空き家をセカンドハウスとして活用できる?認定条件や申請の手順を解説
田舎などに空き家を所有している場合、活用方法として挙げられる一つがセカンドハウスとしての利用ではないでしょうか。
しかし、空き家などをセカンドハウスとして使用するには認定されるための条件があります。条件を満たした上で、セカンドハウスとしての申請が必要です。
この記事では、セカンドハウスの定義や認定条件、申請の手順、セカンドハウスを所有するメリットやデメリットなどについて詳しく解説します。
セカンドハウスの定義や別荘との違い
まずは、セカンドハウスの定義や別荘との違いなどについて説明します。
(1)セカンドハウスとは
セカンドハウスは、通常の住居以外に所有する住まいで、戸建てやマンションなどが該当します。
都市の喧騒から離れ、定期的なリフレッシュやレジャーに利用されることが一般的です。
セカンドハウスは、税制上の優遇措置も適用され、所有者は通常の住宅同様に税金のメリットを享受できます。
セカンドハウスの認定条件としては、少なくとも月に1日以上使用しなければいけません。
(2)セカンドハウスと別荘の違い
セカンドハウスと別荘は、共に第2の家を指す言葉ですが、税制上の扱いには重要な違いがあります。
セカンドハウスは、生活に必要な住居(居住用財産)として認識され、遠距離通勤や趣味、子育てなどの理由で定期的に使用される住まいで税制優遇が受けられます。
一方、別荘は保養を目的としたぜいたく品と見なされ、休暇を過ごすために建てられた住まいです。
別荘は生活必需品ではないので、その対象からは税制上の優遇を受けられません。
住居の立地や用途によって、同じリゾート地にあっても別荘かセカンドハウスかによって異なります。
生活のために使用されるならセカンドハウスとして認識され、税制上のメリットが享受できます。
(3)セカンドハウスの申請手順
セカンドハウスの認定手続きは、物件取得後60日以内に都道府県税事務所への申請が必要です。
申請には毎月1泊2日以上の滞在を証明する書類が求められ、この書類は市町村役場に提出されます。
各自治体での申請方法や必要書類は異なるため、円滑な手続きを行うために、事前の情報収集と正確な書類の提出を心がけましょう。
セカンドハウスを所有する際には、地域ごとの条件を守ることが必要です。
(4)申請に必要な書類とは
セカンドハウスの認定申請には、物件の所在地にある都道府県税事務所に提出する必要があります。
申請には以下の書類が必要です。
- 家屋の利用状況に関する申告書:セカンドハウスの利用状況を申告する書類
- 毎月1泊2日以上の利用がわかる書類:利用実態を示す書類
具体的な例として以下のものが挙げられます。
- 交通機関利用時の領収書の写し(行き帰りの日付が記載されたもの)
- 対象物件の所在地または近隣市区町村の店舗のレシートまたは領収書(店舗名と日付が必ず記載されたもの)
公共料金の領収書や写真・証言を根拠とする資料は証明資料として認められない点に注意しましょう。
セカンドハウスの認定条件とは
ここからはセカンドハウスの認定条件について詳しく解説します。
(1)居住用に利用できる住まいであること
セカンドハウスの認定条件の一つは、物件が住居であることです。事務所や店舗の利用は認めらません。
この条件をクリアするためにはまず、住居用途としての確認が必要です。
セカンドハウスが住居としての用途を満たしていなければならないので、居住スペースとしての整備が十分であるかを確認しましょう。
(2)居住する人が特定している
セカンドハウスの認定条件において、特定の人物が利用することが条件の一つです。
所有者やその家族など特定の人物の居住利用を目的としている必要があります。
不特定多数が利用することを目的とした保養所などはセカンドハウスの認定対象外です。
(3)定期的な宿泊が必要
セカンドハウスの認定条件において、重要なポイントは毎月1泊2日以上の利用があることです。
セカンドハウスが単なる別荘や保養地ではなく、定期的な宿泊が行われる居住用の住まいであることが求められています。
冬季のみや夏季のみなど、一定期間だけの利用や日帰り利用では、セカンドハウスとしての認定が難しくなるでしょう。
(4)水道やガスが開通していること
セカンドハウスを所有する際の認定条件の一環として、ライフラインが常時使用できる状態にあることが求められます。
これは、セカンドハウスが居住用の住まいであることを確認する上で重要なポイントです。
具体的には電気やガス、水道といったライフラインが整備され、障害なく利用できる状態にあることが求められます。
ライフラインの整備は、セカンドハウスが実際の居住用途に適していることを示すものであり、認定を受けるためには欠かせない条件です。
物件を所有する際には、ライフラインが整った状態であることを確認し、必要に応じて整備を行うことが重要になります。
セカンドハウスを所有するメリット
ここからはセカンドハウスを所有するメリットについて詳しく解説します。
(1)税金の優遇措置がある
