す
平屋が老朽化しているということは、築年数も経過している建物である可能性が非常に高くなります。
近年、古い住宅を古民家風に自分たちで改装して住む方が増えており、賃貸に出して借主に自由に改装して貸し出すのも効果的な活用方法です。
改装などの費用があまりかからず、賃貸に出すことにより、家賃収入が得られます。
家賃収入から維持管理にかかるコストなどを支払えるので、費用をかけることなく維持管理が可能です。
しかし、賃貸として貸し出すので、躯体など安全性に問題がある点は、自分たちで修繕する必要があります。
躯体部分の修繕となると、非常に大きな金額がかかることもありますので、耐久性も加味した上で、賃貸に出すかどうかの判断が必要です。
老朽化した平屋でも維持しておくべきメリット
老朽化したとはいえ平屋を維持管理しておく方がいいと思われるメリットが挙げられます。
ここからは老朽化した平屋でも維持しておくべきメリットについて詳しく解説しましょう。
(1)生活しやすい
非常に生活がしやすい点が挙げられます。
2階建ての住居になると、家族間のコミュニケーションが取りにくく、家族がいるかどうかよくわからない場合もあるでしょう。
平屋だと、家族が同じ階にいますのでコミュニケーションが取りやすい点がメリットです。
また、育児なども平屋の方が安心して子育てができます。
2階建てやマンションなどで育児をする場合、階段からの落下や、ベランダからの落下といった事態を心配しなければいけません。
平屋だと子どもさんが目の届きやすい位置にいて、落下などの心配がなくなります。
育児などが非常にやりやすく、生活しやすい点がメリットのひとつです。
(2)バリアフリーがやりやすい
築年数が古い家だと、段差が大きい家であることも多く、せっかく購入した住宅でも高齢者になって住み続けるには不便になってしまうケースが挙げられます。
平屋の場合は、2階建ての住まいと比較してバリアフリーにしやすいといった特徴があります。
また、バリアフリーにしやすいので介護に対しても向いているといえるでしょう。
(3)維持管理費が抑えられる
維持管理費が抑えられる点も平屋のメリットです。
基本的に構造がシンプルなので、修繕などの維持管理費用が抑えられます。
屋根などのチェックもやりやすくなりますし、2階建てだと手が届かず、足場が必要になるようなケースでも、平屋の場合は脚立などで確認が可能です。
目視での確認もやりやすいの、平屋の方が劣化箇所に目が行きやすく、こまめな修繕などにより資産価値の維持につながります。
維持管理が抑えられながら長持ちしやすいといった点もメリットとして挙げられるでしょう。
(4)地震や台風に強い
2階建ての住宅に比べると、地震や台風に強い点も挙げられます。
自宅などの不動産を所有している場合、災害のリスクを抱え込んでしまいます。
地震や風災害などにより、所有している住宅が被害を受けてしまうかもしれません。
災害に対しての強さも住まいには求められます。
平屋だと、上階を支える必要がないので耐震性が強いといえるでしょう。
また、地震の際にも、2階部分にいると避難がやりにくいのですが、平屋だとすぐに外に逃げられるといった点がメリットです。
台風などの場合、2階部分に被害を受けるケースが多いのに対し、平屋なので比較的被害を受けにくい構造といった点も災害への強さにつながります。
老朽化した平屋に関するデメリットとは
人気の根強い平屋ですが、メリットばかりではなくデメリットもあります。
ここからは平屋のデメリットについて解説しましょう。
(1)セキュリティの心配
平屋はマンションや2階建ての戸建て住宅などと異なり、出入り口が多い点が特徴です。
そのため、セキュリティ面の不安が挙げられ、防犯対策が必要です。
玄関だけではなく、勝手口があると、ドアからの侵入口が2箇所となってしまいますし、平屋の各部屋に窓がついていると、さらに不審者が侵入しやすいといえます。
セキュリティ対策としては防犯カメラや、人感のライト、防犯砂利などが挙げられますが、マンションや2階建ての戸建てよりもコストがかかります。
セキュリティ面の心配が増えてしまう点が、平屋建てのデメリットのひとつといえるでしょう。