セカンドハウスを所有することには、税制面でのさまざまな優遇措置があります。
具体的には、固定資産税、都市計画税、不動産取得税が減額されるのが大きな魅力です。
例えば、固定資産税が宅地並みとして取り扱われるため、一般的な固定資産税よりも1/3もしくは1/6まで抑えられます。
都市計画税も同様ですので、税金面の優遇は大きなメリットです。
(2)通勤や通学が便利になる場合もある
セカンドハウスを所有することで享受できるメリットの一つは、通勤や通学が便利になる場合があることです。
職場や学校の近くにセカンドハウスを所有できると、通勤や通学にかかる時間が著しく短縮されます。
毎日の移動時間を節約できると、他の有意義な活動に時間を費やすことが可能です。
遠方からの通勤や通学では、交通機関の利用や電車の乗り換えなどが必要となります。
しかし、近くにセカンドハウスがあれば交通費がかかりません。また 長時間の通勤や通学は精神的なストレスを引き起こすことがあります。
セカンドハウスの所有により、ストレスの少ない通勤・通学が可能となり、日々の生活がより充実したものになるでしょう。
(3)休みと仕事の切り替えがしやすい
セカンドハウスを所有することで、休みと仕事の切り替えがしやすくなる点も挙げられます。
職場の近くに住んでいると、仕事の残務整理などによって休日にも影響を与えることがあります。
しかし、セカンドハウスがあれば、都市の喧騒から離れた静かな場所で休息をとることが可能です。
新しい環境で過ごすことで気分転換が図れ、心身のリフレッシュが期待できるでしょう。
仕事から物理的に離れることができので、仕事のストレスから解放され、リラックスした状態で休息を取ることが可能です。
遠くで新たな環境を楽しむことで、日常の仕事のプレッシャーから解放されるでしょう。
郊外にセカンドハウスを所有する場合、自然や観光地が身近にあります。
休日には好きな趣味やアクティビティを楽しむことも可能です。
新しい環境での経験や趣味の追求は、仕事に対するモチベーション向上にもつながります。
(4)資産として所有できる
セカンドハウスを所有することは、資産を所有することにつながります。
自身で居住するだけでなく、貸し出すことも可能です。これにより、利益を得ることができるでしょう。
また、 地域や不動産市況によっては、セカンドハウスの価値が上昇することがあります。
将来的な売却を見越して購入することで、資産価値の増加に期待できるかもしれません。
また、将来のリタイアメント先として計画することもでき、住環境の変化を通じて新たな生活スタイルを構築する手段としての利用も可能です。
セカンドハウスの所有は、単なる別荘としてだけでなく、資産としての側面も持ちます。
適切な管理によって、その利点を最大限に引き出すことができるかもしれません。
セカンドハウスを所有するデメリット
ここからはセカンドハウスを所有するデメリットについて解説します。
(1)取得費用や維持費用がかかる
セカンドハウスを所有する際には、取得費用や維持費用がデメリットとして考えられます。
家具や家電の準備、固定資産税、定期的な清掃やメンテナンス、修繕などが必要です。
これらの維持費は、通常の住まいと合わせて二重の負担がかかります。
セカンドハウス所有にはコストが伴いますが、その負担を軽減するためには計画的な予算設定や、維持管理に対する効果的な戦略が必要です。
(2) 定期的な宿泊が必要
セカンドハウスを所有し、税制面での優遇を受けるためには毎月1日以上の居住が必要です。
しかし、遠方にあるセカンドハウスへの定期的な宿泊は、交通費の負担や移動時間が必要になり、場合によってはストレスの原因となるかもしれません。
そうなると 足が遠のいてしまう可能性があります。
定期的な利用が難しくなる可能性も考えられるでしょう。
セカンドハウスの場所選びは慎重に行い、通いやすいエリアを選択することが重要です。
移動の手間や費用を最小限に抑えることで、デメリットを軽減できます。
(3)防犯対策などが必要
セカンドハウスを月1回程度しか利用しないと長期間空き家になりやすいです。
害虫の侵入や防犯上のリスクが生じるかもしれません。
室内外をこまめに清掃し、害虫の巣を予防する必要があります。
虫よけ効果のある機器などを設置し、室内を保護しなければいけません。
心配な場合は、専門のセキュリティサービスと契約することで、定期的な巡回や緊急時の対応を得られます。
防犯対策を怠らず、セカンドハウスを安全に保つことが重要です。
まとめ
セカンドハウスの定義や認定条件、申請の手順、セカンドハウスを所有するメリットやデメリットなどについて詳しく解説しました。
セカンドハウスは認定の条件や申請などが必要ですが、税金の優遇措置が受けられ、さまざまなメリットもあります。
しっかり活用できると、非常に効果的な資産の残し方ともいえるでしょう。
しかし、定期的な宿泊が必要などデメリットなどもありますので、メリットやデメリットを十分に考慮しながら検討することが大切です。