(2)プライバシーが確保しにくい
先ほど、メリットとして平屋の方が家族間にコミュニケーションが取りやすいことを挙げました。
反面プライバシーが確保しにくい点がデメリットのひとつです。
家族とはいえ、いつでも人の目を気にして生活しなければいけません。
毎日の生活を窮屈に感じてしまう可能性も考えられます。
平屋とはいえ、きちんとプライベートを確保するように、仕切りでの区分けやそれぞれの部屋をきちんと確保しておくなどの対策が必要です。
プライバシーの確保がしにくく、自分たちでプライバシーを確保する動きが必要な点も挙げられます。
(3)維持管理の負担増
維持管理の負担が増します。
維持管理とは、平屋の資産価値を損なわないための定期的な点検や修繕を指しますが、これらのメンテナンスは2階建ての戸建てと大きな違いはありません。
最も大きな違いは固定資産税です。
固定資産税とは、不動産の所有者に対して課税される地方税で毎年1月1日時点の所有者に対して課税されます。
平屋の場合は、2階建ての戸建てよりも敷地が広くなる傾向ですので土地の固定資産税が高くなってしまいます。
維持管理の中でも固定資産税が高くなりやすいのが平屋のデメリットといえるでしょう。
(4)水害時の不安
水害時の不安も挙げられます。
エリアによっては、水害により浸水などの被害が起こりやすいのですが、平屋の場合は2階建ての戸建てと違い上階へ避難ができません。
また、浸水してしまうと平屋の方が被害は大きくなってしまいます。
水害時の不安も平屋のデメリットです。
老朽化した平屋の建て替え費用相場は?
老朽化した平屋を建て替えした場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
またどのような工事がかかるのかも気になります。
ここからは老朽化した平屋を建て替えた場合の費用相場について詳しく解説します。
(1)解体工事費用の相場
まずは老朽化した平屋を解体しなければいけません。
平屋の場合、1階だけの解体になりますので、2階建てなどと比較すると、比較的解体費用が安くなります。
解体費用が異なるのは構造の影響が大きいのですが、平屋の場合は木造が一般的です。
木造の場合、解体の費用相場は坪3万円〜5万円程度で、土地の形状や隣接する道路の幅などによって異なります。
上記の単価は、あくまでも平屋を解体するだけの金額となり、庭木や塀などの解体費用は別途かかりますので注意しておきましょう。
(2)本工事の費用相場
本工事の費用に関しても平屋住宅に建て替えした場合の費用相場について解説します。
本工事には、設計費用や住宅を建築する工事費用などが含まれます。
本工事の費用は広さやエリアによっても若干異なり、都心部ほど、周りの環境に注意しなければいけないため、高額になる傾向です。
一般的な平屋に建て替えた場合の費用相場を広さ別に下記の表にまとめました。
坪数 | 建て替え費用相場 |
30坪 | 2,000万円前後 |
40坪 | 2,500万円前後 |
50坪 | 2,700万円前後 |
本工事の場合、2階建ての住宅と比較すると平屋に建て替える方が坪単価は高くなる傾向です。
(3)別途工事の費用相場
別途工事とは、本体工事以外の工事を指します。
住宅の建築には本工事の他に地盤調査や、造成工事、基礎補強工事から設備の設置といった工事が必要になりますが、これらの工事は本体工事には入りません。
それぞれ項目ごとに費用相場は異なります。
一般的に平屋住宅を建築する際の費用において、全体の工事金額の20%程度が別途工事にかかる費用といわれています。
全体の工事金額が3,000万円だった場合、別途工事にかかる目安は600万円程度です。
別途工事とはいくつかの工事をまとめていますので、建物によって別途工事の費用は大きく異なります。
まとめ
もともろ根強い人気があった平屋にはいくつものメリットがあり、特に近年では、古民家風の住まいへの居住を望んで、需要が増えています。
平屋にはいくつものメリットがある一方、デメリットもありますので、双方の違いを充分に把握しておきましょう。